土木学会誌
土木学会誌2月号モニター回答


表紙
1月号で「土木學會誌」という文字が中抜きになっていて 「ちょっと今月号は見づらいな」と思っていたのですが、2月号も中抜きだったので発言させていただきます。とても見づらく、なんという雑誌なのかがわかりません。私だけでしょうか?
(熊谷組 大谷多香)

裏表紙写真の「3.薄層流浄化法の様子」ですが、色彩が赤黄となっており異様に感じられました(個人の感覚)直接浄化で、清められていくイメージとほど遠いと感じました。
(五洋建設梶@檜山博昭)

時局を論ずる 市民と向き合う地震工学にむけて
震災から7年がすぎ、時は否応なく震災の不幸と教訓を人々の記憶から消し去っていく。市民の側からは災害の説明責任・責任所在が求められるが、それを適切に処置したところで、一時の感情の吐き出し口にしかなりえない。あの災害に関しては、地震動の予想やせん断耐力予測の不備など、災害の責任のほとんどが土木技術者にある。コメット機の疲労破壊事故のように、かつて、他の分野の技術者が行ったように、われわれはあの災害を反省し続け、真摯な態度で分析と研究を進め、得られた教訓を新たな技術や知見という形に昇華し、無自覚的に生かされるような環境・システム・法体系を構築せねばならない。
(東京大学大学院 田中泰司)

現在は、社会資本がかなり整備されています。この為、構造物を造るためには地域住民の方に5W1Hを明確に説明しなければならない。ゆえに計画設計段階から、地域や広域施設の想定しうる地震被害を調査して対策の選択を地域住民に判断していただくことは賛成です。このほうがより地域住民の方が土木というものに興味を持っていただけると思います。
(褐F谷組 三津橋崇)

興味深く読みました。阪神・淡路大震災の件に関して、誠実でわかり易い文章が書いてあり、内容も全体的によく理解できました。ただ、「自立した技術者層」というのだけが、今ひとつ理解しにくかったです。正直言って2001年9月号の本間義人氏の論文には含むところがあったので、今回の後藤先生の「時局を論ずる」のような文章が掲載されるのを待ち望んでおりました。機会があれば、私も後藤先生の受け売りで土木に対する偏見・誤解の排除に努めたいと思いました。
(褐F谷組 伊藤政彦)

災害が発生すると、ニュース等で話題になるのは当然のことではあるが人的被害である。
人的被害が発生しない場合、交通規制の報告程度で終わってしまう。むろん、保全業務がなされている箇所において保全効果により、構造物の損傷、崩壊が防げたとしても、世間一般に流れることは少ない。この段階で土木分野と市民感覚との隔たりが形成されてしまう気がしてならない。
今、阪神大震災等を教訓的経験として構造物の総点検等メンテナンス業務が頻繁に行われている。目的として、構造物の倒壊等による人的被害を出さないことが根本にある。最近も芸予地震等起こったが、主として港湾構造物の被害等があったが橋脚の倒壊、トンネル崩落等のによる大規模な人的被害は少なかった。
私見ではあるが、土木業界の保全実績が確実に伸びている兆候だと考えている。しかし、将来経験するであろう地震時に何が起こるかは予想はつかない。もし、大規模な人的被害が出た場合、市民から業界に対してパッシングがくるであろう。例え入念な調査をしていても、市民からはその点は現状だと軽視されてしまう。
筆者が記した「構造物に付与できる耐震性能に限界があり、安全性には限界があるという認識を市民に広めるべきだった。」ということに同感を覚える。そのことに加えて「被害を少しでも軽減できるよう保全調査、補強施工を実施している。」という認識を広めたいと考える。
認知度を高める上で、一般に浸透している土木分野は調査、設計、施工の3分野体制から「保全」という分野(現段階では3分野に共通しているが)を加えた4分野体制にすることを提案したい。  一例として、高校、高専、大学等の土木カリキュラムに保全という学問を設ける必要があるのではと思う。6年前、自分は大学生であったが円弧すべり安全率や耐震強度など設計定数については習った。しかし、それはあくまで「設定数」としての理解であり、「保全」という視点での理解ではなかった。
大学の後輩は父親が橋梁の施工に携わっていたらしく、父親によく自分の現場に連れて行かれ橋を作った父親に憧れ、今、本人も施工現場に携わっている。将来、我々も「地震が起こったけど崩壊を防いだんだ」と言われること、いわば土木分野に対する市民の新たな認識の普及を願いたい。
本文の主旨とは多少ずれてしまったが、今後の土木の方向性を認識させられた。
(株式会社ダイヤコンサルタント 大口伸生)

特集 健全なる都市経営を目指したまちづくり技術
最近の政府方針として「都市の再生」が挙げられており、私も都市を再生することは日本経済の再生に繋がるものであると思う。だが、都市は過密大都市だけが都市ではない。この企画記事の第1章で一連の全総計画を否定し、大都市の集積度をさらに上げることを提唱するような記事から始まっているが、果たしてそうだろうか。確かに我が国の高度経済成長が大都市圏の発達に大きく支えられたことは否定できない。だからといって、さらに集積すれば経済成長すると考えるのは短絡的である。低成長の原因は、むしろ四全総のような成長の極をつくって育ててゆくという政策が出てくるのが遅すぎたと考えるべきではないか。まぁ、ちょっと例は適当じゃないかもしれないが、酪農の生産性を上げるには、完全に大人になり切る前の育ち盛りの段階で出荷する方が効率はいいわけですよね。
(大阪産業大学工学部土木工学科 波床正敏)

本特集を通読すると、今後のわが国のまちづくりのあるべき方向性を強く認識させられる。すなわち地方(都市)分権や地域住民の積極的な関与であり、これによって、活力があり強力で効率的な都市経営が実現するという、夢のあるシナリオが示されていた。ただし「都市経営」という用語が必ずしも一般的に広く親しまれていないこともあり、企画趣旨を明確に読み取ることが難しかった。
(鹿島建設 吉田 輝)

各分野での姿勢みたいなものが見られて興味深かった。現在日本における少子化、環境問題等に対しての方策が必要なことは現在誰もが知っていることであり、土木技術者として寄与できる手段は多種多様であるとは思う。土木技術は基本的にまちづくりに対しての技術であり、これからの時代に対して循環型社会となるように、またメンテナンス中心の省エネルギー社会を作り上げていくことは必須である。ただし、これらの実現には従来の進め方からのかなりな方向転換が必要である。決して従来の延長ではない新たなまちづくりとしての方向性を特に強調すべきと思う。
(電源開発梶@大島寿哉)

