土木学会誌
本部行事

「アフガニスタン国土復興ビジョン検討懇談会」報告会 開催案内〜《復興ビジョン試案》現地発表と調査の報告〜

20年に及ぶ戦乱の末,壊滅的となったアフガニスタンの国土と国家機 関の復興には,2006年までの5年間に102億ドルの資金を要するもの と見られている.先の復興支援国際会議では,教育・保健・インフラ整備 など,復興の鍵となる優先分野が確認され,各国・援助機関から総額45 億ドルに上るプレッジが行われた.現在,各国・国際機関が復興支援のた めの具体的な方策を模索中であるが,支援対象が多分野・多地域に及び, また支援主体が多国・多機関にわたるため,散発的・非効率的な支援に 陥らない配慮が重要である.そのためには,支援国・国際機関・NGOが, 当事国政府・国民とともに,アフガニスタンの国土復興に関する基本理 念・ビジョンを共有することが不可欠であり,その策定が急務となってい る.
国土復興の理念・ビジョンは,もとより,アフガニスタン国民自身が定 めるべきものである.アフガニスタン暫定政権は,先の復興支援国際会議 に向けて作成したナショナル・ディベロップメント・フレームワーク (NDF)の中で,復興・開発の指導理念を明らかにしており,さらに具体 的な復興のビジョン作りに取り組んでいる.わが国は,第二次大戦後の復 興を経験した数少ない支援国として,また同じアジアの一員として,この ようなアフガニスタン国民の「国土復興ビジョン」の策定努力に対し,側 面から積極的な貢献を果たすべき立場にあるものと思われる.
このような認識から,土木学会は,専門家集団からなる新しいタイプの NGOとして,このようなわが国のアフガニスタン復興支援の一翼を担う べく,「アフガニスタン国土復興ビジョン検討懇談会」を発足させ,国土 計画,地域づくり,インフラ整備などの専門的立場から「復興ビジョン試 案」の検討を進めてきた.「試案」は,土木学会の専門性から,主として, NDFの掲げる3大重点方策のうちの第2方策,すなわち物的インフラの 再建にかかわるものである.
土木学会は,こうしたアフガニスタン復興支援活動の一環として,本年 9月21日から4日間,アフガニスタン都市開発住宅省がカブールにおい て開催した“International Conference on Kabul and the National Urban Vision"を,米国アフガン技術者協会,カブール市,カブール大学 および国連ハビタートとともに後援者としてバックアップするとともに, 「懇談会」より7名の代表団を派遣した.代表団は,上記会議において 「試案」の発表を行い,参加者と幅広い意見交換を行ったほか,別途カブ ール大学と二度にわたり「試案」の内容に関する詳細な協議を行い,また 広範な現地調査を行った.さらに,アフガニスタン政府関係者を始め,国 連,世界銀行,アジア開発銀行,JICAなど援助関係者に対して「試案」 を広く配布するなど,土木学会の支援活動に対するPRにも努めた.こう した土木学会の支援活動は,「試案」の内容とともに多くの関係者から絶 大な好評を博した.今回,下記の要領で「試案」の内容と現地調査の説 明を行う報告会を開催することとしましたので,多くの方々に奮ってご参 加いただきたく,ご案内申し上げます.

1.開催日時 12月19日[木]15:00−17:00
2.主催 土木学会アフガニスタン国土復興ビジョン検討懇談会
3.場所 土木学会 講堂(新宿区四谷1丁目無番地 外堀公園 内,JRまたは地下鉄丸の内線,南北線「四谷駅」下車,徒歩3分)
4.定員 100名
締切日前に定員に達することがございます.その際は締 切らせていただきますのであらかじめご了承ください. ただし,定員に余裕がある場合は,当日会場にて受付 いたします.
また,お申込み後,やむを得ずキャンセルされる場合 は,ご連絡お願いいたします.
5.参加費 無料
6.申込方法 E-mail(kuma@jsce.or.jp)またはFAXにて参加さ れる方のご氏名,ご所属,連絡先(住所,電話番号, FAX番号,E-mailアドレス)を記載のうえお申込み願 います.追ってE-mailまたはFAXにて確認証をお送り いたします.
7.申込締切日 12月13日[金]
8.申込・問合先 土木学会事務局国際室(熊谷)
〒160-0004 新宿区四谷1丁目無番地
TEL 03-3355-3452/FAX 03-5379-2769
E-mail:kuma@jsce.or.jp
9.プログラム
14:30受付開始
15:00−15:05開会挨拶
土木学会 会長:岸 清(東京電力(株)顧問)
15:05−16:00「アフガニスタン国土復興ビジョン」
座長:西野文雄(政策研究大学院大学教授)
16:00−16:55「アフガニスタン現地調査報告」
幹事長:角川浩二(埼玉大学教授)
16:55−17:00閉会挨拶
土木学会副会長・災害緊急対応部門理事:田ア忠行
((財)道路システム高度化推進機構専務理事)

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