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    土木学会 環境システム委員会ニュースレター

        Vol.16 No.1 2003.7.15 発行  

                     

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          発行:(社)土木学会 環境システム委員会

          〒160-0004 東京都新宿区四谷1丁目無番地

           Tel : 03(3355)3559 Fax : 03(5379)0125

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目 次 

1.環境システム委員会(第9期)委員長に就任して 委員長 松岡 譲

 

2.幹事長就任にあたって 幹事長 森口祐一

 

3.第16回環境システムシンポジウム「沿岸域の賢明な利用に向けた複眼的アプローチ」 開催報告 細川恭史

 

4.お知らせ

 ・第31回環境システム研究論文発表会開催のご案内

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1.環境システム委員会(第9期)委員長に就任して

          環境システム委員会委員長 松岡 譲(京都大学

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 本年3月半ば、井村委員長より今期の委員会を引き受ける旨お話がございました。大変重責でありその任に耐えないとは考えましたが、委員の皆様方のご支援もいただけるとのことで、引き受けさせていただくこととしました。

 委員会の最初でかつ最も重要な役目は、委員のお願いと幹事長の確定であります。幹事長につきましては、井村前委員長ともご相談させていただき、国立環境研究所の森口祐一氏にお願いすることとしました。改めてご紹介する必要はございませんが、森口氏は社会システムを循環する物質やエネルギーの定量的取扱いに関し、我国を代表する研究者であり、また交通を原因とする大気汚染問題にも多大の成果を挙げて来られた研究者であります。引き続き井村先生、前期幹事長細川恭史さん、前々期幹事長である原沢英夫さんとも相談しながら、今期委員会体制をかためました。表 に記すものがそれです。

 さて、せっかくの機会でありますから、システム委員会に関して若干の所信を述べさせていただきたく思います。

第一は、土木学会における環境システム委員会の役割であります。本委員会が目指すところは、これまでにも折にふれて語られておりますように、「環境を人および人の生活する社会との関連のもとでシステムとしてとらえ、社会と環境の基礎づくりをシステム面から実現する学問を樹立すること」にあります。こうした理念は現在においては全く異論ありませんが、委員会発足前後においてはいくつかの異論もあった由、聞いております。過去30年間の間、一貫し社会との関わりにおいて都市環境施設や環境技術を見つめてきました環境システム委員会は、その先見性において大変卓越したものがありましたが、その経緯は仕伏多いものでありました。私はこの仕伏をネガティブな意味で受け取っているわけではなく、我が委員会がほこる“勲章”の意味で言っているのですが、そうした時期に感じておりました学問の地平を走るものとしての確かな手ごたえをもった高揚感と開放感は、当環境システム委員会の大きな特徴であると考えております。

次に、環境システムの理念・考え方自体が、現在に至りようやく土木分野あるいは広く社会全般に支障なく受け入れられるようになってきたことは、今述べたところでありますが、こうした背景を受け、理念の実体的基礎を策定・明確化する重責がわが委員会にますます掛かってきております。言い変えるならば、環境システムの具体を危なかしさを持たず、安定感と成熟さを持って語ることであります。その際、何が成熟しているのかが問題となります。先に「環境システム」に関するテキストを発刊した時には、委員会内で喧々諤々の議論を行いましたが、環境システムの具体を語る作業は実際には多くの困難を伴います。また、時代の背景を受けつつも、先見性と現時代としての現実性を保ち続けることは往々にして矛盾することでもあります。

 これらのことはいずれも環境システムと言った学問領域が本質的に内包する性質でもあります。諸先輩はこうした課題を乗り越えてこられましたし、我々はそれらを一層進展させなければなりません。

皆様方の更なるご支援とご協力をお願いする次第であります。

 

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2.幹事長就任にあたって

          森口祐一(国立環境研究所)

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このたび、第9期環境システム委員会(20034月から20053月まで)の幹事長を仰せつかりました。どうか宜しくお願いいたします。最近、若手研究員の採用などにあたって、書かれた抱負を読む機会は少なくないのですが、自分が抱負を書く機会はほとんどないように思います。とはいえ、言い訳とお詫びが先に出そうな状況であり、気の利いた抱負が書けないのがいささか残念です。

