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JSCE Magazine,“Civil Engineering”

土木学会誌

■土木学会誌2008年5月号モニター回答


■ PHOTO REPORT (2)新名神高速道路(亀山JCT―草津田上IC間)開通!―近畿圏と中部圏を結ぶ名神高速とのWネットワークの完成―

先日,たまたま新しく開通したこの高速道路を利用した.非常に開放的な雰囲気で景色も良く,広々としており,特にトンネルの中に圧迫感が無く,非常に快適な印象を受けた.また,途中のサービスエリアにも立ち寄ったが,とても広く,ゆったりした時間の経過を感じることができた.所要時間の短縮ももちろん大きなメリットではあるが,渋滞によるストレス緩和や合間にリラックスできる空間ができるというメリットは非常に大きいと考えられる.今後も積極的に利用したい道路である.
(所属:株式会社豊和開発 氏名:冨田直人)

■ PHOTO REPORT (5)高千穂線のいま

次ページの記事で宮崎県知事が道路整備を訴えておられるのと対照的に映りました。いま地方の鉄道路線がどんどん廃止されていますが、その赤字は道路建設費に比べればわずかな金額のはず。環境面からも新しい道路を造るより既存の鉄道を活用する方が先ではないかと思いました。
(所属:名古屋工業大学 氏名:庄 建治朗)

■ この人に聞く 宮崎県知事 東国原 英夫さんに伺いました [聞き手]岡 由剛

東国原知事の意見にあった「公共工事の悪いイメージは、つくりっぱなしの残骸みたいなものがあるため」と言う意見には賛成です。我々エンジニアは、目先の効果だけを期待せず、遠い将来も見通した計画を立てなければならず、無駄な構造物を作ってはならないのでしょう。知事が仰るように、もし構造物が駄目になったとき、あるいは不利用になったときに、それをどのようにすれば再利用できるかなども計画段階で盛り込み、有意義な構造物を作成するようにしなくてはならないと改めて感じました。
(所属:大成建設株式会社  氏名:野勢 辰也)

「公共事業が悪いというイメージは,つくりっぱなしで,残骸みたいなものがあるので,それが無駄。再利用の仕方を考えて作る。」が興味深く思います。土木学会誌でも,土木建造物の保全,メンテナンスも取り上げられていますように,良いものをメンテナンスを続け長く使うことが求められるということでしょう。このことは公共事業に限らないと思います。また,東京に住んでいますと,そもそもそこまで必要な工事なのかと思うこともありますが,やはりそれはその場の特性によって見方が変わるのかもしれません。
(所属:東京大学大学院  氏名:尾崎宏和)

今号の特集テーマ「土木と観光」に相応しく、また、テレビを賑わしている「時の人」でもある東国原知事へのインタービューは好企画であったと思う。知事の立場から、土木施設や交通インフラの必要性をよく理解されていることが伝わってきた。また、土木学会が知事にインタビューに行ったことで、学会が土木施設を観光資源としても考えているという姿勢を理解していただけたということでも、有意義だったのではないだろうか。
(所属:(株)山下設計 氏名:廣瀬 由紀)

東国原知事の情報発信力、一言が社会に与えるインパクトは非常に大きいものがあり、日頃から注目しています。特に地方自治において、公共事業は密接に生活と関わっているという知事の言葉は重いものであると感じました。地方分権を真に意味あるものとするにはインフラの設備が欠かせないものであるでしょう。 「陸の孤島」といった状況を生み出さぬよう、国政においても地方の声をしっかりと受け止め、反映すること。国は建前ではなく全力で取り組むべき時がきたのではないでしょうか。
(所属:東京大学  氏名:入谷和範)

東国原知事が最後に言っている言葉ですが、「駄目になったとき、不要になったときの利用法まで考えて公共工事を考えて欲しい」この発想は土木屋には無いなと感心しました。我々土木屋は、駄目になったり不要になったりすれば壊してもっと役に立つ新しいものを造ろうと発想してしまいます。でも土木構造物が当初の目的を達成した後に他の目的として機能することが出来るとすればそれは素晴らしいことだと思います。今後この発想で公共工事以外についても考えてみようかなと思っています。良いヒントをもらった様に思います。
(所属:前田建設工業(株) 氏名:林 克彦)

