土木学会誌2月号モニター回答

橋梁マネージメントシステム

 本記事に記載されている内容については、我々が常に興味を持っていることであって、問題の現状把握と解決策が明確にかつ、素早く明示できればどんなにすばらしいことかと非常に関心がもてる内容であります。
 数式では、利得Bは、延命期間eの関数になっており、eが長くなれば利得は大きくなる結果が示されています。ここで、一番の問題となると思われるのは、補修により確実にe年の延命が期待できるという確からしさです。この橋梁マネージメントシステムを真に有意義なツールとして活用していくためには、現在までに採用された補修工法と施工実績(延命を何年可能にしたか)の記録の蓄積が最大限に生かされることと、今後もこの補修工法だと後何年の寿命が保証されるという確証を得るためのデータを積極的に収集し生かすことだと思います。
((株)熊谷組 坂部光彦)

 慢性的な道路渋滞はほぼ全国の都市に見られる。「不足商品」という概念で道路を捉えた佐藤氏の視点は大変ユニークである。
 経済投資と渋滞損失を金額に換算して経済論理を基に道路の充足を提案する。できれば非計測項目の数値化にもトライして、充足だけで不人気が解消されるのか論理展開してほしいと思う。また交通事故の生涯リスクが、ダイオキシンなど有害物質の生涯リスクよりはるかに高いことにも注目してほしい。
 例えば渋滞を全く解消するだけの道路を日本の現状に「供給」したら、どうなるであろうか。氏の論文はさまざまな問題点を投げかける意味で、各界で検討してほしい。
(CRC松島研究所 小川真一)

←戻る