周知のように、わが国の廃棄物等の処理は社会問題にまでなっております。 特に、首都圏では、年間約1億m3の廃棄物等が発生しており、 現行の内陸埋立はいうまでもなく、海面埋立による処理方法は空間的にも限界といわれ、 早急な現実的解決方策が求められています。 一方、海域においては環境問題も深刻化しており、 環境を守ると共に環境をつくり上げる社会的要請も高まっています。 本研究では、増大する廃棄物等を有用な資源と捉え、 この資源を環境創造に活用することを目的として、 これまでの平面的埋立に代わる立体的盛土方法、 海域の浄化・自浄作用および藻魚類等の促す埋立地の規模・形状・環境、 埋立地の地表部全体を覆う森林の造成方法等の技術の検討・開発に加え、 実現化方策プログラムの提案を研究内容としています。 これまで、開発と環境は相反する概念でありましたが、 本研究をとおして両立の可能性を社会に問うことができればと考えております。
○これまでの活動状況
平成4年7月に土木学会土構造物および基礎委員会(現:地盤工学委員会) のもとで「LANDFILLによる新しい水辺空間創造研究小委員会(委員長:嘉門雅史)」が発足し、 現在社会的な緊急テーマとなってきている廃棄物の処理・処分の問題を、 大規模埋立による海域環境創造という新しい発想のもとでの克服を目指して研究活動が開始され、 本研究グループの原形が形成されることとなりました。
当該小委員会では、研究テーマにおける問題の所存が広範囲にわたるため、 学・官・民それぞれ幅広い分野の専門家を共同研究のメンバーとし、 初期の研究活動としては研究会における各メンバーからの話題提供ならびにより 広い知識を得るための外部講師による講演を頻繁に実施し、 研究メンバーの知見の拡大とコンセンサスの形成に努めました。
平成7年10月には、当該小委員会の研究活動の成果として、 主旨で述べられたコンセプトに基づく構想計画「LANDFILL島構想」を報告書として作成するとともに、 一般参加のフォーラムによってその内容を提言し、 マスコミ等にも取り上げられるなどの反響を得るところとなりました。
また一方では、当該構想に対する疑問の声もあり、特に生態系をはじめとする環境改善の実現性や、 廃棄物処理の安全性、超長期事業としての事業化方策や現行法制度とのギャップ等の問題が大きい課題であると指摘を受ました。 このような状況を踏まえて、土木学会地盤工学委員会では、 平成8年度を初年度とした上記小委員会の研究を継続する目的での新規小委員会を設置するとともに、 新たに海洋環境・景観・法制度・経済等の専門分野のメンバーを強化し、 構想の実現化を目指した課題の克服に向けての研究活動を継続しております。
○今後の活動予定
当小委員会では、「LANDFILL構想」実現化に向けての重要な課題である 「人工島建設における環境創造の可能性と評価の問題」ならびに「事業化の方策」に着目し、 これらの課題の克服を主眼においた調査・検討を中心に研究活動を続ける予定でおります。
なお、研究の成果については、平成10年度〜11年度にかけての開催を考えているフォーラムあるいはシンポジウムで、 広く一般への発表を予定しております。
○小委員会メンバー
委員長 横内 憲久 日本大学 委 員 石川 浩 (財)リバーフロント整備センター 委 員 稲森 悠平 環境庁 国立環境研究所 委 員 及川 研 運輸省 港湾局 委 員 片岡 真二 (財)港湾空間高度化センター 委 員 金谷 守 (財)電力中央研究所 我孫子研究所 委 員 嘉門 雅史 京都大学 防災研究所 委 員 木村 保 川崎製鉄(株) E/D 建設事業部 委 員 倉田 学 (株)日経リサーチ 委 員 嶋村 貞夫 (株)鴻池組 土木本部 委 員 清水 惠助 東京都 港湾局 委 員 末岡 徹 大成建設(株) 技術研究所 委 員 砂川 孝志 建設省 河川局 委 員 竹中 秀夫 関西電力(株) 委 員 田中ゆう子 東亜建設工業(株) 委 員 長坂 勇二 (株)ジオジャイロ 委 員 早川 哲夫 厚生省 生活衛生局 委 員 東 恵子 東海大学短大 委 員 平島 繁 鹿島建設(株) 建設総事業本部 委 員 堀野 裕司 (株)建設企画コンサルタント 委 員 松本 隆夫 東洋建設(株) 委 員 水野 正博 パシフィックコンサルタンツ(株) 委 員 丹野 光明 日本開発銀行 委 員 山田 耕三 (株)日建設計 土木事務所 幹 事 岸田 豊 五洋建設(株) 技術本部○当小委員会についてのご意見やアドバイスがございましたら下記までご連絡ください。
委員長 横内憲久 E-mail : yokouchi@ocean.est.nihon-u.ac.jp 幹 事 岸田 豊 E-mail : kishy@penta-ocean.co.jp