土木学会誌8号モニター回答
バイオレメディエーションによる酸性土壌の緑化工法

 新聞などをみるとレポートで報告されているような有機をつかって生態系,環境の回復が適用事例が増えているようです.化学療法の反省からでしょうが,場合によっては生態系を崩壊させ,より深刻な状況になってしまうこともあるようです.今後の課題にあるように,他の生物との共生問題を十分に検討したうえで適用して頂きたいと思います.大きな期待をもっています.
(大阪大学 松村暢彦)

 バイオレメディエーションが汚染土の浄化に用いられているのは知っていたが、本レポートで紹介された事例のように土質改良的な適用例もあることを初めて知った。非常に将来有望な技術であり、こうした技術が海外の酸性雨対策として用いられるようになれば素晴らしいことであると思う。自然を対象とした技術開発は非常に難しいものと思うが、今後もこうしたパイオニア的な研究開発がどんどん出てくることを期待したい。
(大林組 西川直仁)

 バイオレディエーションの技術は、日本だけでなく、地球温暖化による砂漠化、酸性雨による土壌の酸性化等、世界中での緑化の修復に活用できる工法であり、地球の緑の減少を食い止める技術として今後の技術開発に期待したい。
(日本道路公団 伊藤孝広)

 酸性雨等によるあらゆる被害、障害が深刻な事態になってきていることは何年も前から知ってはいました。ただ、それが現在、どの程度にまで改良が進み、回復に到っているのかを知らずに、また気づかずに、日々、過ごしていたように思います。
 この記事を読んで酸性土壌の緑化対策に様々な手法による実験、改良がなされていることを知りました。それとともに自然生態系のなかで微生物が与える影響の大きさも知りました。  今後、解決しなければならない課題は多いものの、バイオレメディエーションを用いた緑化工法に大いに期待をしています。  
(熊谷組 土木部 道村未佳)

 本レポートは、酸性土壌に対して抵抗力のある微生物(耐性菌)を利用した緑化工法に関するものであるが、土木技術者にとってこれからますます、生態環境の知識が必要とされてくると思われるので、このようなレポートも積極的に学会誌に載せていただきたい。
(水資源開発公団 大島伸介)

 少し前のことだが、酸性化したスウェーデンの湖にヘリコプターで石灰を散布している写真を目にして、その風景の異様さに何となく鳥肌がったことを思い出した。
 酸・アルミニウム耐性菌の働きを借りて緑化するというこのリポートの試みは、非常に魅力的だ。本文中に掲載されていた実証実験状況の写真も、微生物による改良区部分の植物が青々と茂っている風景で、とても印象的であった。ただ、本格的にこの工法を行うためには「解決しなければならない課題は多く残されている」とあり、本文を読む限りでもそのことは容易に想像できる。
 しかしながら、生物や自然界本来の営みから解決をはかるという方向性には未来を感じる。多量の薬剤散布による弊害について耳にする機会も多い。今後の技術開発に期待したい。
(京都精華大学 角野有香)

 「土木」といえば世間一般に山野の開拓・自然破壊のイメージがありますがその汚名を払拭するような工法であると思います。将来的に施工事例が増えることを望みます。文章の組立て・理解を促す図・写真など非常に解り易い記事であったと思います。
(北海道大学大学院 修士2年 山口隆一)
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