基礎水理シンポジウム2017 「乱流研究クロスオ-バー:流体物理学から水理学まで」


主催: 公益社団法人 土木学会 水工学委員会 基礎水理部会
日時: 2017年12月06日(水) 10:20-17:25
会場: 土木学会 講堂(東京都新宿区四谷一丁目 外濠公園内)
定員: 120名
CPD単位: 5.3単位(認定番号: JSCE17-1073)
参加方法: 当日会場にお越しください。
参加料: 無料

 

 「ながれ」を知ること、これは水工学の最も大切なベースであることに疑いの余地はありません。近年の巨大災害の頻発化、水環境問題の深刻化等の諸問題の根源にあるのは、水や土砂などの「ながれ」であり、これを支配するのは古典的な力学です。この一見クラシカルな力学の世界は、ながれが「乱流」となると途端にそれは深淵となり,底知れぬ未知の世界が広がります。ながれの非線形性と散逸性が紡ぐ乱流の姿は、時として神秘的で美しく、われわれを魅了してやみません。

 水工学の最近の研究は、災害、環境などの喫緊の課題に速やかに応え、現実的な対応策を提示し、社会に貢献することを是とするトレンドにあり、もちろんこれは研究者・技術者の大切な役割です。しかし、実務的な課題に追われ、様々な事象の根底に潜むながれ(乱流)の面白さや不思議さは置き去りにされがちです。しかし、このような時流だからこそ、今一度原点に立ち返って、その美しい世界に純粋な目を向けてみるべきではないでしょうか。そのような視点から改めて事象を捉え直すことが、複雑な災害現象を解明するブレークスルーを生み出す契機になるかもしれません。

 今回の基礎水理シンポジウムでは、流体物理学から水理学に渡る様々な学問分野でシャープに切り込んだ乱流研究を精力的に行われている6名の講師をお迎えし、最新の研究成果について解説いただきます。土木分野以外の方々の講演が過半数を占めており、乱流の新しい世界を知る格好の機会となるに違いありません。この度の基礎水理シンポジウムが、皆様の好奇心を刺激し、研究の視野を拡げ、また現在取り組まれている課題に対して新たな視点をもたらす好機になることを確信しております。

 時節柄ご多忙のこととは存じますが、お誘いあわせの上、奮ってご参加いただきたく、ご案内申し上げます。

 Flyerはこちら。要旨集はこちら。

10:20-10:30 開会挨拶:木村 一郎(土木学会 基礎水理部会 部会長/北海道大学)
   
10:30-11:10 岡本 隆明(京都大学 大学院工学研究科 社会基盤工学専攻 助教)
植生流れの乱流構造の遷移・発達過程と組織渦の3次元構造について 【要旨】
   
11:10-12:20 【基調講演】
河原 源太(大阪大学 大学院基礎工学研究科 非線形力学領域 教授)
矩形ダクト乱流の二次流れ 【要旨】
   
13:30-14:40 【基調講演】
佐野 雅己(東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻 教授)
層流・乱流転移と有向パーコレーション相転移 【要旨】
   
14:40-15:20 鵜崎 賢一(群馬大学 大学院理工学府 環境創生部門 准教授)
Langmuir循環流の形成機構と湖沼・沿岸域の水質環境における影響 【要旨】
   
15:40-16:30 井上 道雄(Mathworks Japan)
Wall-modeled LES applied to the flat-plate turbulent boundary layer 【要旨】
   
16:30-17:20 岩山 隆寛(神戸大学 大学院理学研究科 惑星学専攻 准教授)
地球大気における大規模・中規模乱流のエネルギースペクトル 【要旨】
   
17:20-17:25 閉会挨拶:杉原 裕司(土木学会 基礎水理部会 副部会長/九州大学)
お問い合わせ先: 土木学会 研究事業課(担当:松沼)
Tel: 03-3355-3559  Email: matsunuma_AT_jsce.or.jp
   
横嶋 哲(基礎水理部会 幹事/静岡大学)
Email: yokojima_AT_shizuoka.ac.jp

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