■ 特 集 土木と観光 ―土木が支える観光立国―

土木が観光を支えるというのは,確かにそうですね。土木が観光のスタイルに影響するとも思います。なぜなら,高千穂鉄道廃止の危機,館山自動車道と館山市の話題,ダム湖における観光資源の創作などは,観光する側は選択肢が提供される側であるからです。さらに,政策によって建築,交通,治水などが決められ,その結果が地域(国,県,市,それ未満の地域コミュニティー)のあり方にフィードバックされるのではないでしょうか。土木学会誌で,そのような社会的話題を扱っていただくのも,おもしろいと思います。関連して,災害現場とその復旧に関する連載も,建造物や現場の変化に加え,社会的観点から考察するのも興味深いと思います。
(所属:東京大学大学院  氏名:尾崎宏和)

「観光立国」という言葉は聞いたことがありましたが、土木と観光の関係について考えたことがありませんでした。記事にあるようなダムを活用した例など、今ある土木構造物や土木遺産を観光資源として活用し、それによって地域が活性化されれば、土木のよいアピールにもなりますので、このような「土木観光」が 推進されることを期待します。現状では、土木に携わっている人間であっても、土木遺産の存在をあまり知らないと思います。一般の方でも興味が持てるように、さらなる情報発信をしていくことが必要だと思います。また、土木技術者の自己満足で終わらないよう、観光地として活気のある状況を継続させることが重要だと思います。
(所属:大林組 氏名:佐々木一成)

タイトルである「土木と観光」については、(1)既存の土木構造物や土木遺産の観光資源としての利用、(2)交通インフラの整備、という観点からまとめられており、共感できる記事でした。しかし、サブタイトルの「観光立国」についてはいかがでしょうか。この言葉には、日本を訪れる外国人観光客を増やすことで観 光収入を国作りの柱にしたいという意味も強く込められていると思います。今月の特集では、この点に触れられていなくて残念でした。日本には世界でも有数の観光資源があります。土木分野に目を向けても外国人の憧れの対象となるものが多くあると思います。土木学会としても、ぜひ海外からの観光客誘致を念頭にお いた活動もしていただきたいと期待しています。
(所属:清水建設 氏名:小林 伸司)

観光を地域産業として見ると、持続的な経営規模と経営戦略が求められると思う。そこに、土木がどのように貢献できるかという考え方について、読みたいと感じた。14−15頁の東国原知事へのインタビューにおいても、最後の方に、これと関連する趣旨の発言があるように思う。また、24−25頁のコラム(「真に地域住民にとっても喜ばれている観光開発の事例」)は、地域からの視点という意味で興味深く読んだ。これは経済的利益あるいは企業経営の問題というよりも、考え方あるいは政策の問題であり、そこに土木学会の貢献できる部分があるように感じる。
(所属:国立環境研究所   氏名:櫻井 健郎)

土木構造物自体が重要な観光資源となることについては誰も異論がないと思うが、それをいかに生かしていくかということについては、まだ十分議論できていないと思う。もちろんインフラ整備は地域住民もしくは社会全体が満足できることが重要であると考えるが、インフラを利用した観光客誘致というのはどこの地域でも可能であるため、必要な環境の整備や管理を実施・継続するモデルを考えていくべきだと感じていた。そういった意味で、韓国ソウルの清渓川の再生は、様々なメディアに取り上げられて成功した例とされている。しかし、個人的に訪問した際に、清渓川の歴史と文化がひと目で分かる清渓川文化館が川の外れにあることが残念だった。過去の清渓川を知らない地方の人々や外国人にとっては、再生された清渓川の今昔が知りたいはずだが、文化館が中心街から遠くて交通の便が悪いとなれば、なかなか観光コースにはなりにくい。土木構造物には、今後の観光開発において大きな期待がかけられていると思うが、まだまだ勉強すべき課題は多い。
(所属:中日本高速道路 氏名:舩橋修)

