睦好 宏史 委員長 ご挨拶






構造工学委員会委員長
埼玉大学大学院理工学研究科
環境科学・社会基盤部門 教授
睦好 宏史

日野伸一九州大学教授のあとを受けて、今年度より構造工学委員会委員長を務めます。現在、埼玉大学大学院理工学研究科 環境科学・社会基盤部門に所属しており、建設材料、鉄筋コンクリート構造、耐震、橋梁、新材料などの教育・研究を行っています。2011年3月11日に発生した東日本大震災では、未曾有の被害をもたらし、いまだに多くの方が不自由な生活を強いられています。1日も早い復旧・復興をお祈りします。

さて、最近我が国の社会インフラの老朽化が大きな問題となっています。2012年に起きた笹子トンネル天井板落下事故では、経年劣化による老朽化が主な原因であると言われています。また、橋梁の老朽化も深刻で、高速道路、鉄道橋はもちろん、国や地方自治体が管理する橋梁の長寿命化対策が盛んに行われています。このようなことを背景にして、構造工学委員会では、「土木構造物のライフサイクルマネジメント研究小委員会」を立ち上げ、社会インフラの耐久性・安全性について検討を重ねてきました。さらに、本年度より「橋梁の維持管理システム研究小委員会」を立ち上げ、橋梁すべてを対象にした維持・管理のあり方について検討しようとするものです。

今期の構造工学委員会では、上記の委員会活動に加えて、次世代を担う中高校生を対象とした構造工学に関する出前講義や、国際貢献を目的とした留学生や外国人技術者を対象とした講義・実習などの教育活動を行います。また、2010年に刊行しました「土木構造物標準示方書(共通編、作用・荷重編)」の改訂に向けた新たな委員会を発足いたしました。研究小委員会は今期、7つの小委員会活動を計画しています。新たな小委員会設立の提案や委員としての参加は随時公募していますので、会員の皆様には、是非とも積極的な学会活動への参加をお願いしたいと存じます。

構造工学委員会は、これからも社会のニーズに対応した構造工学に関わる諸問題についての調査研究活動を通じて、社会貢献、国際貢献に寄与して参ります。会員の皆様方には、今後ともより一層のご支援、ご協力のほど、お願い申し上げます。