第1章 経営戦略をもったまちづくりとは
小泉政権の構造改革の一環として「都市再生事業」が注目されている。やはり、今求められているのは、経済再生を主眼とした都市再生であると思う。これまで、日本は都市政策と経済政策を全く別のソリッドなものとして捉えてきた。それが、成長管理政策の失敗であり、現在の都市の魅力低下につながっているのではないだろうか。今後は、もっと都市のポテンシャルを引き出す、戦略的な都市づくりが求められるべきである。そのためにも、行政は税制改革により、都市開発事業でTIFを認可したり、開発が迅速に進むような税のインセンティブを与えるべきであると思う。そして、不動産証券化に伴い、プロジェクトファイナンス手法は一般的なものになると思うので、今後のまちづくりは事業収支面はもちろん、計画全体のレベルも、より実現性が高く、住民の合意を得やすいものへと変っていくであろう。
(東京大学大学院 嶋津香織)

オフィスと居住の都心集中を可能にする国の政策
日本の経済成長を止めた要因は、分散政策が間違っていたから。。確かにそうかもしれないが、日本のあらゆる都市の「まちづくり」、都市レベルの底上げには、少なからず寄与したのではないかと感じる。私には、分散政策とともに「大都市の魅力」を新たに引出す施策、すなわち、全体的な都市レベルの底上げのほかに、大都市用に、他都市の目標となり得る「都市の魅力」を促進させる施策があればよかったのではないかと感じられる。今後も、まちづくりの延長に、国の経済成長を見据えるならば、他の都市が目指していきたいと感じる「大都市の魅力」を作り出す必要があると思う。また、現在の地方都市がどこも似たような感じに受け取られるのも、目指していく方向性のレパートリーが少ないからではなかろうか。
(東海旅客鉄道株式会社 梅田博志)

「一極集中はよくない。地方へ分散すべきだ。」という地方分散策については、学生のころ「三全総」の講義を聴いて以来、正しいものだと思い込んでいたので、目から鱗の思いがした。既に規制緩和策として取り組まれているもあると思われるが、政治や行政において、ここに具体的に提案されているような「まちづくり」における構造改革を進めなければならないと痛感した。
(太陽コンサルタンツ 田澤秀明) 

今までの自分の知っている常識を覆す話でとても興味深いものでした.これまでの政策では一極集中の緩和,都の移転など,地方への分散が当たり前であったように思っていたので,なるほどと感心しました.ただ,規制容積率を緩和することで,賃料を安くできるのだろうかという疑問もわきます.また,工場等が都心に立ち並ぶことにより都心の環境は悪化しないのかとも思います.しかし,オフィス等機能の集中化は効率を上げることになることは間違いないと思います.これらのバランスのとれた政策により,都市が健全に力を再生することを願います.また,このようなために,我々研究者も最善を尽くすべきだと思いました.
((独)港湾空港技術研究所 有川太郎) 

私自身が大阪出身という事もあり、”大阪再生の処方箋”の部分を特に興味を持って読ませていただきました。地方分権や地方のまちづくりについて取り上げらているのはよく目にしますが、働く場である都市についてもそのあり方を考えなければと思いました。大阪出身で現在山口県在住の私にとって、どこへ行くにも車を使う車社会の地方と電車を乗り継いで通勤時間が何時間もかかる都市部の違いには驚かされます。また、奈良や和歌山から通勤する人々も少なくないことからも、大阪にはもう土地がないと信じ込んでいたのですが、ニューヨークに比べれば、規制容積率ははるかに小さく、その利用の仕方に問題があると知ることができました。より多くの人の集まる都市部の再生は、重要な課題だと認識するする事ができました。
(山口大学大学院 今泉暁音) 

この報文を読んで大きな驚きを覚えたのは、「国土の均衡ある発展」が誤った政策であるとされている点である。
確かに、大都市で課税された税金が地方に再配分され、また、大都市においては大学や工場の立地が抑制されてきたであろう。
しかし、これらは、人口の過度の都市集中によって、満員電車や長距離通勤、公害、スラム化、土地・建物の異常な高騰などの弊害が生じ、一方地方では過疎が進んだため、国民に広く受け入れられた施策として、都市への集中抑制政策がとられたのではなかったか。
バブルが崩壊し、経済の低成長が続く今の時点で評価すれば、ご指摘の趣旨も理解できるが、これまでの施策の誤りは、いわば国民全体の認識の誤りであり、その意味では、見通しが立たない、誤りとは言えない事柄なのではないかと思う。
特に、「国土の均衡ある発展」は、日本各地、全国津々浦々が時代に合わせて発展していくという意味では、現在でも、また今後とも重要なキーワードであり、正しい表現であると思う。ただし、産業も経済も都市と地方が均質にあるべきとは思わない。それぞれの地域が、その特性を生かして活気ある状態を保つことができれば、あるいは、収入や生産額は少なくても意識や生活の質の点で拮抗していれば、「国土の均衡ある発展」であると思う。公共事業をいくら集中投資しても地方の過疎がなかなか解決しないのも事実であり、日本全体の人口減少が予測される中で、都市ぐらいは効率的に発展しないと日本全体がつぶれてしまうという感覚もわかるが、だからといって地方はもう切り捨ててもいいとはならないと思う。
((財)漁港漁村建設技術研究所 宇賀神義宣) 

国土の均衡ある発展政策が、都市の政策選択の自由を奪ってしまったという筆者の指摘は、都市に限らず地方にも同じ事が言えるのではないだろう。そして、何でも型にはめ込み、均質、平等にすることが正義だという風潮となり、個性のない箱物に頼る街を作ってきたように思う。ただ、筆者の指摘では、都市の密集を促すことにより都市の利益の拡大を図ることを提言されているが、容積率だけではなく、用途規制も見直せば、都市をもっと住み易い街として再生できるはずである。そして、このような見直しにより、都市の住居費が低下するのであれば、週末は自然豊かな地にある別荘にて暮らすという生活も夢物語ではなくなり、都市、地方ともに再生することも可能ではないだろうか。
(関西電力(株) 大江直樹) 

地方分権時代のまちづくり、地域づくり
パブリックの復旧を補助しても、プライベイトへの助成なしには意味のないものになってしまうというのは、言われてみれば当然であるが新鮮であった。同じことが、規模、条件などの違うところで同じようにできるとは思わないが、他のケースにも参考になると思う。もっとも、住んでいる人の年齢層が高く、多くの子どもたちが都会に住んでいるという状況が、根底にある問題だと思うのだが。
(千代田化工建設 森田 光)

地方行政の苦しい現実がよくわかる文章で、非常に読みやすかった。国が差し出す補助事業のメニューの中から、実施したい事業を地方が選ぶのではなく、そのメニューを、地方の現実と照らし合わせ、柔軟に変えていくことができる仕組みづくりが必要だと感じた。
(東海旅客鉄道株式会社 梅田博志)

