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*     土木学会 環境システム委員会ニュースレター        *

*    Vol.13、No.4  2001.3.31発行      *

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−−− 目 次 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

1.次期委員長の決定について

2.森杉委員長退任の挨拶

3.「第29回環境システム研究論文発表会」についてのお知らせ

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  発行:(社)土木学会 環境システム委員会

  〒160-0004 東京都新宿区四谷1丁目無番地

  Tel : 03(3355)3559 Fax : 03(5379)0125

  Http://www.jsce.or.jp/committee/envsys

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 環境システムニュース平成12年度第4号(Vol.13, No.4)をお届けします。本号では、次期委員長の決定のお知らせ、今期の森杉委員長の退任の挨拶、第29回環境システム研究論文発表会についてのお知らせ(日程の変更と会場の決定)を掲載しています。

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1. 次期委員長の決定について

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 2001年1月発行の環境システム委員会ニュースレター(Vol.13, No.3)にてお知らせ致しましたように、環境システム委員会では、委員長及び委員の選出に当たり、より広い人材を候補として検討するために、皆様からご推薦を受けることと致しました。そこで、同ニュースレターにおいて、本年4月より2年間の任期となる環境システム委員会の委員長及び委員の候補のご推薦を皆様にお願い致しました。

 次期委員長につきましては、環境システム委員会委員長推薦小委員会により審議を行い、その結果が環境システム委員会に提案・了承され、井村秀文氏(名古屋大学大学院教授)にお願いする事と決定致しました。

 また、推薦をお願い致しました「委員長指名委員」につきましては、他の委員候補者とともに次期委員長に対して推薦し、2001年度の早い時期に委員長が委員会構成を決定する運びとなります。なお、これらの決定手順は本ニュースレター(前号、Vol.13, No.3)に示しました「環境システム委員会内規及び細則」(1998年12月21日改訂)に従ったものであります。以下に、委員長決定に至る経過及び理由を掲載いたします。

(1)委員長の決定までの経過

2000年12月6日 環境システム委員会内に「環境システム委員会委員長推薦小委員会」(以下、推薦委員会と呼ぶ)を構成した。その構成は以下の通りである。

  小委員長 森杉 壽芳 (環境システム委員会現委員長)

   委 員 市川 新  (環境システム委員会顧問)

   委 員 原沢 英夫 (環境システム委員会現幹事長)

 (計 3名)

2001年1月上旬  ニュースレター、委員会ホームページを通じて推薦依頼

2001年3月8日  推薦委員会開催(委員全員出席)

    審議内容は以下の通り。

・委員長選出の手順一般の確認

・選出の基準に関する意見の交換

・候補者に関する意見交換

・次期委員長に推薦する委員候補の選び方に対する意見交換

・環境システム委員会のキャパシティ・ビルディングに関する意見の交換

 一般推薦はなかったが、推薦委員会自身が推薦する候補者を元に、さまざまな角度から検討を行い、推薦委員会としての被推薦者を決定した。2001年3月30日開催の環境システム委員会において、推薦委員会からの提案に基づき、次期の委員長を決定した。

(2)推薦委員会からの推薦文

 環境システム委員会委員長推薦小委員会は、慎重に審議を重ね、環境システム委員会に提案する次期委員長候補者を決定した。以下、今回配慮した委員長選出の基準、委員長候補者の経歴とプロフィール、推薦理由書の順に示す。

・環境システム委員会委員長選出の基準

1)土木学会の環境システム委員会はもちろん、幅広く学会活動に参加し、環境システムに関連して研究、教育上の成果を生みだすとともに、研究、教育、社会活動などを通して、土木学会及び環境システム委員会の委員会活動、学会活動のリーダーシップを発揮している学会会員、もしくは以上の分野において貢献が見込まれる学会会員

2)環境システム委員会の設立の際に、環境システム研究の幅広い分野を配慮して、衛生工学(環境工学)系と土木計画学系の人材が協力して委員会活動を開始した事を配慮し、地球環境や環境政策などの幅広い分野を発展させる方向ですでに発展していることを重視し、また、文部科学省の科学研究費補助研究の領域区分で細目の土木環境システムが幅広い構想となっている事に鑑み、広領域の識見をもち、学際的なネットワークの構築を指向する学会会員

3)学会活動が学会会員の自主的かつ創造的で多様な形態や体制によって担われることが望ましいので、特定の機関や地域の人材で役員を固定化したり、閉鎖的な運営にならないように、透明性の高い学会運営を進める事を指向する学会委員

