概要  -ポスター発表−


 

 

 

No.1

国土について学ぶ(アメリカ「合衆国史」教育と国土、東日本大震災と日本の国土)

 

森田 康夫

国土交通省国土技術政策総合研究所

 

松本 順子

NPO法人・人と道研究会

現在、われわれが享受している豊かで安全な生活は、われわれのご先祖様が農業基盤や交通基盤を整備し、川を治め、水資源を開発するなど、絶え間なく国土に働きかけることによって、国土から恵みを返してもらってきた歴史の賜物である。従って、現代に生きるわれわれの世代も、国土に対して働きかけを続け、将来世代に対して、より良い社会基盤を引き継いでいかなければならない。

そのためには、われわれ日本人の国土への働きかけの歴史について、また世界の国々の国土への働きかけの成果や現在の努力について、不断に学び続けることが求められている。

(1)米国の社会科(合衆国史)教科書を「国土教育」の観点から検証し、地理教育・歴史教育・シティズンシップ教育の連携のあり方について考察する。

(2)東日本大震災と日本の国土の特徴について、「道21世紀新聞(Route .ress 21st.)」を材料として紹介する。

キーワード:国土教育、人と国土、国土学

 

No.2

「ドボクのチカラで子供に外遊びを!」の実践報告を通して、「土木がつくる子供の外遊び環境」の体系化を考える。

 

北添 慎吾

福田道路株式会社 関西支店

年々悪化していると感じる子供の外遊び環境。その要因は複雑であるが、まず社会基盤を整備している土木技術者が先頭に立ってとりくむべきではないだろうか。

戦後の社会基盤整備が子供の発達(特に社会性)に与えた影響は少なくない。居住地の郊外化及びスポーツ施設や大型公園の整備、そしてそれに伴うスポーツクラブ等の団体による(教育的な)指導育成傾向が子供の外遊びに影響を与えている。本来自然に身につけるはずの社会性は、子供が群れになって自由に冒険と失敗を体験できる空間(原っぱや路地など)と時間によってもたらされる。それを教育で補うことには無理があり、我々土木技術者が自然環境とともに子供環境の保全・再生を考えていくことが重要になってくる。

そこで、2つの実践事例(@現場発生品・余剰品を使った遊び場づくり Aひとつの流域にひとつの図鑑)と、土木と冒険遊び場の関わり(B冒険遊び場の未来)について紹介したい。

この事例から海・山・川といった自然環境そしてそれらをつなぐ道などの公共施設のあり方や、教育という視点から離れて社会性を自然に学べるような環境づくりのあり方について、教育者の方々とともに子供の外遊び環境の未来を考えていきたい。


キーワード:現場発生品を使った遊び場、ひとつの流域にひとつの図鑑、冒険遊び場

 

No.3

市井の技術者による自由研究読本の作成

 

坪内 恭史

持続可能な交通を考えるWG(TMO)/株式会社イトーキ

身近な交通・移動の中にある「社会的問題を解決するヒント」を、楽しく分かりやすく伝えようと、市井の現役の技術者たちが小学生と協力して作った自由研究のアイディア事例集を紹介します。

『技術者はその提供する人工物が市民生活に直接関係する点において,論文提供を基本とする科学者・研究者より市民により近い立場にあるから,技術者による技術コミュニケーションが実現すれば,これまでとは違った科学技術コミュニケーションの可能性,新しい形態や効果が生まれる可能性がある(科学技術コミュニケーション第1号,2007,...4-13より)』

しかし、市井の技術者にとって、小中学校向けのコミュニケーションは特に困難です。

理由@ 学校に出向くには、平日に時間をとらなければならない。

理由A そもそもシャイで口べたなので子供が喜ぶように話すのは苦手

理由B ついついディテールにこだわり、子供には分かり難い。

 このコミュニケーションギャップを解消しようとする試作品の小冊子を作成しました。多種多様な内容が集まりました。すべて手探り。イラストや四コママンガも技術者が描きました。未だ十分とは言えないかもしれません。今後のために、お感じになったことなど、遠慮なくお聞かせ頂けるととても助かります。

 

キーワード:交通、科学技術コミュニケーション、自由研究

 

 


No.4

ドイツ・ニーダーザクセン州のカリキュラム「モビリティ」におけるモビリティ・マネジメント

 

 

 