財政的な基盤の相当部分を国に頼っている「地方」にとって、国のお金を持ってくることは「まちづくり」にとっても大変重要なことであろう。しかしながら、そのために国の施策に迎合して、いわゆる金太郎飴的なことにはなっていないだろうか。震災復興という緊急の事態の中で、現場を知っている地方独自の判断で進めたこの事例は、これからの「地方」のひとつの方向性を示しているように思える。
(太陽コンサルタンツ 田澤秀明)

鳥取県西部大地震において、被災から11日という早さで住宅再建支援策を決定した鳥取県知事の記事であった。個人住宅の建直しに補助金を出すといった前例のない制度を導入した勇気と、インフラ復旧よりも被災者の方をまず優先にといった知事の考えに拍手を送りたい。
(西武建設(株) 辻田陽一郎)

鳥取県西部地震の復興のまちづくりを通じて、地方自治とは何かを問うレポートであった。知事の決断により、被災者の役に立つ方策が打ち出すことができたとのことである。地方の時代といわれて久しいが、実際の現場ではどうすることもできないことが多いなかで、実績と成果をあげたことに敬意を称したい。
(西武建設(株) 三村 卓)

大変わかりやすい報文である。写真が入っていることもわかりやすさを増幅している。主張は、霞ヶ関の「財政上のルール」はおかしい、このため県は住民の意向や現場の状況を勘案して、あえて霞ヶ関のルールに反した施策を独自に起こして住民に喜ばれた、ということである。だが、ふと思う。これからの時代、これは当たり前なことなのではないか。地方分権が進み、財源や権限が地方に移動する。そうすれば、国では気が付かない細かな点にまで配慮して施策を検討し、予算を使う。それが地方分権であって、霞ヶ関のルールがまだまだ批判されているということは、地方分権の進捗状況が十分でないということなのであろう。
((財)漁港漁村建設技術研究所 宇賀神義宣)

中央政府が全国一律で決めた施策は現場では妥当しなことが多いということだが、これは筆者に限らず多くの方々が感じておられることではないだろうか?しかし、現実にはこれに抗議し改善しようとすることは、非常に困難なようであるが、個人的にはいつまでこんなことを続けているのかというのが正直なところである。そんな中で、筆者のとられた行動は、非常に勇気ある決断だったのだろうが、良い判断であったように思うし、成功しているようにも思う。ただ、この行動もこの地ならこその部分もあったろうから、そのあたりは詳しく整理評価して、今後の被害復旧政策に生かして頂きたい。
(関西電力(株) 大江直樹)

第2章2節 都市経営とコミュニティ事例
住民主導によるまちづくりの試みの中で、コミュニティ・ビジネスの事例は参考になった。高齢化・少子化などの社会環境の変化は、介護など新しい種類のサービスを求めている。しかしながら、十分な収益が見込めない場合、企業は参入できないし、行政の対応も手が回らない場面もあるかと思われる。そのような場合、地域内の人材の活用・助け合いが地域の実情に則したサービスの提供に重要であると実感した。今後も、「地域通貨」のようなより地域に密着した仕組みの導入も含め柔軟な対応が必要であると感じる。
(鹿島建設 佐々木義裕)

住民主導によるまちづくり
私も、良きまちづくりのためには、題名の通り、住民主導型のまちづくりが絶対に必要だと感じている。「暗いつぶやき」を拾い上げ、解決していく仕掛けとして、『ビジネス』を立ち上げた発想はすばらしいと思う。(対価がどのくらいかわからないが。。。)まちづくりに取り組む人の中には、まちを活性化させたいと思っても、なかなかうまくいかず、住民は、不平・不満なんて感じていないのではないだろうか、とまで感じている人も多いのではないかと思う。一部の人が満足するためのまちづくりは、真の「住民主導型」とは言えない。まずは、地域に存在している「暗いつぶやき」を顕在化しやすくすることがこれからの「まちづくり」には絶対に必要であると思う。この記事からヒントを得る人も多いのではなかろうか。
(東海旅客鉄道株式会社 梅田博志)

「暗いつぶやき」という言葉が印象深い。地域活性化のためには住民主導の活動が必要であり、継続性の点からそれがビジネスとして行われることが重要。1地域住民として興味深く読みました。
(国際協力事業団 江塚利幸)

”まちづくり”という言葉はよく聞きますが、”コミュニティ・ビジネス”というのは、私には比較的新しい言葉でした。”コミュニティ・ビジネス”を利用して地域の活性をはかるというのはいいと思いました。また、より良いまちづくりの実現には、行政や企業など周囲が意気込みを持っていても、”住民主導”という形があってこそ実現できるはずだとも考えさせられました。行政や企業からの住民への働きかけやその関係のあり方は、私がいつも考えさせられている課題でもあります。いくら創る側が、意欲や夢を持って創っても、利用者である住民・市民に目を向けてもらえないものとなるのは残念な事です。地域のコミュニティのみならず、行政や企業と住民とのコミュニティを促進する事の大切さを感じ、そして、そのコミュニティから住民のニーズを知ることができるのではないかなどと考えています。
(山口大学大学院 今泉暁音)

読んでいて楽しい、元気が出てくる報文である。「暗いつぶやき」から事が始まって、身の回りの問題が身近な人達によってビジネスになる。まちづくりを進める上においては住民の理解と協力が重要であり、とりわけ「自分たちの住む地域をよくしたい」と願い集団的に行動するNPOのような存在が大きいと思った。
((財)漁港漁村建設技術研究所 宇賀神義宣)

都市経営からみたサスティナブル・コニュニティ
都市あるいは地域を形成するのは風土や文化であってその中心はひとである。したがって、まちづくりに携わる技術者には、地域社会、ひとを総合的に理解する能力が求められる。コミュニティーの運営が住民の自治組織にゆだねられていたことで、江戸が循環型社会を形成していたことはたいへん興味深い。
(国際協力事業団 江塚利幸)

江戸時代の日本の都市が循環型社会を実現していたと言う点が、非常に興味深かった。このような歴史的なリサイクル型のコミュニティが現在の日本で失われてしまっているのは、とても残念な事であると思う。
(国際協力事業団 城後倫子)

経営改善の一環としてのNPOの活用策
まちづくりを経営としてとらえ、それに対するNPOの関わり方を類型化して説明されている。多数あるNPOを類型化された上それぞれの関わり方の指針を示され、興味深く思えた。
(五洋建設梶@檜山博昭)

第3章 理想的な経営を営むまち 都市経営から考えたまちづくり
都市経営ということを考慮した人工的なまちづくりの実例紹介と、日本における地域経営の限界、問題点を整理していただいた。自然・歴史との調和、それが持続可能な都市の条件であることを再認識した。
(京都大学 菊池 輝)