・環境システム委員会委員長

 氏名 井村 秀文(いむら ひでふみ)

・井村秀文氏のプロフィール

 井村氏は1947年生まれで現在54歳である。同氏は、1969年東京大学工学部物理工学科を卒業後、同大学院に進学。1974年、博士課程修了後、ただちに環境庁に勤務。1979年、外務省OECD日本政府代表部二等書記官、1982年環境庁企画調整局企画調整課課長補佐、1985年横浜市公害対策局課長、1987年環境庁環境保健部保健業務課課長補佐を経て、1988年九州大学工学部附属環境システム科学研究センター助教授、1991年同教授。2000年9月より名古屋大学大学院工学研究科地圏環境工学専攻教授。

 専攻は環境システム工学、環境計画、環境政策論であり、早くから土木学会の中で環境システムの重要性を主張し、研究を推進してきた研究者である。近年は、中国の環境問題、社会資本整備のLCA、都市・地域を対象とした資源・エネルギー分析、都市住民のライフスタイルと環境負荷、食物をめぐる資源循環と環境負荷、アジアの経済発展・都市化・工業化と環境問題等に関する研究を行っている。1999年土木学会第7部門論文賞受賞(社会資本整備に関する環境評価手法の総合化と体系化)。2000年環境科学会学術賞受賞(都市の資源・エネルギー消費と環境負荷に関する研究)。

 土木学会では、地球環境委員会委員、論文編集委員会第Z部門委員、環境システム委員会幹事長・委員などを歴任している。また、IPCC第V作業部会リードオーサー、(財)地球環境戦略研究機関の理事・都市環境管理プロジェクトリーダー、IHDPの国際研究企画委員、IT(産業転換)の研究企画委員を務めるなど、国内外において幅広い活躍をしている。

・環境システム委員会委員長推薦理由書

1)井村氏は、環境問題小委員会が環境システム委員会に改組された当初の時期より継続して委員を務め、平成5〜6年度には幹事長、平成9〜10年度には論文審査小委員会委員長を務め、一貫して環境システム分野の研究推進に努力されてきた。専門とされる研究領域は、環境システム分析、環境計画、LCA、資源・エネルギー問題、地球環境と多岐にわたり、多くの研究成果を環境システム研究のみならず、土木学会論文集、多くの関連学会等で発表されており、環境システム分野のおける先駆的な研究成果をあらわしている。研究面で、分野横断的なシステムズ・アプローチに秀れていることは、衆目に一致するところである。これらの研究成果により、平成11年度の土木学会論文賞、平成12年度環境科学会学術賞を受賞している。環境システム委員会では幹事長、論文審査小委員長を務め、その後も委員として、環境システム委員会編集の「環境システム」の企画、編集、HDP小委員会委員など、積極的な活動により、環境システム委員会に貢献されている。

2)環境システム委員会では、従来、環境工学領域と土木計画学領域から委員長が選出されてきた経緯がある。環境工学領域、土木計画領域双方に活躍している研究者が委員長に選出されることが、両領域の研究の進展と相互の交流、広い意味での学際的研究を進めることが、環境問題が多様化し、問題解決に向けた政策の立案、実施が緊急課題となっている今日、望ましいと考えた。井村氏はこの要件にもあてはまる。将来的には地球環境委員会などの他委員会の活動とさらなる連携をはかるうえでは、業績、経歴に加えて、コーディネーターとしての豊かな経験が、委員長にふさわしいと判断される。環境システム工学や環境計画などの関連分野との連携はもちろん、学際的な研究ネットワークの形成も強力に推進される事が期待される。

3)井村氏は、研究者として学際的、国際的な研究を通じて、国内外の研究者の交流を重視し、研究動向や他分野の研究について造詣が深く、研究成果を生かすべき環境政策にも明るい。また、公平無私で、研究と学会の発展を図るにふさわしい資質を有している。

 以上、1)研究や学会活動上の貢献、2)環境システム研究領域の発展との関連性、3)学会運営面での人物と個性、の3点から同氏が環境システム委員会委員長として適任であるとの推薦理由をあげてきた。豊富な国際的経験を活かして、そのリーダーシップを発揮し、土木学会環境システム委員会の多様で高度な学会活動を発展させる事を期待して、同氏を次期(平成13年4月〜平成15年3月)の環境システム委員会委員長に推薦する。

