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JSCE Magazine,“Civil Engineering”

土木学会誌

■土木学会誌2009年5月号モニター回答


■ 巻頭言 プロアクティブな土木研究を目指して 花木 啓祐

現在の公共事業に対する逆風は、そもそもここで言う「リアクティブ」な考え方により対応が遅れ、国民の望む公共事業と大きく乖離し、コンセンサスが得られていないことが要因ではないかと思います。今までのやり方や考え方をドラスティクに変えなければ、プロアクティブ(先見的な)対応は望むことはできないはずで、今回の巻頭言では、逆風を変えるための重要な方向性を示しているように感じました。
(所属:(株)大林組 氏名:中村泰)

■ PHOTO REPORT 岡山河川事務所管内の堤防の質的強化対策 三輪 雅夫

岡山県を含めた環瀬戸内海は,既存不的確化したため池堤体を多く抱えている。この記事で,河川堤防も同様にダメージを受けている実態を知ることが出来た。堤体改修のコアとなる遮水ゾーン形成のため,近隣の山地等より入手することが困難なことが予想される。安価で安全な改修のためには,土材料だけにこだわっていては,あっと言う間に行き詰まってしまう。新素材,長寿命化,環境に配慮した,適切な堤体改修工法の確立が待望されているようだ。
(所属:高松工業高等専門学校  氏名:向谷光彦)

■ この人に聞く 第54回 『劔岳 点の記』映画監督 木村 大作さんに伺いました [聞き手]遠藤 和弘

木村監督は、誰かに認めてもらおうという思いを捨て、黙々とやってこそ、認める人が出てくると言う。土木が尊いのは、汗水たらして黙々と現場で働いている人々がいるからだ。市民の方とのコミュニケーションにおいて土木技術のすばらしさをアピールする時も、黙々と頑張っている現場の気持ちを伝えることを忘れてはならないと思った。剱岳は富山県の名山であることから、「劔岳 点の記」の地元での関心は高く、全国ロードショーに先駆けて公開が予定されている。私も子供を保育園に預けてでも妻と見に行こうと決めている。
(所属:富山県 氏名:山中久生)

■  企画趣旨 峯岸 邦夫

この特集を読んで、まず思い浮かんだのが文部科学省の“理科教育支援事業(SCOT)”である。実験・観察を主体とした理科支援授業サポ−トであり、私もこの授業への参加を考えているところである。総合学習支援と理科教育支援とは若干異なるが、社会と土木の関わり合いを醸成して行こうとの積極性は是非広め実践してゆくべきであろうと思う。タモリ倶楽部の土木関係番組は、一編も見れなかったが極めて残念である。土木と云うと・・・行政*談合*ボス政治*税金の無駄使い・・・等が一般の市民感情と思われるが、建設工事体験からいえば(そう言ったことも有るが)通常業務は良い単価とは云えないのが現実である。
市民(特に小中高生)と土木を身近に、サイエンスコミュニケ−ション・・・賛成
(所属:(株)てすとぴあ 氏名:坂本 和雄)

土木の魅力を伝える企画として、様々な角度からアプローチし土木の魅力を十分伝えていて興味深くかつ楽しく読ませてもらいました。この特集は、読者が土木技術者に限られてしまう学会誌だけではもったいないように思います。一般の方々の目に触れる機会の多い雑誌や書籍にも、このような記事を掲載できれば、大いに有意義ではないかなと感じます。
(所属:(株)大林組 氏名:中村泰)