都市の魅力というものは、確固たる計画意志の他に、そこに住む住民のコミュニティ意識が必要不可欠なのだということを改めて感じた。日本は、未だに、地方自治体が国の従属組織であるから、自治体自体が地域経営を独自に行なえていない。このような状況下では、コミュニティの自治組織が発達しないのは当然のことだと思う。また、都市経営を営む土台の、都市環境を育む土壌が日本には育っていない、そのため、住民が主体的に豊かな都市空間を維持することができないという筆者の意見は、日本の都市計画の弱点をついていると思った。みんなが都市を「公的な価値の高い私財」と捉えると、計画されて作り上げた都市を、時間の経過とともに付加価値をつけていき、市場性を高めることができるのではないだろうか。
(東京大学大学院 嶋津香織)

記事にて、かつての都市経営が、中央からの補助金を増やすことであったり、自ら不動産開発を行うことであったのに対し、これからの都市経営は、民間・NPO・市民と提携したものに変わりつつあるということだが、もう少しこのあたりの紹介をして欲しかった。そして、それに対する実例の紹介は、まちの価値を高める取り組みに関してのようであったので、少し前文とずれているように感じた。そして、日本の現行の中央集権的な仕組みの上では、地域経営を考えた人工的なまちづくりはできないという指摘について、もう少し語って欲しかった。
(関西電力(株) 大江直樹)

イギリスとアメリカの実例と、日本の現状について、たいへんよく分かりました。日本でも、市場競争でない、都市デザイン、街づくりができる土壌が、できればいいな、と思います。
(大成建設(株) 町田 晋)

学生のページ Dr.という道
企業で働いている者からすると、企業の方々の対談の内容には共感できるところが多い。一方 Dr.の方々の対談を読んでも、企業に入って何をやりたいのかという思いが伝わってこない。学卒、修士卒の人は、この会社に入って何をやりたいかを熱く語って入社してくる。Dr.の方々にも同様の熱い思いがあり、さらに専門知識もあるのなら、企業としても欲しいのではないだろうか。
(千代田化工建設 森田 光)

非常に興味深く読ませて頂いた。現在Drコースに在籍しておられる、又Dr.を取得した方の意見は非常に重みがあり、考えさせられた。Dr.というものは一度取得してしまえば、何かにつけ頼りにされがちである。前田建設工業鰍フ前田氏の意見にあるように、Dr.に求めれらるものは何をテーマにしてDr.を取得したかよりも、ある問題に対してどのようにブレイクスルーを成し遂げたのかがさらに重要なのではなかろうか。
(五洋建設梶@羽田 晃)

社会が博士取得者についてどのように思い,何を望んでいるのかということがよくわかりました.しかし,記事から感じたことは,そもそも大学に進学する目的は何だろうかということです.よく野球などでは,高卒から育てるという考え方も見られます.同様の理由から,企業はなぜ,高卒から就職を求めないのだろうかと思いました.大学の学部,修士,博士の目的・役割がもっと明確になれば,適材適所に応じた社会での活躍が期待できるのではないだろうかと思いました.そうなると博士に進むのか,それとも,修士や学部で企業に就職するのかということをポジティブに選択できるようになるのではないかと思いました.
((独)港湾空港技術研究所 有川太郎)

興味を持って読ませて頂いた.企業側の意見はおおよそ予想ができるものであったが,現役学生の意見をこのような形で集約することはあまりなかったと思う.ただ,限られた紙面で多くの取材・記事を掲載しようとしているためか,紙面構成としては決して読みやすいとは言えないのが残念だ.「Dr.という道」というタイトルであるが,博士号を取得してから開ける道もたくさんあると思う.そのあたりのことまで視野に入れ,頑張ってください.
(京都大学 菊池 輝)

学生・企業双方の意見が聞け、興味深い記事であった。企業側は、Dc学生の採用について消極的で、経験工学といわれる建設業界において5年の差はあまりにも大きいと考えているようだ。就職難の時代において一層厳しい状況ではあると思うが、社会人としての今後の活躍を期待したい。
(西武建設(株) 辻田陽一郎)

つい最近まで自分も学生だったので、就職活動をしている学生の皆さんの対談に共感できた。欧米に比較して、日本では博士や修士等の学位を持つ人材の活用が充分に出来ていないという印象を受ける。せっかく努力して身に付けた能力を生かしきれないのは、もったいないことだ。
(国際協力事業団 城後倫子)

結局、企画したDr.の方達のひとりよがりのように感じた。社会がDr.をどう思っていようと、自分の意志でDr.に進学したのだから、もっと自分に誇りを持てばいいだけの問題だと思う。
(東京大学大学院 嶋津香織)

”つぶしが利かない”と言われてきた博士取得者の就職問題に焦点をあてた良い記事である。学生会員を主対象にした記事はこれまで少なく、この点でもたいへん評価できる。学生に対する情報提供という形をとりながら、その実、企業に対して博士号者をどう生かしてゆくかについて問うており、今後の採用人事等に何らかの影響があることを期待したい。
また、博士取得に対する理解が進めば、社会人ドクターなどの形で産学協同がよりいっそう進行し、学界の活性化にも繋がるとも考えられる。
(大阪産業大学工学部土木工学科 波床正敏)

自分自身が学生だったころを思い浮かべても、博士課程にまで進学してしまうと就職に困るというイメージがありました。多大な努力とお金と時間を費やして、博士号を取得できたとしても、その結果就職に困るというのではあまりに魅力がなさすぎるような気がします。本来、博士課程まで進学しようとする人達はその分野の学問に情熱を燃やしている人が多いわけですから、社会や企業でももっとDr.を活用すべきだと思います。また同時に、経済的にも、もっと博士課程まで進学しやすくすべきだと思います。特に日本では博士号を取得するまでに金銭的なハードルが高すぎるように思います。
(国土交通省 村下秀文)

何がDrに求められているのか?この問いにまじめに答えようとすると、どうしても話が観念的・抽象的になってしまうようである。確かに、記事中の諸氏の言葉にもあるように、自前の思考回路を持つ、自分を生かす道を一所懸命考える、といったことは大事と思うが、より本質的なものは、組織や世間の先頭に立とうとする「志」、「心意気」ではないだろうか。Drの側のそういった姿勢と成果が誰の目にも見えるようになれば、わが国においてもDrの地位が向上するのは間違いないと思う。
(鹿島建設 吉田 輝)

この特集を通じて、Dr.と社会との視点の違いが見えてきたような気がした。社会的に認められるには、個人の能力や実績が問われること。多くのDr.が誕生する昨今において、需供給のバランスを悪化させるのではないかとの不安。そうした中、実務を経験した社会人Dr.や論文Dr.の可能性が高まってきている。また、Dr.とコミュニケーションをとり、専門性や取り組み姿勢などを学ぶと同時に、お互いの認識の溝を埋める努力が求められているように感じた。
(西武建設(株) 三村 卓)