「土木と観光」というタイトルを目にしたとき、最初あまりしっくりこなかったが、いくつかの記事を読んでいると確かに土木構造物はそれ自体が観光資源となるということが納得できる。しかしながら、観光という観点からみた場合はインフラを整備するということに留まらず、そのインフラをいかに活用するかという ソフト事業が最も重要かつ大きな課題ということも良くわかった。土木=インフラ整備という考え方ではなく、その先の発展性も視野に入れることが今後は必要なことだと実感した。
(所属:東京急行電鉄(株) 氏名:山田 久美)

特集の冒頭の湯西川ダム湖の水陸両用バスによる観光活性化の取り組みはとても興味深く拝見しました。ダム及びダム湖はそれだけでも優れた観光資源であると思いますが、それをよりダイナミックに体感できる優れた魅せ方に多くの観光客が魅力を感じて訪れたのだと思います。魅力ある観光スポットとは、ハードだけでなく、ソフトが充実していることが大切だと思います。水陸両用バスの導入や国交省職員による解説など、優れたソフトの充実やより広くPRする広報戦略がキーになると思いました。特集の最後にも述べられているように、観光産業のプロから見た土木観光資源のよさやアピールの仕方のような項目があればよりよかったと思いました。
(所属:鹿島建設 氏名:岩瀬秀子)

■ 1.ダムとダム湖は超一流の観光資源である! ―ダム+水陸両用バスによる観光活性化実験 ― 佐藤 寿延

国内のみならず、世界各国でも土木構造物は超一流の観光資源だと思います。国内では、錦帯橋・明石海峡大橋などの橋梁、黒部ダム、東京湾アクアラインの海ホタルなど観光してみたい構造物はたくさんあります。本文の湯西川ダムの場合も、本来の用途以外の付加価値として、観光が地域全体を盛り上げていけたらと願います。水陸両用バスでのダム湖の遊覧は、なかなか経験できないアトラクションだと思います。組織が観光業に潜在する様々なリスクをしっかりと管理して計画を立て、今後の土木構造物を観光資源化するためのさきがけになればよいと思いました。
(所属:大成建設株式会社  氏名:野勢 辰也)

紹介されている事例は,偶然テレビで特集されたのを見ていたので,好評であったと知ってうれしく思いました.ダムは,(その建設に対しては色々な意見があるようですが,)とてもいい観光資源だと思います.一般の方が,土木構造物の重要性やその技術を身近に感じられる機会になると思います.今回の事例のような場所が増えるといいと思います.
(所属:(なし)   氏名:(なし))

このような企画が催されていたことに驚きました。ダムのイメージアップ・観光名所にもなり、地域活性化に繋がる企画と考えます。一部のダムでは遊覧船による観光が実施されていますが、差別化を図るにも有効と考えます。土木という地味なイメージも工夫次第で華やかになり、人に魅力を与えられることを感じた次第です。
(所属:日本シビックコンサルタント株式会社  氏名:田島久美)

ダムとダム湖が観光資源、ビジネスとして成り立つことを、ダム+水陸両用バスによる観光活性化実験の結果より評価されておりました。ツアー乗客数や地域の観光産業の売り上げの増加、またメディアが特集を行ったことで、ダムによって地域全体が活性化ができることが実証されてました。この記事を読んで私が興味深く感じたことは、土木構造物が観光資源として非常に魅力的であり、これがビジネスとして成り立つ可能性が大きいということです。この川治ダムのケースではツアーの目玉として「水陸両用バス」が挙げられると思いますが、その他の土木構造物においてもこのような何らかの工夫を行うことにより一般市民を対象としたツアーがビジネスとして成り立つ可能性は考えられると思います。またこれを通じてツアー参加者や地元住民に対し土木への理解や親しみを与えることができれば、さらにすばらしいものとなるのではないでしょうか。
(所属:東亜建設工業 氏名:上田陽彦)