■ 1 土木技術をめぐるサイエンスコミュニケーション 渡辺 政隆

「土木と市民の距離を身近に」という趣意で特集されたこの企画は、これからの土木分野が発展する上できわめて重要かつ不可避の課題を吹き出してくれたと思います。まさに、「顔が見える土木技術」とか「土木の事をもっと伝えよう」の趣意のとおりで、マスコミ等で良く取り上げられ社会問題視されるような国策的事業でも、例えば、ダム、道路、干拓等は是か非かの問題や高速道路無料化の施策案等が広く議論されるような場合でも、これまでその必要性、持続的効果、経済性、安全性等に関して最もその真の実態を知っているはずの土木技術者が表面に出て市民の皆 さんに真実を伝えようという活動が欠けていたようにも感じます。土木技術者は上記のような課題や事業展開に際してプロの眼で視た真実を市民にも素人の政治家や評論家にも伝え、情報を共有してもらって、適正で適切な判断を下してもらえるようなお手伝いする役割を負っていると思います。そのためには、有能な技術者は積極的に大衆相手のマスコミ等へ顔を出して声を大にして本音を語り、全国津々浦々の土木技術者は地域活動・地域教育等の場に参画して実態を伝える事も必要ではないかと感じました。
(氏名:福冨幹男)

プロジェクトの実現に於いて設計・施工に貢献した人物よりも政治家等のみが讃えられるというくだりは悲しくなります。初めに必要性や期待効果が立案者により提唱されるとしても事業を実現する志の高さは技術開発に携わる方々に共有され、この志の高さが技術開発力向上に繋がり、事業が成功を収めるのではないでしょうか。そのような成功事例を基調はサイエンスの適用としてクールに語りつつ、技術的課題を如何に解決したかを時としてホットに人間臭く語りかけるような場(カフェのような実物であれ媒体利用であれ)を沢山作って、どのような顕彰碑にも勝る、次世代への強力なメッセージを発信できるとよいですね。
(氏名:秀島 雄二朗)

■  2 インタビュー 市民と土木のサイエンスコミュニケーションについて[語り手]米村 でんじろう [聞き手]北原 正代、峯岸 邦夫

でんじろう先生と聞けば、誰もが楽しい科学の実験をする人と思い浮かぶと思います。これほどの知名度を持った人が土木の世界でも出てくれば、より子供達の科学離れにストップをかけられるのではないでしょうか。記事に書いてある通り、専門家と一般の人とのギャップを埋めることはとても大事だと思います。どんな場でもそうなのですが、まずは相手に理解してもらわないとお互いの距離は縮みませんね。理解度を上げるため、興味を持っていただくためには実験というキーワードはとても有効だと思いました。土木の世界は一見、地味な感じがしますが、私達の生活には必要不可欠です。このことを、より多くの人に理解していただき、興味を持っていただける人が増えていくことを願っています。
(所属:住友大阪セメント(株) 氏名:川瀬 彩)

でんじろうさんのインタビューに何かピンと来るものを感じました。今ではサイエンスプロデューサーという肩書きで活動されていますが、普通の科学実験を誰もが興味をそそるショーへ変化させたのはすごいですね。でんじろうさんといゆうキャラクターが、そのおもしろおじさんの見せてくれるショーが化学実験だったということですね。土木技術についても同様なことが言えるのでしょう。私も、名前や顔の見えるおもしろおじさんになりたいものです。
(所属:日本水工設計(株) 氏名:佐々木 隆)

■  COLUMN1 土木現場見学から生まれた「社会科見学に行こう!」 小島 健一

今回の特集の中で、小島健一氏が述べられている「社会科見学に行こう!」の立ち上げは一般の方々に土木を広く理解して頂く、有効な手法の一つだと思う。以前、学会誌特集の中で、近畿大学の谷平勉先生が「おじさんたちも頑張ってるで!」と言うCVV活動の記事を発表され、その中で全国各地で同じような活動をされている方々、是非交流をしたい。全国ネットを張りましょう。と書かれていた。今回の児島健一氏と全く同じ趣旨だと思う。今月号のCEリポートで「千里の竹の物語」を投稿されている村上正氏もCVVのメンバーであられ、心強いものを感じた。CVV―検索で幅広くCVVのホームページをPRしては如何だろうか。
(所属:(株)明和プラテック 氏名:鉤 真幸)

社会科見学に行こう!のコラムを楽しく読ませていただきました。弊社も一般の方を対象とした見学会を年に何回か実施しておりますが、普段土木と全く関係ない方が来られると、いつも「すごい工事だわね〜」とか「頑張ってちょうだいね!」とか励ましのお言葉を多数いただきます。普段、我々が当たり前のように見ている現場も、一般の方から見ると凄い工事なんだなと改めて気付かされます。工事の進捗上、毎日のようにはご案内できないのが心苦しいですが、多くの方に現場を見ていただくことが、土木を理解いただける一番の近道だと確信しております。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介)

