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JSCE Magazine,“Civil Engineering”

土木学会誌

■土木学会誌2008年9月号モニター回答


■ 会長からのメッセージ 第1回 語り継ごう 栢原 英郎

年に数回、会長のページができるということで、今後どのようなことを述べられるのか、大変興味深いです。今回は、会長ご自身の「行動原則」について、4項目を挙げられていましたが、「エンジニアたるものは、こうあるべき」ということ述べられており、改めて身が引き締まる思いでした。「好奇心、疑問を持つ」、「地道な検証」、「自分の論理、ストーリー」、「リーダーとしての自覚」これらは、私自身も学生時代から現代まで様々な諸先輩方に常日頃、ご指導いただいた内容です。どれも大切な言葉です。会長が最後に述べられているように、私も後輩たちに伝えて行きたいと思いました。
(所属:大成建設(株) 氏名:野勢 辰也)

4つのキーワードは,普遍的な価値観として貴重な言葉だと思う。好奇心が無ければ何事にも手をつけないし,気づいたことを検証し,その積み重ねに基づき自分なりに論理を持たないと,真実を得られなかったり,その応用へと発展できなかったりするかもしれない。。。何より,自分自身が自分のリーダーなのだから,好奇心,検証,自分なりの論理を持つという3つの項目へのフィードバックに大切だ,など,本ページは良いメッセージだなと,感じた。
(所属:東大IR3S 氏名:尾崎宏和)

■ PHOTO REPORT (1)49年目の9月26日―伊勢湾台風の記憶― 北野 利一

毎回,災害・防災関係の衝撃的な写真と記事は興味深く読んでいます。まさに,災いは忘れた頃にやってくる。その戒めとすることを祈り,今後もこの種の記事を続けていただければと思います。
(所属:東大IR3S 氏名:尾崎宏和 )

■ PHOTO REPORT (2)ルワンダからMURAHO(こんにちは)安全で安定した水の供給を目指して―アフリカ中央部ルワンダにおける地方給水計画― 玉田 恵一

ルワンダといえば、民族対立における大虐殺というイメージが強く、どのようになっているのか、不勉強ながら気になっていました。先日、ある民放のテレビ番組を見ていたら、対立していたツチ族、フツ族間でも結婚する人たちがいることを報道していたので、ようやく平和な暮らしが訪れたんだなあと思っていました。日本のODAでこのようなプロジェクトを行っていたことを今回初めて知りましたが、とてもすばらしいプロジェクトだと思いました。プロジェクトに関わっている方は大変だったと思いますが、ルワンダの人のためになり、また日本という国の取り組みを世界にアピールすることができ、よかったのではないでしょうか。
(所属:大成建設(株) 氏名:野勢 辰也)

■ 奥村 誠/[座談会メンバー]関 満博、政所 利子、泉田 十太郎、田中 淳 [コーディネーター]奥村 誠

今月号の特集は東北圏域にスポットを当てて新しい地域づくりを考えるという試みであった。特集2の座談会では新たな公をさぐるというテーマであったが、各事例の紹介に終わってしまったように思えた。東北圏域といっても広く、それぞれに特性が異なる面もあり、一括りで考えるのが難しく、地域性を活かした強み、あるいは広域圏でとらえる意義というものが捉えきれなかった。それぞれの事例をどう拡げるか、あるいは、どう応用するかまで発展してほしかった。用語解説が詳しく親切であったことはよかった。
(所属:(株)山下設計 氏名:廣瀬 由紀)

■ 3.地域を再考・再耕・再興する!1.インタビュー鉱山のまちからリサイクルのまちへ ―秋田県小坂町の取組み―[語り手]川口 博 [聞き手]織田澤 利守、萩野 俊寛

小坂町の銅山の歴史を生かし,循環型社会の構築へと貢献しようという取り組みは賛成です。私の研究内容から感じたことですが,小坂町の銅採掘に伴う土壌汚染の存在とその対策など,ともすればネガティブとも言える部分にも触れた内容だと,より面白いと思いました。
(所属:東大IR3S 氏名:尾崎宏和)

■ ミニ特集 日本の建設産業は、主要輸出産業になれるか?