大高 皇

筑波大学大学院博士課程人間総合科学研究科

 交通政策で先進性をみせるドイツは、学校教育におけるモビリティ・マネジメントもまた盛んである。特にニーダーザクセン州においては、カリキュラム「モビリティ」と呼ばれる独自のカリキュラムを作成しており、その先駆性が注目されている。

 そこで、このカリキュラム「モビリティ」におけるモビリティ・マネジメントの特質を明らかにし、我が国の学校教育におけるモビリティ・マネジメントに対する示唆としたい。

 

キーワード:mobility managementschool educationGermany

 

 


No.5

土木を題材にしたアニメ映画「パッテンライ!!」を上映して -アンケート調査結果から−

 

 

 

桝山 清人

()全国建設研修センター 試験業務局

虫プロが土木分野へ本格的に参入してくる契機となったのが,「土木の絵本」((財)全国建設研修センター・発行)をビデオ化した「私たちの暮らしと土木」シリーズ(2001)で,「土木の絵本」を執筆した緒方英樹が,3本の原案・脚本を担当し,虫プロとして初めてアニメと実写による教育映像を製作した.その手法が「明日をつくった男」(平成15年・世界水フォーラム参加作品)につながっていく.

このように,「土木の絵本」1〜3巻が,虫プロとの連携で教育用ビデオとして製作されると,「総合的な学習の時間」などの教育現場,企業や行政の研修などで活用され,現在に至っている.さらに,「土木の絵本」4巻目・「近代土木の夜明け」,5巻目「海をわたり夢をかなえた土木技術者たち」は,大成建設によりドキュメンタリー映像化され,科学技術映像祭文部科学大臣賞など多数の受賞を得ている.

そして,絵本5巻目の中の八田與一をテーマとしたアニメーション映画が,緒方英樹企画により,「パッテンライ!!」製作委員会(北國新聞社・虫プロダクション)が立ち上げられ,製作された.「パッテンライ!!」は,全国の映画館やホールで順次上映されてきており,鑑賞者は小学校低学年から高齢層まで多岐にわたり,土木界にとっては,一般市民の土木理解につながる有効な作品となっている.

土木技術映像委員会では,「イブニングシアター」と銘打って各テーマを決め,映画会を開催し(2001年〜),その後にweb上でアンケート調査を実施している.「イブニングシアター」では,アニメを取り入れた作品は,主に夏休みを利用して特別上映会として親子で鑑賞できるように,市民ホールを活用して上映している.

 本報告では,「パッテンライ!!」に焦点をあて,小・中学生を対象に行った映画会のアンケート調査と土木技術映像委員会が実施しているアンケート調査(一般対象者含む)結果より,大人と子供がどのような感想を持ったか,また,今後授業や土木の裾野を広げるための参考となれば幸いである.

 

キーワード:パッテンライ、アンケート、土木アニメ映像

 

 


No.6

仙台市における小学生交通環境学習の普及に向けて 取り組みやすく効果的な教材づくり

 

 

 

菊池 輝

東北工業大学

 

 

 

五十嵐 大

仙台市都市整備局総合交通政策部公共交通推進課

 

 

 

安本 賢司

パシフィックコンサルタンツ株式会社東北支社

仙台市ではこれまでに、バスをより身近に感じてもらうことを目的として、小学校低学年(12年生)を対象とした乗車体験(路線バスで使用している車両を学校に配車し、バスの乗り方を学んでもらう取り組み)や、小学生高学年(56 年生)を対象としたお出かけしらべ教室(インターネットやバスの路線図を使った乗降駅・バス停・バス路線等の調べ学習)を行ってきた。このような取り組みを広範囲に、かつ継続的に進めていくためには、交通環境が小学校教育の一環として実施できる枠組み構築が必要である。本発表では、その枠組み構築の概要と実践した授業内容について報告する。

まず具体的枠組みとして、小学校6年間を通しての全体学習目標「公共交通を交通手段の一つとして考えられる」を設定し、小学生の成長過程に応じて公共交通のリテラシーが段階的に向上することを期待し、低学年(12年生)、中学年(34年生)、高学年(56年生)の学年層ごとの学習目標を次のように設定した。

