土木学会誌11月号モニター回答
石炭灰(フライアッシュ)を使用した地盤改良工法

 主に低品質のフライアッシュの用途開発として、FGC-DM工法を紹介し評価している報告ですが、この品質の差については国内炭や海外炭の種類に依存するとして書かれているように思います。私の知る限りは、近年のフライアッシュの品質低下は、低NOx燃焼法による未燃炭素(煤)の混入割合が増加したり、鉄分が多かったりするものの割合が増えたことを指すように思います。こうした点に触れられていないのが少し残念でした。しかし、本稿の趣旨通り、電力自由化で参入する企業も、当面は石炭火力を中心発電施設として考えているようであり、フライアッシュの用途開発は重要なテーマだと思います。
(伊戸川環境総合企画 伊戸川善郎)

 石炭灰というと、もう使えない廃棄物だというイメージを持っていました。それが、軟弱地盤を強固に変えることができる資源の一つだったとは、大変驚きました。 近年、有効利用、リサイクル、リニューアルという言葉が盛んに使われていますが、莫大な量の石炭灰が発生しているなかで、FGC-DM工法は大量に有効利用出来るという点で大変素晴らしい工法だと思いました。 これからは、さまざまな地盤に利用される研究だけでなく、様々な性質を持つ素材に利用出来るようになれば、処分場も不要になってくるのではないでしょうか。
(熊谷組 土木部 道村未佳)

 紹介されているように石炭灰は大量に発生しており、これらを地盤改良などに利用することは、資源の有効利用からも必要であると思います。今回、電源開発(株)橘湾火力発電所のポンプ場土留め工事での高強度改良の事例を読ませていただき、改めて有効性を認識いたしました。石炭灰は石炭の種類や燃焼条件によって物性が違うようで、これを利用するための研究・技術開発がなされており、環境にも配慮して、今以上に有効利用ができるよう期待いたします。
(愛媛大学工学部 二神 治)

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