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土木学会誌

■土木学会誌2009年6月号モニター回答


■ 巻頭言 「見える化」データからわかること  大塚 久哲

開かれた土木学会のため,具体的にどんな取り組みがなされているのか,会員に対して繰り返し説明されてきたことではあるが,改めて副会長の丁寧な説明が行われていて,わかりやすい。とかく組織の長だけに矛先が向くけれど,実際は副会長をはじめとして多くの幹部が熱心に活動されておられることを伺ったことがある。批評家には誰でもできることだが,前向きでまさに”建設的”な意見を出し合うことが必要ではないかと思っている。
(所属:高松工業高等専門学校 氏名:向谷光彦 )

■  PHOTO REPORT いいづか・いいまち・いい川づくり  平井 新太郎

津波・高潮ハザードマップの作成など,防災面での住民参加の重要性が指摘されていますが,地域の活性化にまで拡張した取り組みとして,非常に興味深く拝見しました.紙面の制約で多くを記載して頂くことが出来なかったのが残念で,『住民参加だからこそ出来たこと』など,機会があればご報告頂きたいと感じました.
(所属:東洋建設 氏名:小竹康夫)

毎月号とも「PHOTO REPORT」は楽しみな記事です。いずれのプロジェクトの紹介とも、写真の版が大きい上に鮮明で、説明は簡潔であるが、専門技術者の眼でそれなりに時間をかけて判読すると、構造物の大要や長短等の特徴、独創性、立地上の背景、自然との調和(環境)などがかなりの細部まで読み取れて、実に参考になる点が多いので、このグラビアは楽しめるし、役に立ちます。毎月号連続掲載という点でも他の学会誌に例がないヒット記事だと思います。今月号で、編集課ではたまたま「PHOTO REPORT」の原稿と写真の投稿・提供を呼びかけておられますが、投稿が少ないのでしょうか。もし、少ないのであれば、例えば、各支部に割り振るなどの方法でご協力を得るのも一案ではないでしょうか。
(福冨幹男)

■ 有明海沿岸道路(大牟田市─大川市間)の全区間開通   敏信

有明海沿岸道路は、私の実家である柳川を通っており、昔と比較して非常に便利になったと感じています。まだまだ、必要な道路というものがあることを実感しております。ただ、福岡〜柳川間を通行する中で、柳川側での高速道路とのアクセスが悪く、時間を要しています。早期に改善していただけたらと思っています。
(所属:   氏名:平田 貴久美)

■ この人に聞く 第55回 NHK大河ドラマ『天地人』チーフ演出 片岡 敬司さんに伺いました [聞き手]苗村 由美

土木とドラマ制作を比較してみることなど無かったが,成果品の形態は随分と異なるけれど,日常生活においては両者とも快適性を提供するという共通点を見出せたような気がする.また,人と人とのつながりを大切にし,目指すテーマを具体的に示すことで動機付けを行う方法に共感した.そして,泥臭さを敬遠する傾向は,土木やドラマ制作に限った問題ではないと思うが,その先にある「ものづくりのよろこび」を伝えることの重要性を再認識した.
(所属:東洋建設 氏名:小竹康夫)

■ 特 集 都市の競争力の強化 ─都市の魅力を高めるための取組み─

今回の特集は、失われた十年の中で、都市の再生という多面的な波及力や影響力の高いプロジェクトを取り上げている。個別のプロジェクトを見れば、街の魅力、建築、住宅、文化、ビジネスなどなどきわめて複雑な内容を持っている。 紙面は限られているとはいえ、これらを、「国際競争力の強化」という言葉で締めくくってしまうには、いささか抵抗がある。「国際競争力の強化」という言葉は、例えば、成田空港の現状を打破するような概念とともに使われるのが適当なのではないかという疑念を禁じえない。
(斉藤 恒孝)