  低学年:「公共交通を身近に感じる」

  中学年:「公共交通でお出かけができる」

  高学年:「公共交通を賢く使える」

また小学校では非常に多くの学習プログラムが運用されている実情を踏まえ、新たな教科単元として交通環境学習を導入するのではなく、既存の教科単元と関連付けを行い、パッケージングした学習プログラムを開発することに留意した。すなわち、各校の授業計画の中に取り組みやすく、効果的に組み込むことが可能な教材やプログラムを提供し、小学校教諭が通常行っている授業準備等の負担を少しでも軽減することを実施方針とした。

以上の方針のもと、昨年度は、小学校教諭6名と小学校校長2名とともに教材や学習内容の検討を行い、9クラス(2校)に対して交通環境学習プログラムを導入いただいた。授業前後に行った児童へのアンケート結果にはバス利用リテラシーの向上が表れており、今回開発した教材・学習プログラムには一定の有効性があったと思われる。

なお、本発表では、昨年度実践した交通環境学習プログラムのうち、低学年の授業例・教材を報告する。

 

※交通エコロジー・モビリティ財団のご支援により実施いたしました。

 

キーワード:交通環境学習、バス乗車体験

 

 


No.7

「日本の国土を知ろう」ホームページコンテンツ」その2

     

佐々木 正

(財)国土技術研究センター

小学校高学年から中学生を対象に、諸外国と比較しながら日本の国土の特徴を紹介するホームページコンテンツの作成。昨年度の第2回土木と学校教育フォーラムのポスターセッションでは試作品を紹介したが、その後、正式公表した。今回のポスターセッションでは、公表中のコンテンツの内容を追加する。

 特に、東日本大震災を受け、改めて私たちが住んでいる日本列島という国土が災害に見舞われやすい国土であるかを改訂版を紹介する。

 

キーワード:国土の姿、外国との比較

 

 

No.8

児童を対象とした防災教育の効果に関する研究

 

 

 

稲垣 意地子

山梨大学大学院医学工学総合教育部 国際流域環境研究センター

 

 

 

大石 哲

神戸大学自然科学系先端融合研究環 都市安全研究センター

 

 

 

砂田 憲吾

山梨大学大学院医学工学総合教育部 国際流域環境研究センター

本研究では,児童を対象とした防災教育の効果に注目している.防災教育の方法やツールは様々であるが,その中でも過去の災害を題材にした映像資料を取り上げて,効果の把握を試みている.児童に対する防災教育の効果を把握することは,児童が将来の社会の担い手となることから,自然災害に強い社会システムを構築するために有用であると考えられる.

本研究ではこれまでに,昭和34年に山梨県北杜市武川町で発生した土石流・洪水災害を当時の資料や被災者の体験談を基にして映像資料を作成した。そして,その映像資料を防災教材として児童に視聴してもらい,意識の変化を考察した.調査では主に,児童がどのような情報に関心を向けていたか,児童の一年後の記憶がどのように変化するか,防災教育に関する背景が異なる二つの地域の児童を対象とした効果の比較を行った.

その結果,多くの児童が特定の画像とナレーションを記憶していることや,一年後においても一定の記憶を有していることがわかった.また,児童の「災害に対する意識」は,防災教育を受ける機会が多い児童のほうが,通常の防災教育を受けている児童よりも高かったが,「災害時の防災行動に対する意識」には差は見られないという結果が得られた.

本発表では,以上に示した通り,映像資料を用いた防災教育が児童に与える効果に関する研究結果を報告する.

 

キーワード:防災教育、児童の防災意識、映像資料

 

 

No.9

福山都市圏における学校TFP展開の有効性とその継続効果の検討

 

 

 

荒木 勲

国土交通省 福山河川国道事務所 調査設計第二課

 

 

 

古岡 圭太

広島県東部建設事務所 事業調整特別班

 

 

 

荒平 信行

福山市 建設局 都市部 都市交通課

 

 

 

加藤 文教

(株)福山コンサルタント 西日本事業部

福山都市圏では、渋滞緩和による地球温暖化防止を目的に、ノーマイカーデーの通年実施である「ベスト運動」を推進しており、その重要な支援施策の1つとして、総合的な学習に導入できる学校TFP(トラベル・フィードバック・プログラム)を位置づけ、小学校教育との連携を進めている。導入実績は現在4校まで拡大している。

学校TFPに期待される主な効果は、@児童の交通・環境に対する意識を高め、長期間その意識を持続させること、A家庭での児童と家族の継続的なコミュニケーションにより、習慣化している家庭でのクルマ利用を自発的に見直してもらうきっかけとする2点である。