ダムに水陸両用バスを組み合わせてダム本来の目的以外に町おこしに利用しようという着眼は評価できるものであると思う。実際、私自身もダム見物を旅行の目的の一つとして出かけたことが過去に何度もある。観光資源は、リピーター確保が大きな課題となってくると思うので、今後、ダム完成後の状況もフォローしてほしいと思う。
(所属:(株)山下設計 氏名:廣瀬 由紀)

既に完成している土木構造物を地域の活性のために活用していくことはとても有意義であると感じた.自分も,他のダムであるものの黒四ダムを見た時にはそのスケールの大きさに圧倒されたことを覚えている.観光と言うことから興味をもってもらい,最近何かと負のイメージの強い土木構造物に対する理解の促進になれば一石二鳥である.そういった意味では,今回は観光面についての説明が主であったが,このダムの治水・利水機能(目的)について少し解説があると良かったと感じた(誌面の制約もあるとは思いますが).また,水陸両用バスと言うものには乗ったことが無いので,強く惹かれるものがあり,こういったものを目玉にするところに斬新さを感じた.
(所属:港湾空港技術研究所  氏名:渡辺一也)

単に建設中のダムを見学するだけでは同業者や建設に興味のある人以外を観光として呼び込むことは難しい.しかしながら地元と行政が協力し,目玉となる水陸両用バスを一押しに,メディア広告等をふんだんに利用したこともあり,良好な結果が見いだせたと考えられる.特に感銘を受けたのが「最初にやってみせる,次はやってもらう」という方針.これからの時代,あらゆる仕事においてこの方針は非常に重要であると感じた.自分自身の業務においても座右の銘の一つとしたい.また,私自身,水陸両用バスが国内で運行していることを初めて知り,興味をひかれた.一度体験してみたいと思っている.
(所属:株式会社豊和開発 氏名:冨田直人)

私はもう25年以上前新婚生活を札幌で過ごしていました。女房は初めての北海道生活で不安一杯だったのですが、先輩に紹介されて豊平峡ダムに紅葉を見に行ったことを思い出しました。静かな水面に映る燃えるような紅葉は今でも強烈な印象として脳裏に刻まれています。このダムは札幌を流れる豊平川の上流に多目的ダムとして昭和47年10月に完成しています。水源の森100選やダム湖100選にも選ばれているすばらしいダムで、札幌有数のレジャースポットとなっています。環境を守るための工夫もされていて駐車場からはハイブリッド電気バスに乗って行きます。紅葉の季節になったら札幌まで女房と一緒に出かけてしまいそうです。
(所属:前田建設工業(株) 氏名:林 克彦)

先日、沖縄県にある倉敷ダムに足を運んだ。公園、展望タワー、資料館、を備えており、沖縄の風土を考慮した伝統的な建築の様式を取り入れた、景観設計がなされていた。堤体上、公園では、家族連れや、カップルたちでにぎわい、自然と人々が集まってくる、そんな雰囲気をかもし出している。これまで、多目的ダムの事業は「治水」「利水」そして、1997年の河川法改正により「環境保護」を目的として建設、管理されてきた。ダムを観光資源とするには、そこに「レジャー施設」といった観点を取入れ建設、管理していくことで、ダムに人が集まり、ダムの必要性、ダム建設に集約された英知が理解されて行くのではと考える。
(所属:清水建設 氏名:渡辺晋平)

■ 2. 交通インフラ整備による観光産業へのインパクト― 館山自動車道全線開通で活気づく館山市の観光振興への取組み― 岡 由剛

館山には一・二度訪れたことはありますが、目立った印象はありません。観光産業に積極的に取り組んでいるようですが、それにしてはあまりインパクトがなく、一般人が考える印象は、上野グループ長の話とはほど遠いのではないでしょうか。アクアラインの通行料金の見直しのように、観光客(利用者)にとってメリットのある改善を図ることも重要ではないのでしょうか。
(所属:日本シビックコンサルタント株式会社   氏名:田島久美)