「日本の建設産業は、主要輸出産業になれるか?」という問いに対して課題・問題点が挙げられていましたが、明るい話題がなく、先の見えない重苦しい特集に感じました。読者に危機感を持ってもらうことが趣旨なのかもしれませんが、現在海外進出している日本の建設産業の明るい話題や、主要輸出産業になることによって開かれるであろう明るい未来について取り上げられていれば、読者、特に若手技術者のやる気につながるのではないかと思いました。
(所属:大林組 氏名:佐々木一成)

■ はたらくどぼくきかい 第2回 トンネルボーリングマシンTBM(Tunnel Boring Machine) 山口 由美子

先月から始まった注目企画であるが、今月の取材ではその機械の全貌を見ることができたものの実際にどのような場所でどのように動くのかが全くわからず、地上に展示されている姿だけあったのは非常に残念だった。この写真では、カタログで見ているのと変わらず、現場に取材に出かけた意味がないのではないかと思った。地元で歓迎されている様子がわかったことはよかった。
(所属:(株)山下設計 氏名:廣瀬 由紀)

先月号からはじまった連載記事であり、引き続き、興味深く読んだ。スペックについては、代表的な掘進速度の具体的な数字があると良い。また、機械が動作中の写真(困難な場合はイラスト)があると良いと 思う。機械は動いているときが本質と思うからである。なお、「ぶらっとぉ土木現場」との役割分担に若干の懸念があるように感じる。両方とも、現場の様子を伝える良い企画と思うので、お互いが制約される ことなく、時に補完し合うような形で続くことを期待したい。
(所属:国立環境研究所 氏名:櫻井 健郎)

■ CE リポート 話題 ドバイの国づくりと日本の建設界の挑戦 赤塚 雄三

石油価格高騰で潤うドバイで急速に進むインフラ整備と、それに携わる日本建設業界の欧米流の契約制度・慣習のもとでの奮闘についての話題でした。道路・鉄道の建設から高層ビル建築まで並ぶプロジェクト一覧はとにかく圧巻です。ただ、埋蔵石油資源枯渇後の生き残りを賭けた国づくりへの戦略という側面の他に、巨額の投機マネーがインフラ整備に流れ込んだバブル状態という危うい側面も感じられます。
(所属:鉄道・運輸機構 氏名:水野 裕之)

■ CE リポート 話題 土木は工学(エンジニアリング)のみにてあらず―造形(デザイン)もお忘れなく― 脇本 幹雄

巷では工業デザインが流行っていますが、デザインは時代の流れで変化するものであり、いつかは廃れ、再び脚光を浴びる...その繰り返しではないでしょうか。最近、橋梁をはじめとしてデザインを重視した立派な土木構造物が増えていますが、ほとんどの土木構造物は標準設計ありきの施工スタイルが多く、ワンパターン化を感じる。道路、街路灯や高欄など関連設備など市民にとって身近なものは、地域の特色を活かし、市民が心理的にも豊かになれるような工夫が必要ではないか。市民自身がいつまでも社会資本を大切に利用し続ける気持ちを持てるよう、好感の持てるデザインを積極的に取り入れ、私たちを驚かせてほしい。これからの「土木家」に期待します。
(所属:日本シビックコンサルタント株式会社 氏名: 田島久美)

現在の土木施工に関しては批判を含めいろいろ議論があると思いますが,昔の石組跡など,すでに自然と一体化したり,長年親しまれたものの事を考えると,「シビックデザインの実践に向けて」で挙げられている4項目は昔も今も変わらないものだと感じた。
(所属:東大IR3S 氏名:尾崎宏和)

■ 土木に見る数字 第2回 4 北野 利一

円積率という数字をあまり意識したことはなかったが,この記事を読んでなるほどと思った。特に最後の部分,そうだったのかと納得してしまいました。
(所属: 氏名:匿名希望)

