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都市内部の閉鎖水域における防災性を考慮した水辺環境評価構造に関する研究

−東京都千代田区外濠公園を事例として−

 

坪井塑太郎1・萩原清子2

 

1 学生会員 東京都立大学大学院都市科学研究科・博士課程(〒192-0397 東京都八王子市南大沢1-1)

2 正会員  東京都立大学都市研究所・工学博士・教授 (〒192-0397 東京都八王子市南大沢1-1)

 

本研究は都市における水辺環境の評価研究においてこれまで研究蓄積の少なかった都市内部の閉鎖水域である濠に着目し,快適性,防災性双方からの水辺環境評価構造を明らかにすることを目的として調査を行った.1980年代以降河川の環境的利用が提唱されると,その快適性の効果を評価する研究が数多く蓄積されてきたが,本研究では都市の水辺空間を災害時にも活用できる空間ととらえ「快適性」と「防災性」の二つの空間機能がどのような構造で評価,認識されているかを共分散構造分析により多重指標モデルを用いて討した.本研究からは,総合的な「空間有用性」としては「防災性」が「快適性」よりも強く認識されていることが示唆された.

 

Key words: The comfortable space, The disaster prevention space, Space utility, Covariance structure analysis