■ COLUMN2 伝承する黒四 森本 浩

今後の日本では、黒四のような大規模な工事を行うことがあるのでしょうか?土木に対する魅力や、技術の維持・向上する上で、大規模工事も必要なのかも知れません。しかし、現在の社会的な風潮は、公共工事が無駄な代名詞となっています。しかし、公共工事は国民が生活する上で、必ずといってその恩恵を受けていると思うのです。
黒四ダムは、発電のみではなく、多くの人々を魅了する観光資源として、今後も輝き続けていくと思います。このような社会資本が、今後つくられないならば、それを寂しく思います。 
(氏名:平田 貴久美)

■ 3 インタビュー バラエティー番組『タモリ倶楽部』で土木を語ろう![語り手]山田 謙司 [聞き手]峯岸 邦夫

かなり昔からこの番組のファンでもある私は、見るたびにタモリ氏の多趣味さ・多芸さに驚いている。今回リストに挙がっているもの以外にも、古地図を見ながら東京の街を歩いたり、地図の専門誌の編集者を招いて地図に付いて熱く語ったり、といった企画があった。そのたびに私は面白がって好奇心をくすぐられているのである。この番組はもう26年以上続いている長寿番組でもあり、常にタモリ氏の『好きなこと』しか番組で取り上げていないように感じる。そもそもタモリ氏の趣味はあまり万人受けしないことばかりであるが、一般の人にややハードルが高い内容であっても、伝える人のキャラクターで大きな支持を得るということをこの番組が示してくれていると思う。
(所属:西日本高速道路(株) 氏名:西川悟史)

■ COLUMN3 市民の声 土木に対する印象 峯岸 邦夫

小学校5年生にして透水性舗装を知る。正直うらやましいと思った。私が知ったのは、大学での講義であった。舗装とっても一つ一つ特徴があることが分かって、おもしろいと思った。もっと早くにこのようなことを知っておきたかった。土木分野は多くの専門分野をひとくくりにしているので、知識も大変膨大である。故に土木に勤しんでいない方にはとっつきにくいものであるイメージ。一般にも土木に携わっている人々にも浸透しているそんなイメージは、実は幻影なのではないだろうか?今回の記事に出ていた小学校5年生の発表シートは、舗装の教科書にも載っても良いくらい分かりやすいものと感じた。彼らは舗装のことをきちんと理解した上で模造紙にイメージを書き、発表したのだろう。そして、この発表を見た同級生もまた理解してくれたものと思う。このような取組みを行うことで、土木の大切さを早くから身に付けることが出来ることが、自然になって欲しいものと思う。小学校5年生に理解できるようにアピールできれば、とっつきにくいと思われている世の中の物象も、その方法によっては身近になることを教えてくれた。
(所属:戸田市役所 氏名:諸井敬嘉)

■ 特集を終えて…峯岸 邦夫

様々な角度からコミュニケーションの糸口が語られており、楽しく読み進められた。最初はいくら学会誌の中でいいことを言っても、これを読むのは土木関係者ばかりで広がらないのではと思っていたが、「特集を終えて」にもあるように、これを手に取った土木関係者一人一人が発信者になれば、市民との架け橋は増えていくと思い直すことができた。
(所属:岡山県 氏名:難波明代)

■ 土木に見る数字 第10回 1 2 3 4 1234 12 12345 1234 安松谷 隆之

道路構造令によれば、第1種の道路の級別の区分は、第1級〜第4級の4種類が規定されています。表1「道路の種級区分の体系」でもその旨記載されていることから、今回の数字は上段が「1 2 3 4」、下段が「1234 12 12345 1234」なのではないでしょうか?それとも著者にはもっと深い考えがあったのでしょうか?
(所属:富山県 氏名:山中久生)