本話題は今月号の中で大きく取り上げられている。 その中で実務関係者(コンサル)の意見で、土木工学は経験工学なるいい方をしている。
実際は私もそう思う。ここで、研究とは今後の技術発展を広く考える物で、現場技術とは多少考えたは違う物である。これからの技術者は、技術士とは別に工学博士てきな見方も大切である。
ただし、現在の日本の企業において工学博士の位置付けは非常に厳しいと思うが、今後問題となってくる問題である。この話題については、もっと企業側の正直な考えを欲しいところである。現実は企業内で学位を取得するには会社は冷たいのが現実である。
(基礎地盤コンサルタンツ 中田隆文)

学生を対象にしたページを読ませていただきました。全般的に学生の現状と将来展望について現在の学生の考えを感じ取れました。この企画に携わった学生の研究の紹介もプロフィールに加えていただいた方が座談会の記事で各学生の方々の意見を別視野で読むことができたような気がします。
今回参加した学生の方々が、卒業なされた後また、同じ企画、同じ担当者をやられてみたらこの主旨の問題がはっきりと分かってくるのではと思います。是非考えてみてください。
学生の方々の意見は一部、悲観されているような意見がありましたが、自分の専攻分野が必ずしも同じ分野でしか活かせない、だから企業は分野が合わないと毛嫌いするという考えはもってほしくないと感じました。
自分の専攻以外の分野でも、探せば専攻分野との共通点は見つかるはずです。例として土木分野の水理学と機械分野の流体力学、土木分野の構造力学と機械分野の材料力学は対象が違いますが原理、理論は似ています。
要するに、自分がもし他分野でも自分の専攻分野のこの点が生かせるとアピールする姿勢も必要なのではと感じました。
(株式会社ダイヤコンサルタント 大口伸生)

ある分野を学ぶことで、知識をつけるに留まっていた僕には、他分野との関係を考え自分の思考回路を築く努力が欠けていました。単に考える時間を増やせばいいのではなく、一歩離れた視点から専門分野を見つめ、より深く考えることが時には必要と感じました。この記事によって僕が理想のドクター像が大きく変わりました。
(京都大学環境質制御研究センター 鈴木祐麻)

同じ博士課程の学生でも、自分の専門分野について研究していきたい人もいれば、会社には行ってからは自分の専門に拘らずゼネラリストとして活躍していきたい人もいる。これら多種多様な人が自分の就職先を判断するには企業の公開している採用情報は内容が乏し過ぎるのではないだろうか。就職後のキャリアアップについてどのような選択肢があるかなどを事前に公開することにより、企業側にとっても望ましい人材を獲得する事が出来ると思う。
(関西電力 西川 亨)

私も、今まで、「Dr.」というと、「大学に残って研究する」「一般企業には採用されない」というイメージを持っていたので、たいへんおもしろく読みました。もっと、「Dr.」が社会的に認められる世の中になってほしいな、と思います。
(大成建設(株) 町田 晋)

「あなたは、社会は、Drを活かしますか」という言葉はとても心にひびきました。私は、今回記事を書かれている皆さんとは違い仕事についていますが、仕事を始めてからいろいろな社会情勢や業界で必要とされている新技術のニーズを知ることが出来とても刺激的な日々を送っています。大切なのは、Drコースの学生の方と社会に出て様々な経験や社会のニーズに接した方たちとの情報の交流がもっと自由に様々な場面で出来ることだと思っています。今後は、そのような交流が盛んになるよう、努力していきたいと考えています。
(日本道路公団 税田賢二)

第1部 Dr.という道
社会・経済のスピードが速まる中で、ドクターが持つ高度な技術力・判断力は、企業が環境の変化に対応するためにもますます重要になってきている。これからは、工学に加えて経済学や社会学といった横断的な知見が求められる分野(例えば、リスクマネジメント)でのドクターの輩出が必要なのではないか。また、本文中で指摘されていたように、給与面を含めたドクターのインセンティブについては議論すべき点が多いように思う。ちなみに、アメリカでは年収で百万以上の差がつくことは普通のようである。
(鹿島建設 佐々木義裕)

第2部 社会は、Dr.を活かしますか? 企業の本音は?
企業がドクターに対して抱く考えは、納得させられるものが多い。土木という業界が人とのつながりが生命線であり、専門的な枠に縛られるだけの人間ではいけないことは明らかである。また、経験工学の色合いが強い業界である以上、実務経験の是非は工学的なセンスを形成する上でも非常に重要な要素である。実務ではハード面とソフト面の両方の知識とセンスを身につけ、それを有機的に結合していかなければならない難しさがあるが、いまだ学生として研究を続けている私にとっては、果たしてそのすべての要素を習得しうるか、人格的にも、そのレベルまで達しえるかという疑念に襲われた。
(東京大学大学院 田中泰司)

魅力的なDr.とは? 土木学会会長 丹保憲仁氏に聞く
魅力あるDr.像ということで、土木学会会長のお考えを拝読させていただきました。Dr.に対してだけに通じる考え方ではなく、土木技術者としての心構え、社会人としての心構えを教えていただきました。
(東海旅客鉄道株式会社 根岸 裕)

企業が魅力的なDr.とは? 前田建設工業(株)会長前田又兵衛氏に聞く
私はDr.への進学を希望している学生だが、正直、卒業後の就職や進路について不安に思っている。やはり、企業にとってはDr.新入者は、あまり魅力的なものではないように感じるし、学生からみても、Dr.取得後に企業が正当な評価をしてくれるとは限らないというリスクがある。Dr.そのものが、あたかも負の免罪符のような感も強く、博士課程へ進学することはメリットの薄い選択肢であるように思える。しかし、夢を持ち、研究を通して、ブレイクスルーを経験できれば、そこから得た俯瞰的な視点によって、人間的にも大きく成長することができ、それが人物的評価を高める契機になるという本稿の言葉には勇気付けられた。
(東京大学大学院 田中泰司)

第3部 Dr.を活かそう!
学生のページの中で、第3部に登場された菊池教授の話しは、核心をついた、鋭い指摘の数々であったように感じた。これは、氏の人間性によるところも大きいのだろうが、海外、異分野との接触による部分も多いのではないだろうか。そこで、これからもこのような、海外、異分野の中で活躍していらっしゃる方々のお話を伺いたいものである。
(関西電力(株) 大江直樹)

プロジェクトリポート 世界最大の山峡ダム
世界の大プロジェクトの近況を知ることができました。今後も定期的なリポートをお願いします。
(国際協力事業団 江塚利幸)