2001年3月30日

土木学会環境システム委員会推薦小委員会

 

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2.委員長退任の挨拶

           1999年4月―2001年3月委員長 森杉壽芳

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 原沢幹事長とともに、前委員長盛岡先生よりいただいた7つの項目にわたる宿題を忠実に実行することを心かけたつもりである。各項目に関する私見は以下のとおりである。

 第1は、委員長、幹事長、幹事、委員の選出方法の透明化である。この点は、今回のニュースレターでも詳細に報告したように、いずれも、全委員会を踏襲して公募形式を継続した。これで、2期連続して公募方式を実行した事になる。その過程においても、結果においても、良好な成果がでていると評価している。

 第2は、環境システム研究委員会の質的量的求心力の向上である。この点は、従来から行われている行事の拡充発展は行い得たと自負するが、求心力向上の試みとして、盛岡委員長から提案のあった大学における環境システムのカリキュラムのあり方、あるいは、コンサルタント協会との協議と検討と公表、などは、結局、手つかずであった。反省点である。

 第3は、環境システム研究発表会、環境システムシンポジウム、地域シンポジウムの充実と成果の公表である。環境システム研究発表会に関しては、提案型論文の新設、ポスター賞の新設等ポスターセッションの充実、環境共生学会との共催などの新機軸が実現した。また、発表件数及びその内容も、着実に成長しているという感想を持っている。地域シンポジウムが長崎と京都でそれぞれのご尽力で成功裏に実行された。特に、京都では、京都市における市民団体との共催という形で、地球温暖化問題への接近に成功した。環境システムシンポジウムも、港湾技術研究所のご尽力で、沿岸域に焦点を当てた興味深いシンポジウムであった。

 第4は、出版活動の進展である。この点は、委員会活動というより、各個人またはグループの成果に期待せざるを得ない分野であるが、企画のきっかけなどとしてセミナーなどの開催を含む推進体制ができていないといわざるを得ない。

 第5は、小研究委員会活動の進展である。この点は、まず、二渡委員長の指導による過去20年余に及ぶ環境システム委員会の研究成果に関する展望がなされた事を高く評価したい。また、環境評価小委員会とHDP小委員会が発足した。この2つの小委員会が、今年度、あるいは、来年度の環境シンポジウムを開催されんことを期待する次第である。

 第6は、国際化と地域社会との対応である。国際的な行事を今回は行うことができなった。残された大きな課題である。地域社会との対応については、京都での地域シンポが注目に値する。笹谷委員の長年の献身による環境まちづくり交流会in京都は、環境システム委員会と京都市民運動団体の見事な共催であったと感じている。

 第7は、土木学会の委員会をはじめとする諸団体との連携である。この点については、特に問題があるとも思えない。今後も継続する事が望ましいと考える。

 以上のように、委員長を拝命した2年間にわたり、原沢幹事長をはじめ、各種小委員長、顧問の先生方、幹事、委員、学会事務局からの絶大なるご支援をいただいた。ここに、深く感謝する次第です。

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3.第29回環境システム研究論文発表会のお知らせ

    (開催日時の変更と開催場所の決定)

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 平成13年度(2001年度)に開催予定の第29回環境システム研究論文発表会については、土木学会誌2001年2月号で論文募集を会告としてお知らせしました。今回は東京での開催を予定しておりましたが、開催場所の決定に伴い、以下のように開催日時を変更しましたので、お知らせします。論文募集の要領は以下とおりですので、奮って論文をご応募下さい。

第29回環境システム研究論文発表会のお知らせ(開催日時変更、開催場所決定)と論文募集のお知らせ

 

(1)主催     土木学会(担当:環境システム委員会)

(2)開催日時:平成13年11月1日(木)、2日(金)

(3)開催場所:国立オリンピック記念青少年総合センター

          〒151-0052 渋谷区代々木神園町3−1<br>
          地下鉄千代田線「代々木公園」駅より徒歩10分

(4)課題

 環境を人および人の生活する社会との関連のもとでシステムとしてとらえ、学問としての体系化を図るとともに、社会と環境の基礎づくりをシステム面から実現させていくところに重点をおいた研究や提案を幅広く受け付けます。環境原論、環境倫理、環境計画、環境構造、環境動態、環境保全、環境評価、地域環境、地球環境、社会環境システムと環境、支援手法、住民意識、環境教育などを含みます。