過去数期にわたり、委員兼幹事を続けて務めておりましたが、第8期は、所属機関が独立行政法人に変わって最初の2年間にあたったこともあり、本委員会の活動から遠ざかっていた感があります。今期委員長の松岡先生から幹事長への就任を打診された際、このブランクの後で勤まるだろうか、という点がまず気懸かりでした。また、数多くの責務を掛け持ちしているが故の危うさを抱えており、委員会運営の一角を担うことの重責に耐えうるかどうか迷いもありました。しかし、多くの経験豊富な先生方が支えてこられた委員会が、自分一人の役の務まり具合でどうかなると考えるほうが僭越であると思い、委員長からのお誘いを受けさせていただくこととしました。「仕切る」役割は年齢相応か、ややそれより多めに経験してきたように思いますが、その中で性急かつ率直に物を言い過ぎる性向を身に付けたように自覚しており、自我が出過ぎないように、委員会運営に尽力してまいる所存です。

論文審査のスケジュールとの兼ね合いから、第9期のスタートとなる第1回委員会が例年より約1ヶ月早い414日の開催となったため、前期からの引継ぎ、委員の交代がやや慌しい中で行われることとなり、関係者の方々には早速ご迷惑をおかけすることとなってしまいました。第1回委員会後、学会内の他委員会とのリエゾン委員の確定・交代や幹事の追加などの微調整を行い、610日の第1回幹事会に報告した委員会の最新構成を別表に示します。

委員会の活動は、例年どおり、環境システム研究論文発表会、環境システムシンポジウム・地域シンポジウムの開催、広報活動、出版活動、研究小委員会活動などから構成されます。これらを担う小委員会として、論文審査小委員会(原沢英夫委員長)、環境評価小委員会(盛岡通委員長)、記念出版小委員会(二渡了委員長)を設けています。委員会の中核行事となる研究論文発表会について、今年度は102425日に北九州市で開催予定ですが、昨年を大幅に上回る数の論文投稿をいただいております。昨年度の発表会での30周年記念企画の記録や、環境システム研究の最近の歩みをまとめた出版物のとりまとめも今年度の重要な課題の一つです。

環境問題の性格から、学会内の他委員会との交流、他学会との交流、行事の一般市民への公開など、「開かれた活動」の推進が、当委員会の活動を特徴づける一つの方向となると思われます。広報活動はこれを支える重要な柱であり、ホームページやメーリングリストによる情報提供の充実を図っていく計画です。ニューズレターの定期的発行もその一環ですが、この幹事長就任挨拶の筆の遅さが、本号の発行の遅れにつながったことについては、お詫びのしようもありません。

委員会活動の発展・充実のため、みなさまの積極的・建設的な提案・参加をお願いいたします。また、活動に関するご意見やご注文がありましたら、お聞かせください。皆様のご協力を切にお願い申し上げます。

 

