鉄道力学論文集

査 読 要 領

 

1.査読の目的

 鉄道力学論文集は,将来の鉄道の有るべき姿とその発展を目指して,研究,開発,調査の成果を分野横断的に議論し,この分野の学術の進展に資することを目的としております.査読は,投稿原稿がこの「鉄道力学論文集」の論文等として相応しいものかどうかを厳正に判定する資料を得るために行います.査読によって見出された疑義や不明な事項については著者に修正を求めることができます.その場合においても,論文等の内容に関する一切の責任は著者が負うべきものであり,その価値は一般読者が判断すべきものです.査読者の主観や好みを読者に押し付けたり,原稿の体裁や書き方の完璧を期待するあまり,鉄道分野の学術や技術の進展に寄与する原稿を逃すことのないように配慮してください.

 

2.査読者

 査読は鉄道力学連絡小委員会論文等編集委員会(以下編集委員会)が指名した査読者が行います.原則として投稿原稿1編につき3名の査読者が選定されます.(査読者の氏名は当該の鉄道力学論文集に一括して公表されます).

 

3.投稿原稿区分

 シンポジウム論文集には1)論文,2)報告,3)招待論文の区分を設け,論文と報告についてはそれぞれの区分の性格に沿った査読を行います.

1) 論文は理論的,実証的な研究・技術開発・調査の成果,あるいはそれらを統合した知見を示すもので,独創性があり論文として完結した体裁を整えているもの

2) 報告は様々な調査・計画・設計・施工・現場計測などの報告で,鉄道工学の進展上有益な情報を含むもの 

3)招待論文は編集委員会が講演を依頼した鉄道力学関連分野の専門家による論文で鉄道工学の進展に関わる展望,提言,課題の指摘等を含むもの

 

4.査読の方法

 査読者は,投稿原稿が「3.投稿原稿区分」のいかなる位置づけにあたるかを踏まえ,鉄道力学の進展に寄与する内容があれば,これを積極的に評価するよう配慮してください.具体的には以下に示すような個別評価項目のいずれかに該当する場合がこれに相当します.

 

 @ 研究の主題に独創性がある.

 A 研究・調査・施工の内容,手法に独創性がある.

 B 困難な研究・調査・施工を成し遂げた貴重な成果が盛り込まれている.

 C 歴史的に価値のある発見・知見と認められる.

 D 当該分野での研究や技術の体系化をはかり将来の展望を与えている.

 E 問題の提起,試論またはそれに対する意見として有用である.

 F 研究方法,研究成果の表現に有用性がある.

 

 また以下に示すような個別評価項目に該当する場合は,その投稿原稿には問題があると判断してください.

 @ 問題意識・課題設定が適切でなく,独立した論文・報告とは認めがたい

 A 基本的な用語の概念,分析の枠組みなどが適切でない.

 B 論文・報告として構成上の体裁が整っていない.

 C 既往の研究・調査との関連性が明確でない.

 D 引用,参考文献の取り扱いが適切でない.

 E 文章および図表の表現が適切でない.

 F 論拠とする資料の信頼性に乏しい.

 G 論旨の明確性に欠ける.

 H 都合のよい資料のみ利用して議論が進められ,明らかに公正を欠く記述がなされている.

 I きわめて偏った先入観に囚われ全体が独断的に記述されている.

 J 理論的または実証的な内容でなく,単なる主観が述べられているに過ぎない.

 K 政策的な意図,あるいは宣伝の意図が極めて強い.

 L シンポジウムの方針・目的にそぐわない.

 

5.評  

 査読者は,上記の個別項目に照らし合わせて,以下の3段階の総合評価を行ってください.

 A:ぜひ登載すべきである.

 B:登載してもよい.

 C:登載すべきでない.

 論文・報告に関わる上記の判定は,評価できる項目や問題点の多少によるものではなく,若干の疑義や疑問点があっても当該分野の学術や技術の進展に寄与する内容があれば登載を認める方向で配慮してください.その内容につきましては全体講評欄に記入してください.

 なお登載可否の最終判定は,査読結果に基づいて編集委員会が行います.