今回の特集の中の他に紹介されている事例と異なり、観光目的になりにくい「高速道路」を取り扱った記事である。道路や鉄道の整備により、人々の移動が促進され、滞在型観光が少なくなったり、定住人口が減少するといったデメリットが発生しがちであることは、筆者の方が指摘されているとおりである。これは、全国各地でも課題とされているところである。「地域活性化」とは言い古された言い方かもしれないが、未だ万能な処方箋がない現状であろう。読みながら、かつての職場経験(ストロー現象との戦い!)を思い出した。
(所属:東日本高速道路(株)   氏名:三石 晃)

■ COLUMN 真に地域住民にとっても喜ばれている観光開発の事例 島川 崇

本誌に紹介されているモーリシャスやソウルもそうですが,観光開発の成功事例として紹介されるような場所は,観光客のみならず地域住民が日常的に憩い,その都市を代表する風景を形成しています.そのような風景を撮影した写真が,旅行ガイドブックに掲載され紹介されていれば,観光客は自ずとそこを訪れてみたいと思うものです.わが国の都市においても,最終的には地域住民に広く受け入れられ,その都市を代表する風景になるような観光開発が行われることを望みます.
(所属:京都大学 氏名:大庭哲治)

ここでは2つの国の事例が取り上げられていたが、共通することは地域の住民が生活の中で気軽にアクセス可能なことである。モーリシャスのビーチもそうであるし、韓国ソウルの清渓川は市内中心部にあり、まさに都市活動の真ん中に位置している。  利用者密度が高い場所で、すでに形成された社会基盤施設を改変することには多大な労力がかけられたと考えられるが、それに見合うシンボリックなものとなっている。また、市内中心部の河川再生事業に伴って、混乱していた公共交通網が再整備されたことが、この事例の真の利益であると言えるだろう。  箱物の建設は本来の目的の余録といおうか、副産物であるのかもしれない。
(所属:共和メンテナンス株式会社  氏名:岡田阿礼)

韓国での高速道路を壊して清流を取り戻すという政策についてある程度の知識は持っていたつもりでしたが、これほどまでに大胆であり、かつ交通のバランスを考慮した繊細なものであることに驚きを覚えました。環境に配慮したものだから許されるという考えでなく、練りに練った計画を策定することが最終的に受け入 れられるものであるということを改めて学びました。
(所属:東京大学  氏名:入谷和範)

■ 3.土木遺産の保全と観光開発 ―その多義性と相克について― 岡田 昌彰

これからの土木構造物についても、土木の芸術性、技術の英知及び耐久力を結集して本物の土木の遺産を後世に語り伝えることの重要性を感じることができた。ただし、それには広く一般市民、特に若い世代に土木の技術を紹介し、若い技術者に魅力を持ってもらうことが必要となる。土木の技術力や魅力を十分にアピールするとともに技術者を集い、養成することにも力を入れる必要がある。自分も、将来の土木遺産になるべき構造物の設計又は施工のいづれかで関与し、貢献していきたいものである。
(所属:東亜建設工業株式会社   氏名:加藤隆士)

■ CE リポート 話題 バングラデシュ サイクロン災害と沿岸防災対策 赤塚 雄三

この記事を読んでいる時に,ミャンマーでサイクロンによる被害が報告されていた.さらに,その後には中国・四川において大地震が起こっている.その様子が連日のようにTV・新聞と言ったメディアで放送されている.そのような時にこの記事を読んでいたため,バングラディッシュにおける事例ではあるが,平時における防災対策の重要性を改めて強く感じた.バングラディッシュでは,近年国際的な協力で人的な被害が減っているそうではあるが,過去の災害を教訓にして,さらなる被害の軽減につなげて欲しいと感じた.
(所属:港湾空港技術研究所  氏名:渡辺一也)

