環境水理部会研究集会報告

 恒例となった環境水理部会研究集会が,平成10年3月1617の両日,関西地区大学セミナーハウスにて開催された.今回の集会の第一の目的は、今後活発化するであろう(またはせざるを得ない)現地観測の実施方法に関して情報交換を行うことである.また第二の目的は、環境水理という学問分野の方向を今後どのように考えていったらよいか、という点に関して意見交換を行うことである。

 今回話題を提供された方々は次の通りである.

「現地観測の実際」

大久保賢治(岡山大) 琵琶湖北湖の濁水貫入現象
菅 和利(芝滞工大) 多摩川での水質の日変化
松尾 直規(中部大) 蓮ダム貯水池における水質制御フェンスの効果
佐々木幹夫(八戸工大)馬淵川の塩水遡上調査
藤田 正治(京都大) 階段状河床の変形についての現地観測
大成 博文(徳山高専)水環境改善とマイクロバブル発生技術
澤本 正樹(東北大) 森林域における
CO2濃度変動の実測
横山 勝英(東京工大)七が宿貯水池の懸濁物質
井伊 博行(和歌山大)深部地下水の採水および原位置測定について
石塚 正秀(大阪大学)連続画像観測による明石海峡における潮目の実態把握

「水環境研究の展望」

馬場 仁志(開発土研)魚類等の生息環境における流れの多様性
小松 利光(九州大) 人と自然
石川 忠晴(東京工大)自然科学と環境学の違いについて
佐藤 直義(建設省) 新河川法と河川環境計画

 今回の集会では,研究成果の発表だけでなく、通常の学会発表などでは表れない「工夫」や「苦労」等についても話題の提供がされた.また,河川法の改正や環境アセスメント法の成立を期に、この分野の研究の方向も変化することが予想され、このことについて熱っぽい議論が交わされた.

 今回の集会は,以上のような雰囲気のもと,多数の参加者を得て成功裡に終わった.


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