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土木学会誌

委員会委員などの募集

13.コンクリート委員会「コンクリート構造物 のせん断力に対する設計法研究小委員 会」(3種委員会)の委員募集

応募締切日:平成22年3月31日(水)

コンクリート委員会では,下記の研究小委員会を発足させることになりました。積極的に活動に参加してくださる委員を募集します。奮ってご応募ください。なお,本委員会はコンクリート委員会3種委員会のため,委員会出席のための旅費等は支給されません。

・委員会名称

コンクリート構造物のせん断力に対する設計法研究小委員会(343委員会)

・委員長・幹事長

委員長:佐藤靖彦(北海道大学)
幹事長:田所敏弥((財)鉄道総合技術研究所)

・委員会設立の主旨と目的

コンクリート構造のせん断力に関する研究は,古くから取り組まれており,コンクリート標準示方書をはじめとした各種技術基準において,せん断力に対する設計法が示されている。しかしながら,設計実務の観点からみると,既存の設計法は,多種多様なコンクリート構造物に対し,その性能を十分に引き出せるような設計体系とはなっていない。たとえば,実構造物の形状は様々であるが,現状では,断面を矩形に置き換え,矩形断面を有する棒部材のせん断耐力式により耐力を算定しており,支持条件については,固定または可動と明確に区分することが難しく,かつ,複数の部材が連結される場合においては,連結部の配筋のディテールにその固定度が依存するにも関わらず,それらの影響を適切に考慮できない。また,地震時においては,構造物には交番の繰返し荷重が作用するが,繰返しに伴うせん断耐力の低下機構が未だ明らかにされていないため,現状の耐力に基づく部材の設計では,軸方向鉄筋の降伏を許容せず,十分な安全度を確保するといった簡易な方法を用いるにとどまっている。さらに,これまでのせん断力に関する研究は,主としてせん断耐力にのみ注力されてきたが,今後,設計法の合理化を図るためには,せん断耐力に加え,せん断耐力式に対応した作用のモデル化や有効幅の設定方法に関する議論を深める必要がある。また,最近では,部材断面の縮小化や簡素化を目的に,高強度材料(鉄筋,コンクリート,短繊維)を適用する場合が増えつつあるが,高強度材料を用いた構造物のせん断力に対する合理的な設計法は整備されているとは言えず,それゆえに,高強度材料の適用範囲を狭めたり材料開発の発展を阻んだりしているといった側面がある。
そこで,本委員会は,研究者と設計実務者が互いの知識,経験,かかえる問題点を共有し,コンクリート構造物のせん断力に対する耐荷・破壊機構の解明および設計法の合理化に資する調査研究を進め,最終的には,今後のコンクリート構造物の設計実務および研究開発に有用な研究の方向性を示すべく活動する。

・調査研究課題

具体的には以下の項目について取り組む予定である。
(1)コンクリート構造物のせん断力に対する設計法の整理と設計実務上の課題抽出,および今後の研究の方向性の提示
(2)最近のコンクリート構造のせん断耐力に関する研究の調査研究
・断面形状や支持条件等,実構造物の設計を意識した研究
・画像解析等,新しい手法の適用に関する研究
・非線形FEM解析等による耐荷機構の解明に関する研究
(3)最新の高強度材料を用いた部材のせん断耐力に関する研究の調査研究

・活動方法

活動はE-mailと2ないし3ヶ月に一回程度開催される委員会を通じて行います。活動の期間は,第1回目の委員会(平成22年4月を予定)からの2年間です。

・応募方法

本委員会に委員として参加希望の方は,氏名,所属,連絡先,取り組みたい調査研究課題を,田所((財)鉄道総合技術研究所)まで,E-mail(アドレス:tadokoro@rtri.or.jp)にてお送りください。
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