冒頭に「2007年12月半ばの時点でも、詳細情報はいまだ不明である」とある。一方、読者が掲載誌(5月号)を手にするのは2008年5月であり、時間の経過が大きい。いろいろ困難があるのだと思うが、善処を望みたい。
(無記名)

■ CE リポート 話題 国際プロジェクトとグローバル化への思い 栄枝 秀樹

筆者の海外30年の経験を通じて挙げられた我が国のグローバル化に伴う課題について、非常に勉強になりました。中でも(1)品質保証体系の実務利用と業務分掌と責任の明確化、(2)日本統一基準の確立と英訳に関しては、日本のエンジニアが最も頭を悩ませていることではないでしょうか。筆者の冒頭で述べられた外国との業務遂行に関する相違点などを踏まえ、業界全体として業務遂行のためのシステムづくりが必要だと感じました。
(所属:大成建設株式会社  氏名:野勢 辰也)

国際プロジェクトにおける業務遂行パターンの特徴を、日本での業務遂行パターンと比較しながら考察し、今後日本の建設業界のさらなるグローバル化には、いくつか課題が存在するという趣旨の文章でした。海外と日本の仕事の進め方について対比的に分析されている部分は、まさに実感として理解できました。また日本においては、コンサルタントは発注者の補助的な役割を主な業務としているのに対し、国際プロジェクトにおいてはプロジェクトのマネジメント全般に深く関与する、という違いがある点も興味深いです。
(所属:鉄道・運輸機構  氏名:水野 裕之)

コンサルタント勤務当時、香港の架橋プロジェクトに携わる機会をいただいたことがあり、非常に興味深く読ませていただいた。文中の「グローバル化、シームレス化に伴う課題」と同様なことを若輩ながらも感じたことを思いだすと同時に、契約形態・技術者のグローバル化が我国の公共事業変革へのヒントと成り得るのではないかと、あらためて感じることができた。近年、各産業において国際化・グローバル化が進展しており、情報通信産業・工業製品産業においては、日常それを実感しているところであるが、建設業界においては、特定プロジェクトに関する限定的な範囲にとどまっている感は否めない。我々の世代はもとより、次に続く世代の誰もが垣根・障害を感じることなく、 世界中のプロジェクトに参画できる社会・業界となることを期待している。
(所属:札幌市   氏名:須志田 健)

30年の長きに亘る豊富な海外業務経験を紹介されながら、極めて客観的に海外業務の進め方を分析されている。「より多くの若い人材が海外で活躍されることを希望」としながら、乗り越えなければならない厳しい現実(例えば、英語力を形容する言葉として「高度な」を用いて)を説かれている。楽しくも真摯に読んだ。また、記事に挿入された極めて丁寧な(注)について、にわか知識をしっかり確認するのに有効と思われた読者が多くいらしたであろう。
(所属:東日本高速道路(株)   氏名:三石 晃)

■ 学生記事 土木ではたらく 第三回 「まちづくり」という仕事 [取材]坂上 聡史

連載で、土木技術者の働くさまざまなシーンを取り上げて取材する企画で、学生向け記事としては興味をもって読んでもらえるものと思う。ただ、取材者も学生であるためか 少し突っ込みが弱いと思われる面がある。表面的な綺麗事でまとまっているようなところがあるので、今後は、是非、失敗談や現在の悩みなども聞き出してほしいものである。
(所属:(株)山下設計 氏名:廣瀬 由紀)

■ 見どころ土木遺産 白川橋 ―難所を越えて白川へ― 清水 茂

歴史的な記述をたいへん興味深く読みました。建造物,道路,鉄道,峠道などの作られた経緯や変遷など,こうした歴史的記述を含む記事を今後も続けて欲しいと思います。
(所属:東京大学  氏名:尾崎宏和)

