A−51

ダム湖の環境整備による鳥類相と鳥類生息状況変化のモニタリング

 

百瀬浩1・舟久保敏2・藤原宣夫3

 

1  理博 国土交通省国土技術政策総合研究所 環境研究部緑化生態研究室 研究官(〒305-0804 つくば市旭1)

2  国土交通省四国地方整備局建政部 都市・住宅整備課長 (〒760-8554 香川県高松市福岡町4丁目26-32)

3  正会員 国土交通省国土技術政策総合研究所 環境研究部緑化生態研究室長 (〒305-0804 つくば市旭1)

 

栃木県の東荒川ダムにおいて、生物の生息場所創出を目的とした各種の環境整備を行い、その前後約6年間にわたる鳥類のモニタリングにより、ダム湖の環境整備が鳥類の生息状況に与えた変化を調べた。環境整備の内容は、4つのビオトープ池とこれらをつなぐ近自然型水路、そして湖面に設置した計4基の植栽人工浮島で、ビオトープ池群の周囲には樹林の植栽も行われた。整備前には疎林性鳥類が優占した整備地に、カワセミ、カワガラスなどの水鳥類が飛来して採餌や休息に利用したほか、多くの樹林性鳥類も出現するようになった。カワセミ、セキレイ類、カルガモなどの鳥類は、事例地内やその周囲で営巣するようになり、環境整備の効果が実証された。

 

Key Words :  monitoring, dam lake, wetland construction, habitat creation, bird