超大型のダム建設現場ならではの施工方法について書かれてあり、興味深く読ませて頂いた。ただ、現在日本ではダム建設は下火になっている。中国においてこのような大きなダムを建設しなければならない理由についての(例えば日本の事情と比較しながら)報告をしていただきたかった。
(五洋建設 羽田 晃)

中国での事業規模の大きさには圧倒されました。特に、ダム完成に伴う移民数が113万人ということですから、富山県の県民に相当する人々が移民させられるなんて日本では到底考えられません。
(五洋建設梶@檜山博昭)

ダムの貯水量393億m3、ダム湖の長さ600kmと僕が抱くダムのイメージからはかけ離れた大きなダムによるマイナス面を100%推測することは難しいことが考えられ、予想していなかった問題が発生すると思います。日本の技術もダムには導入されているようですが、その後の、問題解決を含めるメンテナンスまでしっかりと関わることが重要だと思います。
(京都大学環境質制御研究センター 鈴木祐麻)

ダム湖の長さ600km、ダム建設による立ち退き人113万人の三峡ダムの規模の大きさに驚いた。この三峡ダムによる洪水制御、発電効果、経済効果などははかりしれなく大きいが、ダム建設に伴う環境破壊、公害問題などのマイナス面についての問題解決の必要性を強く感じた。今後、我々土木技術者はダムに限らずすべての公共物建設によるマイナス面の意識を強めるため、様々な特集を組んで頂けたら幸いです。
(NKK 堀川慎司)

36,000人の作業員が昼夜3交代でダムの建設に従事している。現場管理も大変なことであるが、工事が安全に進むことも重要である。日本の建設現場の事故率と比較し、三峡ダムでの事故率が非常に高かったものが、日本の建設会社を安全管理コンサルタントとして雇用して半減したとありました。日本の企業が、安全管理に貢献していることを嬉しく感じます。また「千年大計質量第一質量責任重于泰山」のスローガンのように、高品質のダムが建設されることを願います。
(東京大学大学院 金田尚志)

大規模な海外工事を紹介していただきとても興味を持って読ませていただきました。日本の土木技術は海外でも十分に誇れるものだと考えています。しかし、前回の2002・1土木学会誌にて海外受注率が低いとの報告がなされていました。安全管理や新技術工法で日本の企業が参画し成果が上がっていることは今後の日本建設業の海外市場でのあり方の参考にもなります。環境影響評価等のコンサルタント的な面でも日本の技術が海外事業に参画していける機会が増えるといいですね。
(日本道路公団 税田賢二)

日本初!砂礫層中に2階建て道路トンネルをNATMで施工
最新技術が詳細に述べられ、実務者にとっては興味深い話題と思う。
(基礎地盤コンサルタンツ 中田隆文)

たしかに技術的にはすごいことだと思います。しかし、トンネル内で事故が実際おこったらどうなるかということを考えると、より安全が経験的に確認されている技術を使って欲しいと感じざるを得ませんでした。もちろん、この技術を使うことになった背景は知りませんが。
(京都大学 環境質制御研究センター 鈴木祐麻)

私は大学院の時、数値シミュレーションを用いてトンネルの形状の最適化問題に取り組んでいたため、この記事には大変興味を持ちました。具体的には、トンネル掘削後の地盤に発生する応力が最小なトンネル形状を探索するというもので、最適なトンネル形状は静止土圧係数や地表面形状、地盤物性値によって異なるが一般的に縦に細長い楕円形(卵型)に収束することが確認できた。この解析によって求めた形状と2階建てトンネル形状が似ているため、正直驚いています。ところで、この2階建てトンネルに関して、上り線、下り線がどのように坑口付近で2階建て道路トンネルに変化していくのかが興味あります。坑口付近の特集も取り組んで頂けると幸いです。
(NKK 堀川慎司)

砂礫層で最小土被りが7m程度しかない厳しい条件下での施工で、直上の市道やライフラインに影響を与えず、更に湧水対策も行わなくてはならないため、様々な対策がとられていて大変勉強になりました。特に上部覆工を完成させ、下部掘削を行うときに上部の沈下、下部の側壁崩落への対策が重要だったと思います。紙面の都合上、3ページだけのレポートとなりましたが、施工途中の写真や解説をもう少しあれば、わかりやすかったと感じます。
(東京大学大学院 金田尚志)

アーチアバットのないRCアーチ橋
鉄道橋は、従来デザイン性・景観性よりも施工性・経済性を重視してきたが、最近になって経済性とデザインを両立させた設計が取り入れられてきた。本橋梁も、厳しい交差条件をクリアしつつ、景観性を重視した設計を及び施工を試みたものであり、大変興味深く拝読させていただきました。今後も、デザインを重視した設計がなされていくことを期待する一方、保守性の観点からも十分配慮された設計がますます重要になっていくのではないかと考えております。
(東海旅客鉄道株式会社 根岸 裕)

土木紀行 水田の中の原点
写真が美しく,一度足を運んでみたいと思いました.ただ,枚数の制限もありますが,ポイントを絞って書いて頂いた方が読みやすかったように思います.様々な視点から五ヶ所樋から理解でき,そのそれぞれについてさらに深く知りたいと感じました.
((独)港湾空港技術研究所 有川太郎))

当時の時代を偲ばせる歴史的土木構造物、素晴らしいと思います。埼玉県にもその様な構造物があるというのは意外でした。樋管というあまり目立たない構造物ではありますが、この煉瓦樋管の西欧式装飾から、農村への近代化の到来を告げるシンボルとしての意味を見いだすという点は大変興味深く感じました。
(国土交通省 村下秀文)

人工構造物は自然の景観を台無しにすると避難されがちである。しかし優れたデザインの構造物は建造された当初だけでなく100年の歳月が経っても景観にマッチする。本稿で取り上げられた構造物はその良い例であると思う。
(関西電力 西川 亨)

海外リポート General Geotechnical Issue in West Africa A Case Study of Problematic Soils in the Daker Peninsula(Senegal)
土木技術者は土木技術が「経験工学」であることからより多くの経験を積むことが必要であると考えています。そのためには色々な場所にできるだけ多く行くべきであり、もっと多く海外経験を積むことが必要と思います。個人でも各種情報を入手することは可能ではありますが、こういった記事を定常的に掲載してもらえると、大変ありがたく思います。
(電源開発梶@大島寿哉)

海外リポートについて今月号においては英文であった。今後土木学会誌を求める人の層を広げるためには、同時に日本文訳も必要と思う。多分殆どの読者は読みづらいと感じると思う。
(基礎地盤コンサルタンツ 中田隆文)

海外リポートは海外の技術者からのリポートであるため、興味が沸きましたが、英文であるため日本語訳がほしいと感じました。(恥ずかしい話ですが)
(株式会社ダイヤコンサルタント 大口伸生)