■ どぼく自由自題第4回 麗しき、格好わろき土木 藤井 聡

「なぜ土木に入ったか?」このような質問にすらすら答えられる人は、おそらく就職活動中の学生か、ある程度業界にどっぷりつかった重鎮の方々だけではないでしょうか?ただ、土木業界の人って、なんだかんだいって土木をすごく愛していると思います。一般の方々になかなか理解されないのは、「土木」が意外と閉鎖的だからかもしれません。地球温暖化や自然災害、地震など、土木業界が活躍する場がたくさんありますし、メディアでもたくさん取り上げられていますので、今後どんどん業界をアピールする必要があると思います。
(所属:大成建設(株) 氏名:野勢 辰也)

確かに何も考えていない学生時分の頃,土木工学に対するイメージは「ダサい」感を持っていたと思う.しかし,土木社会へ出て,この感は一掃された.自分自身が仕事に対する目的を持つ事で,当然仕事に対する「誇り」を持ち,土木の仕事って「カッコいい」と感じたことを思い出す.おそらく,土木業界に携わる者はこの感覚を理解できると思うが,この業界と縁遠い方々には,未だに「土木=汚い=かっこ悪い(?)」のイメージをもたれていると思う.いろいろ言われるが,まずは仕事の上っ面で「カッコいい」感を出さなければ,学生も土木には寄り付かない.我々土木技術者が感じるものを少しでも第三者の方々に感じて頂けるような,効果的なPR戦略を考えなければならないと感じる.
(所属:益村測量設計(株) 氏名:益村公人)

私が大学受験の時に土木を選んだ理由は橋やトンネル、ダムなどをはじめとするダイナミックなスケールのものについて勉強したいと感じたからでした。就職活動の時もその思いは変わらず、迷い無く土木業界への就職を希望しました。しかし、この思いとは逆に土木分野への進学、就職は人気が落ちる一方です。しかし、私もこの記事に書かれているのと同様に、「人気がなくても土木は土木」と感じています。この業界は変化の激しい時代を迎えていますが、土木は土木という思いをいつまでも持ち続けて日々過ごして行きたいと感じました。
(所属:清水建設(株)氏名:渡辺晋平)

■ 土木学会の動き 国際会議ニュースソウルMagok地区国際コンペ審査 石井 弓夫

国際コンペの審査結果や経過を知る機会は少なくないが、その審査員の観点から書かれた文章を読むのは新鮮であった。特に、名前等は一切伏せられた中で審査が進められ、その結果、優勝と入選2点が地元から出たという事実は、なかなか興味深いことであった。また、これを読んで、石井会長が土木技術者として審査に臨んだ姿勢と期待された役割を理解することができた。
(所属:(株)山下設計 氏名:廣瀬 由紀)

■ 学会誌全般へのご意見,編集委員会へのご要望

土木学会誌のモニターを引き受けてから、この6ヶ月間は学会誌の全体に目を通すようになりました。この学会誌を発行するにあたっての一つひとつの記事にものすごいエネルギーを投じていることと、編集者のご苦労が良くわかりました。今までは正直、あまり本文までよく読まずに書棚においていたことがもったいなく思いました。今後は、少しさかのぼって、見過ごしていた記事を掘り起こし、熟読していきたいと思います。
(東亜建設工業株式会社  加藤隆士)

半年間の学会誌モニターも今月号が最後となりました。このようなモニター制度があることも依頼を受けて初めて知りましたが、それだけ真剣に学会誌作成に取り組んでいる姿勢の現れと思いました。学界全体で、危機感をもって、新しい土木を目指していることが強く伝わってきています。前から、土木学会誌は他の学会誌と違って、読みやすく作られていると感じていましたが、これからもその伝統は続いていくことを期待しております。
ありがとうございました。
(所属:(株)山下設計 氏名:廣瀬 由紀)

© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会