特集を読んで感じた事を少し述べさせて頂く。部分的な事項であるが、●容積率移転・・景観環境の面で問題を残す結果とならないだろうか。●大きなフロアープレート、高い天井・・今地球の大問題エコ面から見た慰問●地価歩行者ネットワークの構成・・高齢化、少子化、人口減に向かう現状から見て今後必要であろうか。●直下型地震の発生・・建築物の耐震化は当然であるが、インフラ面での不安、振動で起こる什器備品の移動による、執務者、居住者への危険性等の問題。●特集6市川宏雄先生のカンヌにおける鉄道利用、地方分権、次世代都市空間の創生法の立案、等に共感を覚えた。 特集の中で居住空間に関する具体的な提案が無いのは淋しい感じがする。特集2の中にある、歴史と文化を活かしたうるおいと風格ある街並みを形成しつつ、高度な業務機能・・は価値観の相違もあり、難しい問題をはらんでいると思われる。今回の特集で紹介された都市の強化、都市再生制度の活用事例は総て東京の例であるが、問題は小規模地方都市の競争力の強化だと思う。多々町おこしの例をみるが、規模的に難しいと思う。大切な国家、国民のデータベース、貴重な人材のバックアップ、交通機関活用の面からも地方分権を進めるべき時期に来ているのではないだろうか。
(所属:(株)明和プラテック  氏名:鉤 真幸)

意欲的な特集と思います。行政、民間、金融、大学など各方面からの記事を盛り込み、立体的な内容になっていると思います。まず拍手を送りたいと思います。気になるのが、トップに内閣官房官の見開き記事、次に東京都都市整備局官の記事があり、また、P23の記事の最後が「官民一体、協力して都市作り」となっているあたり、土木学会としてどうなんだという姿が見えにくく、ややもすると政府の方針に対するチェックが出来ているのか、疑問に思います。また、特集の頭言に「グローバル化」「構造改革」とありますが、結果論としてそれらが本当に正しかったのか、土木学会の視点で検証する必要もあると思います。規制緩和による商店街の空洞化は街の活気を失わせ、郊外大型店の進出は日本のどこに行っても代わり映えのしない風土をもたらした一因であることも指摘されています。さらに、今回の世界経済危機が、過度に与信したアメリカの住宅ローンが金融市場で拡散したためであったことも、土地と金融を語る視点からは見逃してはなりません。日本経済の持続的発展のボトルネックはどこにあるのでしょうか、それは本当に「世界と比べて都市の競争力が不足していること」なのでしょうか?そこに根付く人や文化を置き去りにするような打ち手であれば、誰のための競争力なのか分からなくなってしまいます。大阪のオフィス総面積はロンドンのオフィス総面積よりも広いとのことですが、大阪には大阪の、ロンドンにはロンドンの良さとそのバックボーンとなる歴史があり、単純に広ければ良いというものではありません。今後の活発な議論が提起されることを期待します。
(所属:  氏名:金田 豊)

都市の競争力強化のためには、都市開発を進めていくと共に競争力の相乗効果を生かした都市間競争力も同時に進めていくことが必要だと思います。現在、第二東名やリニア新幹線など整備・計画が進められていますが、全国的に散在している小さな都市間の交通網の整備により交通のネットワークを構築することや、世界の都市との交通拠点(ハブ化)として整備していくことで、国際競争力を高め維持することが出来ると思います。人口が減少していくこれからの日本で、都市間の物流・人流の円滑化と効率化を進めることが、個々の都市の競争力を高める上で重要だと思います。
(所属:中電技術コンサルタント(株) 氏名:北出圭介)

■ 4 東京・港区における都市開発  清水 陽一朗

この何十年間の都市発展に、一番印象的なのは建物の「背」がどんどん伸びていることです。高層、超高層の建設により都市の魅力を高めますが、安全面で都市の安全対策に強く挑戦し、市民からの不安を招くことを解決するのが、都市計画において大きな課題になりました。時には町中で、高層ビルの建設を反対する横断幕などが現れたことは、その事実であります。都市競争力を高めていくことは重要ですが、市民の声ももっと汲み取るべきではないでしょうか?これから、もっと慎重に高層建物の計画を取り込むことおよび、詳細な安全対策を作り上げることを望みます。高層、超高層は都市の繁栄を示すものかもしれませんが、決して都市の競争力にそれほど必要とされるものではないと思います。
(所属:神戸大学大学院   氏名:彭 豊)