この記事を読むときはいつもそうなのですが、最初の文を見て「なるほど」と思ってしまいます。今回の記事でも、道路構造令自体は知っていたのですが、やはり数字だけ見ても何のことかは分かりませんでした。改めて考えると、各々の設計速度や計画交通量などの数字がどのように決められたかが気になりました。これを機に調べてみようと思います。
(所属:京都大学大学院 氏名:木村優介)

■ 1 インタビュー 土木は温暖化にどう取り組んでいくのか [語り手]石井 弓夫 [聞き手]荒巻 俊也

環境に対する両面性(「守る立場」と「壊す立場」)を完全に払拭することは他の人間の営み同様に困難と思いますが、自然をよく理解し、注意深く人間の生活に相応しい環境を獲得していく以外に気候変動に対応していく途は無いと思います。土木界には適応策推進につき国民が深い理解を得えられるような活動を期待します。また、この先IPCCのAR5のアウトライン作成から完成に向けて日本の国際貢献や学術的な労作が多く発表され、国際的な評価が向上することを期待します。
(氏名:秀島 雄二朗)

■ 2 土木工学は地球温暖化問題にいかにして挑むのか?松岡譲

地球温暖化阻止に向けて土木として何が出来るか?温暖化阻止の政策が打出された時、その対応として効率的な施工計画、施工方法を即立案する事が土木屋に課せられた第一の課題だと思う。トピックスで述べられている、国のリーダーシップと専門部署の設立は、4月号で論じられた、土木の幅の広さ、土木は応用工学である、から見て今後の土木の行方の一つではないだろうか。省エネエンジンの開発など、部分の先行が第一であることは論を待たないが、部分を組み合わせ、地球温暖化阻止に向けた全体像を作り上げる、リーダーシップと専門部署は土木の得意とする分野だと思う。
(所属:(株)明和プラテック 氏名: 鉤 真幸)

GHG緩和策は国民に理解を得やすく、また各分野で推進すべきものと思います。一方、適応策は国民の理解を得て政策として実行し続けるのに多大のエネルギーを必要とすると思います。例えば港湾政策について3月に交通政策審議会の答申が発表されましたが、土木界各分野で今後も長期的で具体的なビジョンを示し、社会経済的な検討が充実するよう期待します。そのためには「何をすべきか」の第5項にある通り、従来とは異なる強力な推進体制の構築が必要で、予測の不確実性を前提にした適応策の主流化、顕在化を確立するには条件・シナリオの変化に即対応できる計画策定力、政策の優先順位付け、安定した財政基盤が必要になると理解しました。
(氏名:秀島 雄二朗)

地球温暖化を代表する環境問題についてのマスコミは、今の我々の生活のあちこちにあります。しかし、環境保護がまだ多くの人々にとって、言葉に過ぎない存在と感じました。それを別にして、たとえ我々は環境保護のため何らかの行動を起こしても、あくまでも個人の立場からのものに過ぎません。この記事を読みまして、地球温暖化問題に対する見方を広げることができました。すなわち、人間の一人としてのみならず、土木技術者の一人、社会の一員として、自分の専門分野の立場から環境保護を考えなければならないことを教えてくれました。これから、土木企業も地球環境問題への取り組みを企業の社会的責任と捉えるような発展方針を制定することを望みます。
(所属:神戸大学大学院 氏名:彭 豊)

■ 土木のリセット! してみませんか? 佐々木 葉

教職にある者としては,非常に切実な記事である。個人的には,大学入学当初の希望調査で13%のその他が気に掛かる。別の会合で,建築分野はある時期が来るとスクラップアンドビルドする考え方があると伺った。まさにリセット!の思考である。土木分野でも長寿命化が隆盛ではあるが,壊しやすい頑丈な造り方が提案できれば良いだろう。既成概念や現実を打ち破るためには,若い人達の独創的なアイデアを育むことが出来るような教育システムでありたいと思う。
(所属: 高松工業高等専門学校 氏名:向谷光彦)