連絡先:〒305-8506 茨城県つくば市小野川16-2 独立行政法人国立環境研究所

電話 :029-850-2540FAX029-850-2572E-mailmoriguti@nies.go.jp


平成1516年度環境システム委員会 構成

委員区分

氏名

勤務先

顧問

顧問

顧問

井村秀文

盛岡 通

森杉壽芳

名古屋大学

大阪大学

東北大学

委員長

幹事長

委員

委員

委員

委員

委員

委員

委員

委員

委員

委員

委員

委員

委員

委員

委員

委員

委員

委員

委員

委員

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

委員兼幹事

松岡 譲

森口祐一

青木伸一

奥田隆明

加藤博和

金子慎治

川上智規

川原博満

後藤尚弘

後藤光亀

近藤隆二郎

笹谷康之

島岡隆行

清野聡子

土屋十圀

中村圭吾

西森基貴

細井由彦

松尾幸徳

松崎浩憲

安田登

松梨史郎

天野耕二

一ノ瀬俊明

大野栄治

片谷教孝

鎌田磨人

城戸由能

巻峰夫

東海明宏

中山正与

那須 守

橋本征二

花木啓祐

原沢英夫

藤田壮

藤原健史

二渡 了

古米弘明

細川恭史

松藤敏彦

松本 亨

京都大学

国立環境研究所

豊橋技術科学大学

名古屋大学

名古屋大学

広島大学

富山県立短期大学

神奈川県環境科学センター

豊橋技術科学大学

東北大学

滋賀県立大学

立命館大学

九州大学

東京大学

前橋工科大学

土木研究所

農業環境技術研究所

鳥取大学

トーニチコンサルタント

建設技術研究所

東京電力

電力中央研究所

立命館大学

国立環境研究所

名城大学

山梨大学

徳島大学

京都大学

八千代エンジニアリング

産業技術総合研究所

東北工業大学

清水建設

国立環境研究所

東京大学

国立環境研究所

東洋大学

京都大学

北九州市立大学

東京大学

国土技術政策総合研究所

北海道大学

北九州市立大学

 

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3.第16回環境システムシンポジウム「沿岸域の賢明な利用に向けた複眼的アプローチ」

          開催報告 細川恭史(国土技術政策総合研究所)

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1) 開催日時   : 平成15514日(水) 午後1時〜5時半

2) 開催場所   : 土木学会講堂

3) プログラム概要:5名の講演と討議

 

       環境システム委員会委員長挨拶

       講演

(1)             国土計画からの沿岸域利用の論点(国交省 国土計画局 川上征雄)

(2)             沿岸防災とハザードマップ(港空研 富田孝史)

(3)             リモートセンシングによる沿岸域の動態把握(通総研 児島正一郎)

(4)             京浜臨海部の再編整備(神奈川県 商工労働部 鈴木富男)

(5)             沿岸域保全環境保全・回復システムの課題(国総研 細川恭史)

討論(司会:国総研 鈴木 武)

 

4) 参加者    : 23名(建設会社等7,コンサルタント3,研究所6,大学1,行政2

5) 討議     : 

沿岸域計画におけるサブシステムの建て方と地理情報システムの活用、多様な災害に関する個々のハザードマップ(防災計画)の重ね合わせ方、臨海部の産業構造の変化に対応した国−首都圏−地域と言ったレベル毎の計画、臨海部の活性化と自然共生概念、防災と自然共生との齟齬などについて討議が行われた。

6) 今後の課題  : 

@     シンポジウムの議論: 土木学会環境システム委員会ホームページにて概要紹介。

A     沿岸に関連する既往3シンポジウムの記録: 各著者のご了解を得た後、配付資料のコピーを、白表紙を付けて簡易製本(くるみとじ)し、希望者に配布。100部程度の作成。HP上に掲載することも検討。表紙のイメージは、「3つのシンポジウム名の羅列+『の記録』+印刷の年月+土木学会環境システム委員会」。

     第7回地域シンポジウム「環境財としての河川−内湾系のあり方を考える」−三河湾修復の視点− 平成10年1月23日豊橋市

13回環境システムシンポジウム「沿岸域における開発と環境保護の調和」 平成11年4月30日横須賀市

第16回環境システムシンポジウム「沿岸域の賢明な利用に向けた複眼的アプローチ」 平成15年5月14日東京都  

 

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4.お知らせ

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 第31回環境システム研究論文発表会開催のご案内

1)主    催:土木学会(担当:環境システム委員会)

 

2)開催期日:2003年10月24日[金]・25日[土]

       (なお、10月22日(水)〜24日(金)に、同市内でエコ・テクノ2003が開催されます。)

 

3)場    所:北九州学術研究都市

(〒808-0135 北九州市若松区ひびきの、JR折尾駅西口よりバス15分「学研都市ひびきの」下車)

              会場へのアクセスについては、下記のホームページをご覧下さい。

http://www.ksrp.or.jp/09access/index.html

 

4)プログラム等決まりましたら、ニュースレター、環境システム委員会ホームページでお知らせします。

 

    http://www.jsce.or.jp/committee/envsys/