■ 6 インタビュー 都市の競争力を高めるためには、これから何をすべきか [語り手]市川 宏雄、[聞き手]斉藤 有

特集3(大丸有)、特集4(港区)は典型的な成功事例でしょうが、特集2の都内の事例では再生地域に指定されながら、特別地区となっていない街はどんな取り組みをしているのか気になりました。特集6では競争力を高めるには地方の公と民の力だけでは限界があり、国の政策の力が重要な要素となることを知りました。最終的には個人も法人も含めた市民が将来のあるべき姿をデザインして街づくりを決定すべきですが、世界の都市との競争力の観点からは国が実現性の高い地区を指定して効率的に支援していくこともまた重要なことと理解しました。
(所属:   氏名:秀島 雄二朗)

都市と地方の格差是正が多く語られ、官と民の連携による都市の競争力の強化がなおざりにされているとの意見には大変共感致しました。日本人の多くが都市に住む状況下で、都市のビジネス環境、住環境を向上させることは今後の日本の行く末を左右する大変重要な事柄であると感じています。特に、「東京・港区における都市開発」の中でアジア5都市の将来の中心都市は上海であるとの評価は世界情勢を見たとき、予想されていたことですが、日本人として、インフラを整備に係わるものとして大変残念に思います。今後は、日本全体を考えた投資配分を適切にしていくことが重要であると考えます。
(所属:大日コンサルタント 氏名:船場俊秀)

■ 学生記事 第4回 クロスボーダー モアイ像と土木 葛西 誠、杉江 裕実

目次を見た際,「モアイ像」には興味を惹かれたが,両者の組み合わせには違和感を覚えることは無かった.しかし実際記事を読んでみると,社員のひらめきが困難を乗越えながらも大きなプロジェクトへと発展し,さらに別の事業へ,という劇的な展開と文章構成のうまさに引き込まれた.土木に身をおくものとして,大変に勇気付けられる話題であり,このような事例はおいそれとは見つからないのかもしれないが,どんどんと紹介してもらいたいと感じる,非常に面白い記事でした.
(所属:東洋建設 氏名:小竹康夫)

モアイ像の修復に日本企業が関わっていたことは聞き覚えがあったが、クレーン会社の若手社員の尽力によってそれがなされたと知って大変感銘を受けた。
(所属:西武建設(株)   氏名:三村 卓)

クロスボーダーいつも楽しく読ませていただいております。モアイ像を修復するためにいろいろな困難があってそれを乗り越えた報告と熱意がボーダーを超えさせる点が非常に興味深かったです。この記事を読んで、我々の仕事と一緒だな〜と感じてしまいました。ひとつひとつを熱意を持って乗り越えて一つのビックプロジェクトが完成する。さらに、その経験が次のチャンスを生んでいるという土木の素晴らしさがこの記事に盛り込まれていたことが大変感心致しました。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介 )

この学生記事は、読書中は全体を通じて愉快で、読書後は何となく爽やかさが残り、恰も何か一つのプロジェクトとの工事記録を読み終えた時のような快感を覚えました。こんな言い方をするのは失礼であり申し訳けありませんが、技術的にも記述的にも殊更に特記すべき高度の内容が報告されているとは思えませんが、何と言っても、若者(将来性)、海外活動、国際貢献、建設・施工技術、施工機械、文化財保護、社会貢献、土木分野の魅力等々の多岐にわたるキ−ワ−ドの観点から、思いを無限に広げてくれる記事でした。言わば、土木分野や学会が将来目指すべき一つの方向性を連想させるようなヒントを与える記事ではないかとと感じました。このような情熱的で、独創的な若い学生の活動記事は、我々年配者に何よりの明るい夢、将来展望を持たせてくれます。
(福冨幹男)

モアイ像と土木という斬新さで興味深くそして楽しく読ませていただきました。様々な人々がこのプロジェクトに携わっていたのだと思いますが、この壮大なロマンは、たったひとりの熱意によって実現し、そして不可能であったボーダーをも乗り越えたのだと感心いたしました。「熱意がボーダーをこえさせる」との言葉に本当に説得力があり、「人と人との関係でしか物事は進まない」との言葉にも納得させられました。最後にひとつ疑問が生じました、いったいモアイ像はどのくらいの重量なのかと言うことです。次号も大いに期待しています。
(所属:(株)大林組 氏名:中村泰)