(5)発表部門

@全文審査部門:

 本論文を応募時に提出し、委員会の審査に基づいて受理された論文。環境システム研究としての独創性、論理性、有用性に富み、現段階での研究水準を内外に示しうるレベルのもの。なお、審査基準に達しないと審査委員会が判断したものは、その時点でアブストラクト審査部門として再提出することも可能です。また環境システムの理念・分析の枠組み、対策手法、政策などについて新しい問題提起や提案を行い、その意義、有効性や今後の発展方向などについて論じる論文(以下「提案型論文」と略記)についても積極的に募集いたします。提案型論文はその主旨にふさわしい基準で審査を行います。

Aアブストラクト審査部門:

 アブストラクトを応募時に提出し、委員会の審査に基づいて受理された論文。環境システム研究としての斬新な提案、研究調査などのケーススタディ、完成途中にあるものなど。

(6)セッション企画募集

 複数の論文の応募を事前に自ら企画し、一つのセッションを設けるセッション企画を歓迎いたします。例えば、第28回(2000年)には「21世紀の環境システム研究」「人間の諸活動と自然環境間の相互関係の構造分析と手法について」の2つのセッションを設けました。セッション企画を希望される場合は、セッション名、目的および提出予定の論文等の題目、発表者、所属、ページ数などを4月20日[金]までに土木学会事務局に送付して下さい。なお、企画および企画セッションへの提出論文等の採否は、環境システム委員会にご一任下さい。

(7)発表形式   

 口頭発表、ポスター発表、希望の形式を論文あるいはアブストラクト提出時に発表申込要領(1)に従って明記して下さい。なお、発表形式の最終決定は委員会にご一任下さい。なお、全部門を通じてお一人の方が登壇できるのは原則として一度に限ります。

(8)発表申込要領

1)5月7日[月]までに、論文題目、発表部門(全文審査部門に応募する場合には「提案型論文」としての扱いを希望するかどうか明記すること)、発表形式、所属、および連絡先(TEL、FAX、電子メールを含む)を記入したA4判用紙(縦長・横書き)を添えて、本論文またはアブストラクトを下記までお送り下さい。

  土木学会環境システム委員会宛(〒160−0004 東京都新宿区四谷1丁目無番地 TEL 03−3355−3559/FAX 03−5379−0125)

2)全文審査部門のための審査用論文は、英文200語程度のABSTRACTを付け、ワードプロセッサーにより、A4判用紙に40字×50行程度で印字して、本文とそのコピー3部の計4部を提出して下さい。なお提案型論文については、a)提案型論文として投稿する主旨をA4版用紙に200字程度で記述したものを4部提出するとともに、b)投稿論文の論文題目、ABSTRACT、本文のいずれかに提案型論文とした主旨が明記されるよう配慮してください。

 必要項目が記載されていない論文は受理されませんのでご注意下さい。提出された論文は環境システム委員会において厳正な査読を行います。審査結果に応じて、受理出来ないことや論文を修正していただくことがあります。

3)アブストラクト審査部門のための審査用アブストラクトは、A4判用紙に800字程度で、研究の概要(目的、結果)を記載して、3部提出して下さい。審査結果によっては受理出来ないことがあります。

4)いずれの部門の論文も原稿をそのままオフセット印刷し、4−12頁とします。6頁までは無料ですが、超過分は、1頁あたり7000円の著者負担金をいただきます。なお、全文審査部門論文(提案型論文を含む)、アブストラクト審査部門論文は、それぞれ「環境システム研究論文集」「第29回環境システム研究論文発表会講演集」に分けて印刷・製本いたします(2000年度より分冊としました)。

5)全文審査部門、アブストラクト審査部門、いずれの論文も受理決定後、所定の原稿作成要領を送付しますので、それに従ってオフセット用の原稿を作成し9月7日[金]までに事務局宛送付して下さい。提出期限は厳守して下さい。遅れた場合は受理を取り消します。

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編集後記

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 今期の委員会の最後のニュースレターをお送りします。次期は、井村秀文名古屋大学教授を委員長とする新たな体制で環境システム委員会の活動を開始します。今後ともニュースレター及びホームページにより委員会の活動をお伝えするとともに、より読者の方々との意見交換が出来るよういろいろ工夫したいと思っている次第です。今後ともご支援、ご協力を是非よろしくお願いします。原沢英夫(前幹事長)