土木学会誌12月号モニター回答
プロジェクトリポート わが国初の最大規模の風力発電基地誕生

 風力発電設備を設置するには立地条件が重要であると思われるが、大規模風車を用いることにより効率化が計られているようです。今後も風車の改良がなされ、効率の良いものが開発されていくと思われるので、自然エネルギーを有効に利用することからも、進めていくことを期待します。
(愛媛大学工学部 二神 治)

 苫前町は非常に風が強い土地柄を活かして町ぐるみで風力発電に取り組んでいるとのこと。他の地域においても,有効に使える自然エネルギーが眠っているかもしれません。地域の特性に応じた自然エネルギーを有効に使い,低コストで電気を安定供給できるよう,種々の自然エネルギー発電技術が確立することを期待します。
(鹿島建設(梶@新保裕美)

 町おこしの一環として風力発電事業を推進するという事例は、大変ユニークであると思います。事業を円滑に進めていくには、事業者と地域の両者の協力が重要であると改めて感じました。
 また、本記事では、事業の経緯が風力発電事業の流れ(計画、調査、建設)に沿ってわかりやすく整理されているとともに、風力発電の課題についても述べられているので、この記事を読めば、風力発電についてのエッセンスがすぐにわかると思いました。特に、長年クリーンエネルギーとして注目されていながら、風力発電があまり普及しない理由も課題として挙げられているので、非常に勉強になりました。
(水資源開発公団 大島伸介)

 再生可能エネルギーのシンボル的なものとして、風力発電には関心を持っていましたが、土木学会誌でも取り上げていただけたことを嬉しく思いました。風力発電を取り巻く現状をうまくまとめられたリポートだと思います。苫前のウインドファームは、環境分野の人には著名ですが、町おこしとして取組まれたことは良いとしても、海南島からの白砂購入によるホワイトビーチの建設というレベルと同じ発想だったとすれば、少し興ざめの感じがあります。風力発電はようやく実用段階に入ったわけで、これからの運用やそのノウハウが引き続くプロジェクトにどんなに有用か計り知れないものがあります。改めてコンセプトを見直されて、更なるご発展をと思います。
(伊戸川環境総合企画 伊戸川善郎)

 デンマークのように風車が並んでいる場所が日本にあることを知り,驚きと同時にうれしくなりました。エネルギーの問題は,複雑だと思います。火力・原子力発電では,廃棄物が発生する,風力発電は,発電量が安定しない,コストがかかる,というように,三拍子そろった完璧なものはありません。その中で,風力発電は,費用の面だけ考えると高いかもしれないが,環境への負荷低減,クリーンなエネルギーの供給という観点から,今後増やしていくべき発電方法の一つと思います。国・自治体・電力会社が,風力発電に対してすすめている優遇措置,今後も推し進めていただき、写真にみられる壮大な自然と風車のある風景を,じかに見る機会が得られればと思いました。
(鹿島建設 藤澤 理)

 この記事の中に,多少高くても自然エネルギーを買いたいという人から「グリーン料金」なるものを徴収すると書かれていたが,個人的には反対です。火力や原子力によって環境汚染が進んでいるのなら,そちらの利用者から迷惑料金を取る方が差額が小さくて,トータル的な収入も多いと思います。
(本州四国連絡橋公団 高木 久)

 次世紀の大きな課題であるまちの活性化,地球環境問題とを結びつけて,風力発電に着目した苫前町の方々への慧眼に感服する.風力発電にも自由競争の波が押し寄せてきているようであるが,コスト執着のあまり新しい動きをつぶさないようにしたいものだ.
(大阪大学大学院 松村暢彦)

 地球温暖化などの地球環境問題の顕在化に伴い,風力発電などの自然エネルギーによる発電方式が注目されています.ヨーロッパでは風力発電がかなり導入されており,相当程度の商業運転が行われています.日本でも風力発電が盛んになりつつあるという話は聞きますが,最新のデータでは総電力量に対する風力発電の割合もデンマークの10%に対して,日本では0.03%であるそうです.
 この記事は,町おこしの一環としての風力発電プロジェクトについて,大変わかりやすく述べられており,とても面白く読ませていただきました.特に,日本とヨーロッパの違いはわかりやすく,風力発電を行っていく上での日本の課題は興味深く読ませていただきました.
 日本における風力発電のシェアを延ばしていくのは,規制緩和を含めいくつも問題があると思いますが,地球環境問題に対応していくためにも,一層努力していく必要があると思います.北海道苫前町の町おこしが成功することを願っています.
(運輸省港湾技術研究所 森屋陽一)

 エネルギー事業の一端に係わるものとして、非常に興味深く読ませて頂いた。確かに、国の補助金が増えたとしても火力及び原子力発電にはまだまだ発電単価では勝てない。また、技術的な面,メンテナンス,電力供給面でまだまだ課題が多く残されているものと考えられる。ただ、化石燃料を使ったエネルギーは確実に枯渇するわけで、また環境面でも問題となっている。そういった意味で、上記課題の解消及び技術力アップをはかるためにも現時点では多少割高にはなるけれども継続して事業を進めることが必要と考えている。
(中電技術コンサルタント(株) 佐々並敏明)

 巨大風車群の写真を見て、町おこしの熱意とクリーンな電力事業を組み合わせた苫前町の取り組みに、たいへんな驚きと賛辞を贈ります。
 この記事を読んで風力発電に興味を持ちました。早速インターネットで検索すると大量の検索結果にさらに驚きました。太陽光発電とともに無尽蔵な自然を利用した電力に対する関心の高さが伺えます。
 今回のような大規模風力発電には、適切な風況が必要なこと、電力買取にはハードルがあること、また、風車の回転に伴う騒音もあることも知りました。しかし、自分の住む団地(マンション)の中で、供用設備の電力を補助するモニュメント的な風力発電が手軽にできないものだろうか。実益を兼ねたコミュニティのシンボルとして普及すると思います。ただし高コスト、太陽光発電との競合などまだまだ技術的な課題は残っていると思いますが。
(鹿島建設(株) 大村惠治)

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