放牧された馬(?)の背景にモアイ像を吊っているクレーン車、何だこれ?まさにボーダーを越えた写真に見入ってしまいました。土木(建設機械)と文化財保護(モアイ像)、日本と遠く離れたイースター島というクロスボーダーを発想し行動した当時の若者と企業の熱意に敬意を表したいと思います。社会貢献、国際貢献が叫ばれている中で、国や企業にその余裕が無い現実において、それを受け入れられる社会環境づくりが、これからの土木の魅力や発展に寄与するのではないかと思いました。
(所属:(株)キャプティ   氏名:斉藤 実)

物語の起承転結は驚きの連続。文化的・学術的な領域でこのような社会貢献ができたのは強靭な意思と技術的な信頼によるところ大でしょうが、実施していく過程で得たものは日頃の事業領域でのものづくりやマーケティングにも少なからず良い結果をもたらしたのではないかと推察します。
(所属:   氏名:秀島 雄二朗)

些細なきかっかけが、これほどの大きなプロジェクトになり、成功体験を掴んだこの文章はとても興味深いものでした。私も、普段の業務で感覚が違うと感じる場面は多々あります。しかし、同じ分野同じ感覚の人が集まってしまうと、答えは一つにしかなりませんが違う分野、違う感覚の人が集まれば、答えも多彩になるでしょう。そうすれば、どの答えが一番良いのか考える(選ぶ)ことができ、最善の結果へと導けると考えています。また、長く、同じ分野にいると考えが固定化してしまうことがあります。そんな時こそ、外の空気(違う感覚の人)と接するのが良いと思います。一つの体験が、これほどまでに多くの人との関係を築き上げ、また、新たな道も切り開いたということに、やはり、人と人との関わりは大切なんだなと改めて考えさせられました。
(所属:住友大阪セメント(株) 氏名:川瀬 彩)

モアイ像の復元という、文化財の保護に土木が活躍するということに新鮮な響きを感じた。国境と言うボーダー、そして文化、言語と言った数々のボーダーを越えて進んだこの事業の経緯を読んでいくと、担当者の熱意とこの事業に携わった人々との固い絆が見えてきた。無数の困難を乗り越え、着実に一歩一歩踏みしめて、一つの大きなプロジェクトが完成されていくこの話は、良い意味での「無茶をする」ことのおもしろさが、実は土木にもあったのだということを語ってくれていると思う。
(所属:戸田市役所   氏名:諸井 敬嘉)

■ 見どころ土木遺産 第59回 京橋川の雁木群 土井 祥子

広島の街には昔から親しみを感じていますが、広島のデルタにこのように大規模な土木遺産があり、親水空間として活用されていることは初めて知りました。断片的に漠然と雁木を眺めていただけならやはり初めて知ったというべきでしょう。写真の景観のすばらしさは自然と人工物の織り成す美だと思いますが、河川だけでなく、河岸のまちづくりがうまく調和していると思います。タイトルは雁木が主役ですが豊かな自然を感じることのできる都市計画にも感銘を受けました。
(所属:   氏名:秀島 雄二朗)

私は広島市に住んで1年半になりますが、記事にあるように干潟や歴史を感じる古い護岸が多く見られ、川辺がとても身近にある街です。また、景色もよく土手も歩道としてきれいに整備されているので、家族で散策やジョギングをしています。私もこの地に拠点を構えるコンサルタントの一員として、また住民の一人として、この広島らしい「ウォーターフロント」をまもり活かしていきたいと思います。
(所属:中電技術コンサルタント(株) 氏名:北出圭介)

■ 論説委員会の頁 新しい社会のニーズと土木の役割 西脇 芳文
自然災害への対策と土木技術者の役割 柴山 知也

結論部分で示された2点について,まず後者の『技術者の不作為が問われる時代の到来』は,企業としても指示されたものを無事造り終えておしまいと言うだけでなく,自分が造ろうとするものの機能や効果を十分に理解した上で, 場合によってはその不具合を指摘する技術が必要との指摘と,重く受け止めた.前者の『国全体の視点と個々の地域の視点は異なる』に対して,防災面での住民参加の重要性が増しつつあるが,技術者がこの指摘内容を十分に理解するとともに,住民の方々にも分かりやすく説明する努力が必要であると感じた.
(所属:東洋建設 氏名:小竹康夫)

