土木学会誌6月号モニター回答

旧横浜船渠第2号ドックの再生

 今日「利益を永遠に期す」施設をつくるには。今も昔もプロジェクトに関わる誰もが、より良い施設を作りたいと考えている。だが時代の価値感が異なったり、ここで言う「目前の利益」にこだわらざるを得ない状況等、できない理由は様々である。しかし一番大きな理由は、恒川氏のような指揮者が少ないからではないか。今日の細分化された発注形式では指揮者が発注者であっても設計者や施工者、あるいはエンドユーザーである市民であってもかまわない。誰かが声を大にして音頭を取らなければ「利益を永遠に期す」ような施設づくりは古き良き時代の産物として風化する。 
 (株)大林組 後藤嘉夫

 見出しにもあるように、歴史的建造物をただ保存するだけでなく、まちづくりに活用することに成功したいい例だと思います。まだみなとみらい地区が開発中の時期に訪れたことがありますが、その頃から風格がある場所だったことを覚えています。設計者の「利益を永遠に期す」の意図は施設の長期使用であって、観光拠点としての活用は、たぶん本来の「利益」とは違う「永遠」ではないでしょうか。時代の流れを敏感に酌み取って臨機応変に対応された所有者および開発者の方々に大いなる尊敬の念を感じます。 
 本州四国連絡橋公団 林 昌弘

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