本発表では、福山都市圏の6年間に亘る学校TFPの取組みの内容とその成果について、下記の3点を中心に紹介する。

@ 小学校の「総合的な学習」で導入している、パッケージ化した交通・環境教育の学習プログラム、教材等の紹介。

A 学校TFPの効果の紹介

  6年間継続している学校TFPによる効果について、アンケートによる事後調査等の結果について、その具体的な内容の紹介。

B 学校TFPを踏まえた総合学習での環境学習の支援内容の紹介

  学校TFPにより高まった児童の環境意識をより充実させるため、学校TFP終了後に、児童の自発的な学習意欲の向上、学外での発表の経験を目指した総合学習での環境学習の支援を実施している。この活動により、児童に、「公共意識、社会意識の醸成」などの効果が期待できる。この学習支援の内容と、児童の学習成果を紹介する。

キーワード:学校TFPのパッケージプログラム、環境学習、公共意識・社会意識の醸成

 

 

No.10

実践事例に見る交通環境学習(モビリティ・マネジメント)教育の新たな展開

 

 

 

岡本 英晃

交通エコロジー・モビリティ財団

交通エコロジー・モビリティ財団では、交通環境学習(モビリティ・マネジメント教育)に取り組む自治体や学校に対する支援を行い、新たな教材や実践例の作成や継続的に取り組む拠点づくりを行い、全国への普及を目指している。支援している自治体や学校において、これまでの取組みとは異なる新たな取組みが実践されているので、本稿ではその紹介を行う。

例えば自治体支援においては、これまで単独学年で社会科や理科、総合的な学習の時間での実施が行われていたが、御嵩町(岐阜県)や仙台市においては小学校の教育課程として捉え、1年生からの6年間を通じて学習するプログラムが検討・実施されている。

 また学校支援では、これまで交通に関わる環境問題という視点からの学習が主であったが、公共交通機関の利用や交通渋滞を政治や防災、観光と関連付けて実践された。

 

キーワード:交通環境学習、モビリティ・マネジメント教育、小学校教育

 

 

No.11

大気汚染から考えるモビリティ・マネジメント教育の実践報告

 

 

 

長澤 慎哉

新宿区立西戸山小学校

我が国では1970年代まで、工業地帯や幹線道路近くでは、大気汚染による公害が深刻であった。原因となる主な発生源と物質は、自動車などの排出ガスに由来するものであるが、現在の主要都市では、行政の対策として、排出ガス規制、いわゆる自動車NO.x・P.M法等の対策や、公共交通機関の利用促進、産業面では、環境に配慮した自動車開発とそれらの普及により環境基準に達する地点が増えてきている。その反面、郊外における一人あたりの自家用車の保有台数は都心部よりも多く、自動車排出ガスに含まれる二酸化窒素等の濃度が都心部よりも高くなる地点があることがデータとして報告されている。

自動車の保有台数は年々増加している現状において、大気汚染を改善していくために今後個人に求められていくことは、都心部においても、郊外においても、モビリティ・マネジメントの取組みを実践していくことである。

本授業実践は、新宿区立西戸山小学校5年生を対象として、社会科における公害についての学習の中で、これらの大気汚染と自動車排出ガスとの関係を事例として扱った。

日常における利用交通手段のアンケートや実際に地域の二酸化窒素濃度を調査する活動を通して、大気汚染を改善するために一人一人のよりよい交通行動を模索していくという、モビリティ・マネジメント教育としての一面を取り入れた実践報告である。

 

キーワード:小学校社会科、大気汚染、MM教育

 

 

 

No.12

防災教育での自治体ハザードマップの活用事例

 

 

 

目山 直樹

徳山工業高等専門学校

 

 

 

牛丸 正美

防府市総務部防災危機管理課

 

 

 

渡邊 幸成

防府市総務部防災危機管理課

 

 

 

伊藤 将司

(株)福山コンサルタント

 

 

 

国澤 元樹

徳山工業高等専門学校

山口県防府市において徳山工業高等専門学校と防府市防災危機管理課の協働による自主防災組織立上支援に関わる活動について紹介する。

この事業では、防府市内の特定の地域を設定し、1)小・中学校への防災授業の実施、2)保護者に向けた防災講演会、3)地域内の自主防災組織未整備の自治会でのワークショップを実施することで、学校・地域・自治会の三者のつながりで、防災意識を高め、ひいては自主防災組織の組織率向上を目指すものである。具体的には、小・中学校での防災授業において、自治体が作成したハザードマップを活用した避難場所と避難経路を検討する演習を行った。