私も地図に残るような仕事がしたいと思い、土木を学びはじめた。しかし社会遺産としていつまでも地図に残っても、土木技術者として満足するものではないと思う。昨今は公共投資が税金の無駄遣いのように言われているが、人々が土木構造物に利便性を感じてくれて必要性を認識してくれるとともに、経済が活性化し国民が豊かになり、災害時には被害を抑えれば、土木技術者として満足である。インフラを社会や環境の要請により、より良いシステムに構築するために、これから先、地図に残るよりも、どんどん地図を変えていってもらいたい。
(所属:中電技術コンサルタント(株)  氏名:北出圭介)

世の中のためになる仕事をしたいと感じながら、現実には多くの技術者が仕事をしていて国民の役に立っているという実感を伴っていないとの記事には共感しました。リーマンショック以降、自動車産業などの危機的状況をみると、20世紀型の産業システムが方向転換を迫られているものと考えています。この様な状況下で、旧来の公共事業に固執することが本当に国民の役に立っているのか、疑問に感じています。私自身も、仕事で携わる土木事業より、自分の住んでいる地域にコミュニティバスを走らせる(昨今、流行ではありますが)自治会活動に「自分が主体的に関わっている」という実感と喜びを感じています。このような身近な、小さなことからでも土木に携わる関係者が21世紀の産業システムに適合していけるようにリセットすることが必要であると感じました。
(所属:大日コンサルタント 氏名:船場俊秀)

学生の身分を離れて数年立つ私にとって、いろいろ耳に刺さるコラムだった。学校を出た時の私はそれこそ社会に尽くす気力に満ちていたが、実際社会人になってそう感じられる時というのは数えるほどで、たいていは数分しかお披露目する機会のない資料の作成だったり、関係機関のご機嫌とりだったりするのである。 もちろん、そういう仕事が意味のないものではなく、大きな目標を成し遂げるプロセスの中で必要なものだということがわかっているからこそこの仕事が続けられるのである。仕事を遂行する以上効率化を求めるので、ワークショップや公聴会などの手続きが機械的になっているのは否めない。理想を言えば侃々諤々の議論でみなが納得して事業を進めていくのがベストであるのは分かっているが、忙しさにかまけて十分手が回 らないのが実情である。たびたび初心に帰ることが必要であると痛感した。
(所属:西日本高速道路(株) 氏名:西川悟史)

■ どぼく自由自題 第12回(最終回) 「土木」を使おう 須田 久美子

「どんな仕事をしているのか」と聞かれた時に、「土木の設計をしています」と答えると、決まって「土木の設計ってどんなことするの?」と聞かれる。「設計」は理解できても、「土木」がピンとこないのだと思う。「土木」を「橋」に言い換えると、「へぇ、そうなんだ。すごいね」という言葉が返ってくる。建築であれば、「建築士です」と答えれば、建物の設計をしているということがすぐ理解されるのだが、「土木」だと対象物がイメージしにくいのだろう。土木は公共構造物が主であるから、建築のように広告媒体にもなりにくい。学問の場でも土木という名が消え複数の名前があるが、同じ学問なのに名前が変わっていくのも少し寂しく思う。今回の記事で「土木」という言葉を再考させられました。
(所属:中電技術コンサルタント(株)  氏名:北出圭介)

記事では理系に興味がある女子高校生が橋梁工事の見学会で「土木」というものを初めて知ったとか、建築系に進学してきた学生が「橋梁のデザイン」をしたいという勘違いをして入学してくるといったことが紹介されていました。このような現象は、現代社会の中で「土木」が置かれている状況を示唆していると大変興味深く読ませて頂きました。このような状況に至った要因として、記事でも最近の学科名から「土木」がなくなっていることが紹介されていますが、学生を集めるために、社会で人気のない「土木」の看板を様々な言葉にすり替えてしまった結果、土木という言葉が若い人に忘れ去られてしまい、結局、自分たちの首を絞めてしまったことは、土木に携わる技術者、大学関係者の「土木」に対してプライドがないことや、社会に迎合した結果ではないかと考えます。
(所属:大日コンサルタント 氏名:船場俊秀)