支部のページ 2002年有珠山噴火
火山活動のために実施した道路交通規制への影響の記事に興味を持った。物流の点では約39億円の損失が生じたとのこと。交通規制にともなう迂回路案内情報や代替路の整備などハード面とソフト面での支援対策の充実が望まれると感じた。
(西武建設(株) 三村 卓)

主だった内容は非常にわかりやすくまとまっているように思う。
この件に関しては、自分は電力関係における調査を行っているが、土木(道路)関係の他にももう少し広く話題を提供してはと思う。
(基礎地盤コンサルタンツ 中田隆文)

話の広場 「土のう」を活用した新しい地盤補強法
現場をやっていると、いろいろなケースで土のうを使う。非常に有効なのであるがいつもその性能を知らずに使っている。土のうを性能表示することは、本設資材として使うことだけでなく、仮説資材としての土のうの使用範囲、頻度を高めることになると思う。本設資材として使うには、コスト、信頼性の問題もあり使用場所が限定されると思うが、仮設資材としての土のうの使用は、性能表示によってかなり広がるのではないだろうか。
(千代田化工建設 森田 光)

仮設土留や仮締切に使うものだと思っていた「土のう」が、地盤の補強に本設資材として利用できるとなると、相当な場面で使る工法になると期待される。実績が増えて、設計や施行上のガイドラインが得られるようになれば、有利な経済性からも普及していくのではないだろうか。。
(太陽コンサルタンツ 田澤秀明)

今まで「土のう」の使用方法としては、災害復旧時に使用するものとの認識に過ぎず、最近、地盤振動の低減効果があるとの報告を耳にした程度でした。しかしながら、本レポートのように、著しく優れた力学特性を示すものであり、安価で、施工性も良好、その他付加価値があるということを知り、非常に驚きを感じました。と同時に、今後この分野の研究が進み設計仕様が確立されることで、「土のう」が土木工事において発展していくことを期待しています。
(東海旅客鉄道株式会社 根岸 裕)

とても興味深く読ませていただきました。もっと、ページ数を割いて詳しく取り上げてください。機会があれば、自分の現場でも何らかの形で是非使ってみたいと思いました。
(褐F谷組 伊藤政彦))

記事にもあるが、私も”「土のう」と言えば洪水”という発想をする一人であった。その固定観念で読むと正に”目からウロコ”のお話しである。その素晴らしい力学的特性は記事に示されているが、それ以外にも建設残土を「土のう」に詰めれば建設資材にその場で早変わりし、パレットに載せれてしまえば、ダンプトラックでなくとも普通の貨物として別の場所に運搬可能であるなどの副次的効果もあるような気がする。
(大阪産業大学工学部土木工学科 波床正敏)

土を土のうに入れるという一見素朴な方法により、土の支持力が高まることは、経験的にも、原理的にも納得がいくが、ここで紹介されていた土のうの性能は、私の予想をはるかに上回るものであった。一般には弱い材料と思われている土も、工夫次第でずいぶんと使い道が広がることを示唆していると思う。環境への負荷がきわめて小さく、風景に溶け込み易く、かつ安価な自然材料である「土」の良さが見直され、様々な場面で積極的に活用されることを期待する。
(鹿島建設 吉田 輝)

大変興味深く読ませていただきました。私の経験においても、ダム調整池左岸の埋戻し部分の工事を担当した経験があります。この時も湧水の中での土工事に土のうの補強法を採用できたら省力化に繋がったのではないかと思いました。私のなかでもあくまで仮設材としての位置付けであった「土のう」ですが、今後仕様を固めて標準化され、施工機会が増えることを期待します。
(電源開発梶@大島寿哉)

「土のう」は仮設工の一資材というイメージであるため、補強材として利用するのは疑問点が浮かび、タブー視してしまっていました。本報告はそのタブー論を覆すようなもので興味深く読ませていただきました。このソルパック工法が一般化すると、建設残土処理等の諸問題がいくつか解決にもつながり、大いに期待できます。最近の施工法であるため、長期動態観測などの実績報告が楽しみです。
(株式会社ダイヤコンサルタント 大口伸生)

「土のう」というと、「仮設」の中でもとりわけ「間に合わせ」的なイメージしか持っていませんでしたので、たいへんおもしろく読みました。土を袋に詰めるだけで、耐荷力が飛躍的に向上するなんて、なんだか不思議な気がしますし、また、振動低減効果、凍上防止効果があるのも意外な気がします。新材料の開発も大事なことですが、この記事のように、従来の材料を見直すことも、同じように大事なことであるように思います。
(大成建設(株) 町田 晋)

見て・聞いて・土木の動き
土木学会「デザイン賞」が決まった、と小さな記事で取り上げられていたが、受賞作品の写真などは閲覧できるのであろうか。もっと大きくとりあげてほしかった。
(西武建設(株) 三村 卓)

綴込 平成14年度全国大会第57回年次学術講演会
全国大会(年講)の実施要項がありましたが,申込書の類は本誌から切り取りやすいよう工夫をされてはどうでしょう.入会申込書.行事参加申込書・図書購入注文書も同様です.
(京都大学 菊池 輝)

学会誌に対する意見等
今月号の学会誌は特集が面白く、興味の持てるものばかりでした。全編興味深く読ませていただきました。これからも、幅広く良質な記事を提供してくださるように、感謝とともに期待しております。
(東京大学大学院 田中泰司)

今回のテーマは、全体的に読みやすい(個人的な興味なのかもしれませんが)内容でよかったと思います。なるべく身近なテーマを、身近な視点でとらえたものを増やしていってもらいたいと思います。
(太陽コンサルタンツ 田澤秀明)

もう少し,写真,図などが随所にあってもよいような気がします.全ページ文字というのは視覚的に訴えるものが少なく興味も引きにくいと思われました.
((独)港湾空港技術研究所 有川太郎)

今月号は割とおもしろかったと思います。特に「Dr.という道」はVery Good 。これからも学生会員向けのサービスを定期的にやってゆくのはいいと思います。次回は「就職するか、それとも大学院に進むか」とかいうテーマですかねぇ。
(大阪産業大学工学部土木工学科 波床正敏)

これからの社会において、従来型の体制とは異なる方向へ進まなくてはいけないことは、昨今の状況を見て明らかであると思っています。土木は公共工事的な意味合いが強いため、保守的な色合いがかなり強くあると思います。そこで、保守的色合いが強い記事と、革新的先進的な記事をより明らかな形で比較掲載してみるのも良いのではないかと思います。
(電源開発梶@大島寿哉)

僅かな数のモニターの意見が学会員全員の声を代弁しているしているとは限りません。年に1回でも、学会誌の内容に関するアンケートをとってみればどうでしょうか?学会誌にアンケート用のハガキを添付すれば、ある程度の回答数が期待できるのではないでしょうか?
(関西電力 西川 亨)