今回は、校区の重なる小学校1校、中学校1校において、@自然災害のはなし、A実験、B画像、Cハザードマップによる演習の4段階から成る防災授業を実施した。事前アンケートで家族の避難場所とハザードマップの認知状況を確認し、事後一週間後に家族で避難場所を話し合って決めたか、自宅に配布されているハザードマップを確認したかをアンケートで把握している。

 また、自治体ハザードマップを活用した避難活動に関する演習について、小中学校での防災授業や、自治会メンバーむけの防災演習での評価を報告する。

 

キーワード:防災、ハザードマップ、出前授業

 

 

No.13

土砂災害避難を考える防災授業 −四万十町立興津小学校の事例−

 

 

 

谷口 綾子

筑波大学大学院

 

 

 

近森 幹夫

四万十町立興津小学校

 

 

 

林 真一郎

国土交通省国土技術政策総合研究所砂防研究室

 

 

 

矢守 克也

京都大学

 

 

 

伊藤 英之

岩手県立大学

本報告は、高知県四万十町立興津小学校において、土砂災害避難行動誘発を目的とした授業を行った事例を紹介するとともに、その効果分析結果を示すことを目的としている。

 この授業では、(1)土砂災害の仕組みを3Dメガネ、砂防えん堤の模型で理解する、(2)地域の現状をフィールドワークと、危険マップなどで把握する、(3)土砂災害の被害軽減のための施設の限界について理解する、(4)土砂災害警戒情報の意義と運用例、限界を理解する、(5)避難意思決定の限界として正常化バイアス、集団同調バイアス、エキスパートエラー等の心理的バイアスの存在を理解する、(6)「葛藤」を経験するために、土砂災害クロスロードゲームを活用する、等の内容で構成されており、最終的には「施設や情報に依存しすぎず、施設や情報をかしこく使って、自分で考えて避難することが必要」ということを理解させることを目標とした。

 

キーワード:土砂災害、避難、クロスロード

 

 

No.14

第6学年対象「交通渋滞を考えよう」授業実践発表

 

 

市川 武史

草加市立川柳小学校

小学校第6学年対象に実践した実践報告。単元名は「交通渋滞を考えよう」。

地域の真ん中を南北に走る幹線道路の渋滞問題を取り上げ、渋滞は社会的な損失を多く生み出している事実に気づかせる。そこから、渋滞問題を緩和するためにどんな方法があるかを考えさせる実践を行った。

児童が考えた具体的なアイディアは、ヒトやモノを輸送する自動車やトラックを使わずに、他の手段で輸送ができないかという発想で、公共交通の充実、河川における舟運の復活、道路構造の変革、クリーンなモビリティの利用などを提案した。

提案発表会では、警察、消防署、バス会社、地域のPTA会長など様々な機関の「大人」に参加してもらい、実際に聞いてもらい、感想や考えを交流する場を設定した。児童は、自分たちの考えが認められた充実感を味わうとともに、考えの不十分さや新たな視点にも気づくことができた。また、これからの自分たちの交通との付き合い方を考える機会にもなった。

 成果としては、児童が交通問題を自分たちの問題としてとらえ、その解決策を考え、社会へ発信していくという社会参加の可能性を含んだ実践を行うことができたことである。一方、課題としては、「提案」という間接的な社会参加で終始してしまった点である。今後は、児童自身のアクションが社会にダイレクトに影響を与えられるような「直接的」社会参加を軸に実践を開発していきたい。

 

 

 

No.15

小学5年社会科「国土の保全」見直し点・強調点

 

 

 

新保 哲夫

札幌市立山の手南小学校校長

発表者が「社会科教育 20118月号(明治図書)」に寄稿した記事を掲示する。

小学5年社会科「国土の保全」の見直しを提案する。そのポイントとして、

 @国土と国土の保全に関わる学習時間を35h程度に増加、

 A諸外国比較により我が国の国土特徴を学習、

 B徹底した知識習得を目指す、

 CICTの活用による分かりやすい授業、

 D他教科と連携

 を挙げる。

 

キーワード:国土教育、小学校教育、小学校社会科