構造工学委員会
設計基準体系における安全性照査ガイドライン研究小委員会(2012.3〜)


活動目的

構造工学委員会では,近年重点活動として土木構造物共通示方書T・Uを出版し, さらにLCM委員会を立ち上げている.LCM委員会では,コンクリート・鋼など材料別に組織 されたWGとともに信頼性WGの活動などを通じて,耐力・作用の各分野で従来縦割り的に議 論されてきた,構造物の耐久性や設計供用期間,目標信頼度などを総括的にまとめる問題 意識ももたれている.こうした一連の活動の流れを通して,作用と耐力の総合化をはかる とともに,それを示方書や基準類の体系の充実に結び付けていくことが,時宜を得た課題 として浮かび上がる.
一方,従来より国際標準ISO2394に整合した設計基準の改訂が,土木学会でも行政でも課 題となっており,国土交通省が2002年に策定した「土木・建築にかかる設計の基本」では, 各種の設計基準は「要求性能を満たすことの検証方法として信頼性設計の考え方を基礎と する」べきことを最初に述べている. ISO2394では,安全性を定量的に照査することが規 定されているので,学会で今後改訂をはかる示方書や設計基準類においても,安全性を含 む性能照査の信頼性を定量的に評価できる内容が必要である.しかし,基準改訂がこうし た方向に進むことが,設計技術の進歩に有効に結びつくためには,基準作成者,設計者が ともに安全性の定量化が照査内容にどのように反映されるかについての十分な知識を共有 することが必要である.
このような課題に対し,土木学会からしかるべきガイドラインを発刊することで,各種設 計基準を改訂する際の指針として活用でき,また,各種設計基準間の安全性照査方法に統 一性を持たせ,整合を図ることが可能となる.本小委員会は,そのガイドラインに記載す べき内容についての討議を重ね,将来のガイドライン発刊を目指す.


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