■ 行動する技術者たち 第20回 [最終回]連載が伝えたメッセージ

土木技術者自身が社会のなかで「核となる人材」になるためには、「総合性を持ち」「情報発信力を高める」必要がある、私もそう考えます。後者の「情報発信力」については、これまでも議論されているように土木技術者が最も苦手にする分野であり一朝一夕で解決できるものではないと思いますが、前者の「総合性」については、若いときからの経験次第で際限なく広がると思います。したがって、記事に書かれているように、(1)違う人たちと出会うこと、(2)色々な場所を旅行すること、(3)違う分野の本を読むこと、は極めて重要であると思います。しかしながら、若い人のなかにはこれらに興味を持たない人も増えてきているようです。彼らにきっかけを与えるために、出会い、読書、旅行をキーワードとして、土木学会誌上で現在連載中の「わたしの本棚」に加えて、「わたしの旅行記」や「わたしの出会った人たち」といったアカデミック以外の分野を取り上げる方法もあるかもしれません。
(所属:清水建設 氏名:小林 伸司)

記事のなかに「総合性」や「総合プロデューサー」といったキーワードがありますが、土木技術者はまさにそういった能力を最も発揮し、活躍可能であると実感しました。こういった記事を読むと、土木技術者である誇りがもてると一方、目指すべき人材像に近づけているのか不安に思うことがあります。ですが、私自身旅行はとても好きで休暇のたびに出かけていますので、これも土木技術者としてのキャパシティを広げてることに少しでも貢献できているかもしれないと、少しうれしく思うとともに、やはり視野を広げていくことの重要性を実感しました。
(所属:東京急行電鉄(株) 氏名:山田 久美)

森地教授が語られた総合性を持つことは非常に重要との意見ですが、これは個人のみでなく組織にも該当することであると考えます。多元化が進み、個人レベルでは全容が把握しきれない事象が増している中で、組織として土木技術者に限らず様々なバックグラウンドを持つ人間が繋がっていることは重要であると考えます。
(所属:東京大学  氏名:入谷和範)


■ モリナガ・ヨウのぶらっとぉ土木現場 千歳川の樋門の継足と改築工事

冬の北海道の土木工事現場,なんと言っても最大の敵は雪である.漫画ではあるが,あらためて雪の中の作業風景を読んでいると,その大変さが良く伝わってくる.私の会社も真冬の時期に測量を行うときがある.しかも,山地の現場が多いためとても徒歩では行けず,スノーモービルを使用して機材を運搬しなければならない.一般の人なら多分そこまでしてやらなければならないのか?と疑問に思であろう.一時期,土木業界は3Kと称された時があったが,冬の北海道ではまだまだKが付くことは否めない.が,この大変な環境に耐えつつインフラ整備をする土木技術者に改めてエールを送りたいと思った.
(所属:益村測量設計(株)  氏名:益村公人)

■ その他

今月号全般について、技術紹介から災害復興まで多岐にわたり、海外関連の記事が多かったように思われる。海外のプロジェクトや技術の紹介に関する記事が多いということは、日本国内に大きなプロジェクトが少ないということか。また、外国での災害復興記事が多いということは、世界的に大規模な自然災害が多いということか(不幸にも、同様の記事が今後も誌面で報告されるのである)。いずれに対しても(意味合いは異なるが)寂しく思う。
(所属:東日本高速道路(株)   氏名:三石 晃)

■ 学会誌全般へのご意見,編集委員会へのご要望

モニターになって初めて全ての記事を読むように心がけて気が付いたのですが、特集や話題などでは豊富な情報が提供されていますし、見てもおもしろい記事ですが、これだけの編集をするのには大変苦労しているのでは無かろうかと気になりました。情報欄の縦書きについては、他のモニターの方からも改善の要望がありましたが、私も読みにくいと常々思っていました。一度横書きに戻して見ては如何でしょうか。
(所属:東京大学生産技術研究所 氏名:星野富夫)

モニターには若干の対価を払う方が良いと考える。たとえば年会や講演会の参加費を無料にするとか減額するとか、そのようなものが案として浮かぶ。
(無記名)

© Japan Society of Civil Engineers 土木学会誌編集委員会