表題だけから直感的には文章の主旨を読み取ることが出来なかった.それどころか,「土木業界にどんどん仕事をください」と勝手な解釈をしていた.読み進めていくうち,「土木」という単語の意味が理解できない人が居るということを知り,愕然とした.本号の会長からのメッセージでは,「土木工学は総合性を特徴とする分野」と記されているが, それゆえに最近では,大学の専攻名などに例示されるように多様な呼称が用いられる.既刊の学会誌では,呼称としての「土木」に賛否の議論がなされているが,いずれにしても,適切に表現する統一された名称がなければ,市民とつながるコミュニケーションも難しいと感じた.個人的には慣れ親しんだ「土木」が捨てがたい.
(所属:東洋建設(株) 氏名:小竹康夫)

■ 土木学会誌編集委員会からのお知らせ
土木学会の現状と土木学会誌の今後の行方 第2回 土木学会誌の「お値段」 日比野 直彦

社会全体がコスト削減を求められており、土木学会においても同様であると思います。現在、土木学会誌の発行に当たっては、ギリギリまでコストを削減されているようです。最終的には、やはりWeb配信しかないのかと思います。
(氏名:平田 貴久美)

土木学会誌の単価のお話を読んで、現状が厳しい状況にあることが良く分かりました。一方、かつて家庭に土木学会会員が2人いた我が家では、ある日ポストを開けると2冊の土木学会誌が届いていて、いつも父親とどうにかならないものかと悩んでおりました。会費はそのままでも良いので、土木学会会員が2人以上いる世帯には送付する学会誌を1部とする等の協力要請をする経費削減努力もあるのではないかと思われます。
(所属:首都高速道路(株) 氏名:石原 陽介)

会費を納めれば、当たり前のように届けられる「土木学会誌」。今回の記事を読んで、学会誌1冊にどれだけの費用がかかっていたかを初めて知ることができました。
また、コスト削減という厳しい要求の中で、編集委員会の方々が様々な知恵を搾り、どうにか節約しながらも、少しでも役に立つ情報を会員に伝えようとしているご努力に感謝申し上げます。
今後、会員としてこのような思いで誌面に目を配り、モニターとして意見を申し上げいきたいと思いました。
(所属:(株)キャプティ 氏名:斉藤 実)

今読んでいる土木学会誌が一冊269円で作られているというのは驚きでした。年間支出1億円と聞くと確かに多い気がしますが、1冊あたりにするとイメージが全く違います。今よりも学会誌が薄くなることは確かに寂しいですが、その分密度の濃い、良い記事を作成していただきたいと思います。よろしくお願いします。
(所属:京都大学大学院 氏名:木村優介)

■ イギリス土木学会(ICE)図書館の活動状況 五十畑 弘

土木学会図書館をインターネットからしばしば利用している身として、とても気になる記事でした。イギリスでは主な情報提供者を会員としているものの、一般向けに学会外での展示が行われていることが興味深かったです。日本では、インターネットであれば一般の方でも無償で閲覧可能になっていますが、その情報があまり知られていないような気がします。学会以外での企画展示などを行うことで、より広く一般市民の方に情報を知っていただく必要があるのではと思います。
(所属:京都大学大学院 氏名:木村優介)

■ その他 ・意見等

土木学会の現状と土木学会誌の今後の行方を読んで現状の厳しさをつくづく実感しながら見ていたが、読み進んで85ページ会員入退会をみた時、更に大きな疑問を感じた。土木の総元締めである国土交通省の退会を筆頭に、道路、建設業、設計会社の退会が多く見られることである。土木学会だけでなく、公私を問わず組織運営の厳しさがそこまで差し迫って来ているのだろうか。
(所属:(株)明和プラテック 氏名:鉤 真幸)

既刊の記事や同じ号の中の他の記事の関連付けや構成の良さには驚いています。「今後の行方」を読んで、たいへんな厳しさを初めて知りました。会員の皆様には重要な情報連絡手段で価格は意味の無いものでしょうが、売価1800円の価値以上の読みごたえがあると思います。
(氏名:秀島 雄二朗)

© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会