巻末の土木学会員の構成を見てわかるように、土木学会は会員数が4万人と数多くある日本の学術学会の中でもマンモス学会であります。しかし、一般的にその認知度は日本建築学会や日本医学会等と比べると低いです。以前に、中央大学多摩キャンパスで行われた全国大会に向かう途中のことでした。バスを多摩センター駅で待っていると、同じ列に並んでいた中央大学の学生さんが全国大会の案内板を見て「土木学会って何?学会というと医学とかを想像するけれども、こんな学会もあるんだ」と話していました。これだけ活動も盛んに行われ、社会基盤の発展に寄与しているのにも関わらず、一般市民の方々には知名度が低いのだなぁと残念に感じたのを覚えています。土木学会と他の学術学会と比較したり、一般市民へのアンケート調査などを行ってレポートしていただけると、面白いかもしれません。
(案)以下のような項目について他の学術学会と比較する
1. 学会員数ランキング
2. 総予算ランキング
3. 年会費
4. 主催行事
5. 学位、資格取得者数
6. 年齢構成
7. HPアクセス数
8. 一般市民の知名度、イメージ
東京大学大学院 金田尚志

編集委員会より読者の皆様へ
2月号に対して寄せられた「会員の声」に対する編集委員会からの回答です。


【ご意見・ご要望など】
全般的に見て、辛口の記事は少ない。悲観的になれというわけではないが、ある程度警鐘を鳴らす記事があっても良いのではないかと思う。また、今後の土木技術者は国内ばかりではなく、国外へも積極的に活動の場を広げるべきであると思う。その点からすると、今回のODA特集は大変勉強になった。次回は、これからの世代の為にも、日本以外の国の技術者と国内の技術者との実際を比較して、具体的には何が不足しており、何がアドバンテージであるか等の、今後必要とされる技術者像についての提言を希望します。
(電源開発 大島寿哉)

【編集委員会からのお答え】
ご意見ありがとうございます。委員会としても、辛口の記事を意識して避けていたわけではありません。しかし、その場合は、企画の段階では内容を十分に検討する必要があると思います。今後の参考にさせていただきます。
海外に目を向けた記事については、今後も折に触れて取り上げたいと考えております。


【ご意見・ご要望など】
今回の特集は、いろいろな角度からの紹介や情報提供があり、ODA現状を把握する上では、大変役に立つ内容であったと思う。希望としては、もう少し提言・問題提起的なものがあってもよかったかなと思う。土木学会誌としての「社説」的な記事も含めて。
(太陽コンサルタンツ 田澤秀明)

【編集委員会からのお答え】
学会誌編集委員会としては、会誌の主な目的の一つは会員の意見交換であると位置づけております。そのため、この学会誌に社説的な記事はふさわしくないと考えます。ただ、特集の中に、問題を提起するような内容の記事を含ませることは、その特集の企画次第で可能と思います。ご意見は今後の参考とさせていただきます。


【ご意見・ご要望など】
毎号、学会誌が取り上げる特集は、我々技術者でさえ改めて認識し納得することが多い。土木は閉鎖的、情報を公開しないと言われて久しいが、学会が一般国民に対して情報を開示するアクションを積極的に行ったら如何であろうか。
例えば、一般新聞に「土木のコーナー」などを設けて頂き、定期的に 1.「学会誌特集の概要」を掲載する。
2.「巻頭論説」を筆者の許可を得て掲載する。
など、土木を国民の身近なものとすべく、大変でしょうが出来ることから始めていただきたい。
(大日本コンサルタント 高楊裕幸)

【編集委員会からのお答え】
会員外の一般国民へのPRはきわめて重要なことであると思いますが、一般の新聞に定期的に「土木コーナー」を設けることは、当委員会としては考えておりません。一般の方向けの情報提供については、現在検討中です。土木学会のホームページには各種の情報が載っておりますので、それを活用することも一案と思います。
なお、一般の新聞が学会誌の記事に対して転載希望を申し入れてきた場合には、著作権・出版権等の許す範囲でそれを認めております。必要なことは、学会誌の内容が一般新聞の記者の目にも留まるようにPRすること、および、一般紙の記者が転載したいと考える記事を作ることだと考えております。


【ご意見・ご要望など】
毎回「特集」を組み、1回完結型の読みやすい記事があるのは、土木学会誌の大きな特徴だと思う。しかし、その反面、月刊誌の楽しみのひとつ「連載もの」のボリュームが少ない気もする。めまぐるしく変化しているIT建設技術に関する連載等、「土木の月刊誌」ならではの特徴を活かした記事がもっと増えたら、と感じた。
(東海旅客鉄道 梅田博志)

【編集委員会からのお答え】
学会誌の記事は、主として特集と連載・シリーズものの二本立てとなっております。
確かに、これまでは、これらのうち特集に割くページ数が多い状態が続いておりました。特集のページ数としてどの程度が適当なのかについては、委員会の中でも議論を重ねております。
一方、シリーズものは、「プロジェクトリポート」のように一話完結の形のものも多く、ご指摘のように、純粋な連載ものはページ数としては多くありません。しかし、2月号からは「土木遺産」の連載を開始しており、また、この3月号からは「外から見る土木」「緑」「写真で綴るそのときの一枚」の3件の連載を開始しました。これらも、内容としては“一話完結”的な要素があり、また、ご希望のテーマに関する連載ではありませんが、これらの記事にご期待ください。


【ご意見・ご要望など】
モニターの立場としては、「つまらない記事」というのは極めて指摘しにくいですので、無記名公表もしくは「もう少しがんばった方がいい記事」くらいにならないでしょうか。
(大阪産業大学 波床正敏)

【編集委員会からのお答え】
学会誌編集委員会では、毎号、各記事に対する評価・反省をしておりますが、実はその際には、もっと激しい表現の議論が飛び交っております。会誌をより良くするために、ご遠慮なさらずに、気が付いた点をどしどしご指摘下さい。


【ご意見・ご要望など】
一部の記事に、注釈があったのが非常にありがたいと思いました。「土木」という世界は広範にわたっていて,なかなか言語が共有しきれないので、簡単な単語の説明があると読む気になる記事が増えます。
(東京大学 田中 泰司)

現在のように技術が成熟しつつある時代では,次の目標や新しい視点を見つけるのが困難になってきています.土木の分野においては特にそれが顕著に現れてきているような気がします.そのようななかで,政策科学的な観点から新たな技術を模索していっているような気がします.一方で,日本の土木技術は非常に進んでいるという事実もあります.そこで,どうしてそのような技術を開発しようとしたのか,どのようにして思いついたのかなど,その当時の様子を振り返るような特集があると,次のステップを考える参考になると思います.
(港湾空港技術研究所 有川太郎)



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