■ CE リポート 韓国の水辺再生事業の現場を訪ねて 森 政次

今、学会誌で私のイメ−ジに強く残ったのは清渓川視察報告で紹介された「高速道路橋脚」の一部保存写真でした。何故なのか?その理由を考えてみました。 残された橋脚は地震によるような壊れ方でなく、モノクロで何か不快な土木構造物の廃墟を連想させるものでした。今まで伝え聞いていた韓国の清渓川再生の活動は、明確な土木に対する前向きなメッセ−ジを私達に突きつけました。未来を暗示する、大胆な都市河川再生は日本にとって大切な「土木と自然の共生」への指標となることは明らかです。人類の英知は、これまで自然との共生を大切にして人々の生活を守ってきました。我が国の「社会資本=住民の宝」を守る土木行政も、関係者との話合いを積極的に持ち、より良い方向を模索するようになりました。そして必要・大切な土木工事と言えども、後戻りも辞さないという明確な合意が形成されつつあります。土木の将来性は、まさにこの一点にあり、大切にしなければならないと思います。ただし、私は自然を守る、また自然回帰と称してある時期の姿に戻しそれを維持することが土木と自然の共生とは違うと思います。そう言った意味で、本当に人類の安全と自然の共生は可能なのだろうか?
(所属:(株)てすとぴあ   氏名:坂本 和雄 )

清渓川再生事業における隣国(韓国)の大きな決断が、結果的に、市民の憩いの場や観光名所となり、更には、地球温暖化防止の一助となっている。今後、日本でも同様にインフラの老朽化が喫緊の課題であり、補修・補強あるいは取り壊すという選択を迫られるはずです。果たして日本では、取り壊すという決断ができきるのだろうか?との思いになりました。
(所属:(株)大林組 氏名:中村泰)

韓国では,急速な経済成長とともに高速道路,ハブ空港,ハブ港湾等のビッグプロジェクトを推し進めてきた。その弊害として,周辺海域の貴重な干潟のような豊穣の海を埋め立てて開発してしまったり,歴史文化の深い河川に高速道路の高架橋が覆い被せてしまったりしてきたことを知った。特に写真4の河川に残された高速道路の橋脚は,土木技術者の目に焼き付けなければならない光景であろう。日本でも,お江戸日本橋等の歴史遺産や風景が侵害されている現状があり,修景が試みられようとしていると聞く。今後の日本の対応にも注目したい。
(所属:高松工業高等専門学校 氏名:向谷光彦 )

■ 土木学会誌編集委員会からのお知らせ 土木学会の現状と土木学会誌の今後の行方 第3回(最終回) 土木学会誌が届かなくなる日 日比野 直彦

予算が減少していく中で、さまざまな方策を模索していることを感じます。このような効率的なコスト削減は、今の日本全体、特に中央官庁や地方自治体などに必要ではないのでしょうか。多分、役所の人たちの危機感はないのだと思います。民間では、リストラなどの改革が当たり前の時代です。大胆な改革を望んでおります。
(所属:   氏名:平田 貴久美)

何気なく目を通す程度の学会誌でしたが、このような記事に触れることにより、会誌を粗末に扱うことなどは厚かましく感じられました。編集委員の方々のご尽力があってこそ、ということをより認識して購読させていただきます。
(所属:西武建設(株)   氏名:三村 卓)

土木学会誌以外の土木に関する技術誌は 道路、河川、上水、下水、鉄道、地質、橋梁、推進技術、等 協会、会社発行の専門誌がそれぞれの分野で多々存在し、その方が実務的には利用価値が大きいと思われる。利用者としては購入費用の問題もあり、専門誌の方を選ぶのではないだろうか。それらを総括する土木学会誌とのすみ分け、共存を考える事が必要だと思う。
(所属:(株)明和プラテック  氏名:鉤 真幸)

今回最終回の編集委員会報告は大変衝撃的な内容でした。学会では学会誌編集予算の減少や学会誌縮減等の難問題を抱えて、編集委員会や理事会等で熱心にその打開策が検討されていることは、会員の一員としての立場で一応理解しているつもりではありましたが、今回の報告でこの問題の深さが予想以上であることを知りました。土木学会は、他の多くの理工系の学会に比べると、法人の規模、会員数、委員会活動、出版物、社会への貢献度、実績等のいずれにおいても群を抜いていることは明白だと思います。何よりも、会員の誰もが経済や政治がいかに変わろうとも土木技術の分野が不要となる社会はあり得ないことを肝に銘じていると思いますので、会員全員が英知を絞って、この難問を乗り越えねばならないと思います。そのためにも、会員への情報の開示と共有化を図りつつ広く会員から建設的な意見や提言を出して貰い、また他学会(もっと苦労している学会が多い)の経営や会誌出版の実態等も調査して参考にすべきは謙虚に採用するなどによって、先進の学会らしい徹底した見直しを期待したい。
(福冨幹男)

