A−34

屋上緑化による建築物に対する熱負荷の軽減効果についての実証的研究

 

峰村太輔1・山田宏之2・山本幹雄3・中尾史郎4・中島敦司5・養父志乃夫6

 

1非会員 和歌山大学大学院博士前期課程 システム工学研究科(〒640-8510 和歌山市栄谷930番地)

2非会員 博(学) 和歌山大学助教授 システム工学部(同上)

3非会員 都市基盤整備公団 技術管理部(〒102-8201 東京都千代田区九段北1-14-6)

4正会員 博(農) 和歌山大学助手 システム工学部(〒640-8510 和歌山市栄谷930番地)

5正会員 博(学) 和歌山大学助教授 システム工学部(同上)

6正会員 農博 和歌山大学教授 システム工学部(同上)

 

屋上緑化による建築物への熱環境の改善効果の定量化を目的に、表面温度、地温、熱流の測定を実施した。その結果、断熱層上面地温とスラブコンクリート下面表面温度の温度差と断熱層の熱流との間に高い相関がみられ、簡単な時間補正のみで、精度良く熱流を推定できることが分かった。そこで、1997年から2001年までの温度データを用いて熱流の推定を行った。夏期の7、8月の期間について4年間を平均してみると、緑化区の屋上面から下向きの最大熱流は非緑化区の最大熱流の7.3%に抑制されていた。また、冬期の1、2月の期間について4年間を平均してスラブコンクリート面から屋上面へ向かう上向きの最大熱流を比較したところ、緑化区の最大熱流は非緑化区の最大熱流の59.0%に抑制されているという結果になった。

 

Key Words:roof top plantings, surface temperature, soil temperature, heat flux, annual heat absorption