3回に及ぶ記事により、土木学会の厳しい現状を詳しく知ることができました。ここまで内情を知らせなくても・・という部分が多々あり、学会誌がより身近になり、読者として仲間意識のようなものが生まれました。自分たちも一緒に学会誌を盛り上げようという気になった読者が、私の他にもいるはずです。一歩ずつこのような取組をしていけば、必ず可能性が広がると思います。
(所属:岡山県   氏名:難波明代)

■ 土木学会の動き 委員会報告 母校の中学校の授業で土木技術映像 『街の一体化と安全のために』を上映 松下 芳亮

私事で恐縮であるが,数年前,弊社の研究施設である平面水槽(波の出るプール)に, 施設周辺の地形を1/100で再現した模型を置き,想定より巨大な津波が来たらどうなるかといった実験を,地域住民の方々に公開したことがある.また自治体などからの依頼で,学生や教職員の方に胴長,ヘルメット着用で水槽に入ってもらい,波の力を体感してもらう取り組みなども行っている.見学された方からの反応は概ね好意的で,次回を期待するようなコメントを頂くことも少なくない.模型実験となると費用もかかり,なかなか毎年の行事と言うわけにも行かないのが残念であるが,身近にあるはずなのに気づかれることの少ない土木の魅力をアピールできるこのような取り組みが増えることを期待している.
(所属:東洋建設 氏名:小竹康夫)

上映後のアンケートには「土木」という分野への理解が飛躍的に延びている結果が伺われる。未就学時頃の子供達は砂遊びが大好きで、おもちゃのダンプやショベルカーを自在にあやつり大工事をやってのけているのに、いつの間にか別世界の出来事になっている。その後を繋げる教育が必要だと思う。授業では、農・商・工業について教わるが、インフラについては、上下水道の処理場見学会ぐらい。もう少し、生活していく為に必要な道路・鉄道・橋梁・河川整備の授業を行うべきではないだろうか。厳しい財政状況の中、子供達には優先すべき事業を見極めていける能力を持てるようになって欲しいと願う。
(所属:日本水工設計(株) 氏名:佐々木 隆)

■  お知らせ「土木の魅力的な定義」の提案

「土木の魅力的な定義」ということで3名のご提案を拝見させていただきました。土木は「築土構木」が語源とのことでしたが、ご提案の中に「地球」や「社会利益」という言葉が入っていることに、土木という分野が単に建設ということだけではないのだなと痛感いたしました。環境分野にせよ、最近では「土木」の幅が広がってきていると思います。特に小学生を相手に「地球」という語句を使って説明するということは小さい頃に土木の良いイメージを植えつける最高の手段ではないかと思います。我々がいかに次の世代に「土木」を伝えるかを考える良いヒントになると思いました。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介)

■ その他:[学会誌全般・編集委員会へのご意見など自由記載]

学会誌の発行に関して,法人会員である団体に属する個人会員が団体宛の学会誌を閲覧し,個人宛は未開封といった事も想定し得ますが,受け取りを選択性にする選択肢は検討されたのでしょうか?受益者負担の原則からは,受け取り不要の場合は会費低減も考え得ますが,資源の無駄を省くためには,受け取りの選択性もあり得るのではないかと思います.
(所属:東洋建設 氏名:小竹康夫)

毎月配達される学会誌の表紙を見るのも大きな楽しみの一つである。国内外の有名な場所、特徴のある風景、心和むひと時である。6月号の表紙を見て、ワインのふるさと ポルト だとすぐ分かった。平成18年10月ポルトガル〜スペインを旅した時最初に訪れた町である。写真の橋の下でガイドさんからエッフェルの弟子が作ったという説明を聞いた。快い想い出。表紙からカラー写真の消える日が来ないことを願いつつ・・
(所属:(株)明和プラテック  氏名:鉤 真幸 )

© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会