第1回論説 (2007年6月版)

論説委員長
丹保 憲仁
■目ははるか地平を、足はしっかりと大地を
1972 年の国連のストックホルム人間環境会議以来、地球が閉じた系であり、果てし
ない人類の成長(増殖)は無い事を人びとは広く公に知り始めた。18 世紀始めから21
世紀末にかけて人類は史上最大の、おそらくは人類史上ただ一度の、大増殖を近代文
明上で描いている。様々な推計法によっても、閉じた系の人口変化を大略記述するロ
ジステック曲線等で概括的に予想しても、地球の飽和人口は、100 億人前後と想定さ
れる。・・・
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■安全・安心な社会の構築へのパラダイム転換

論説委員
濱田 政則
地震・津波災害、風水害などの自然災害が世界的に増大している。地球の温暖化と海面上昇、都市域のヒートアイランド現象、森林と耕地の喪失、砂漠化の進行および河川・海岸の浸食などの都市と地方を取り巻く環境の変化が集中豪雨・豪雪、巨大台風・ハリケーンなどの発生、異常少雨と異常高温および高波・高潮の災害の危険性を増大させている。また我が国では、少子・高齢化、核家族化、都市圏の過密化と地方の過疎化などの社会構造の変化が災害に対する脆弱性を増大させている。共助意識の減退、災害経験伝承の減少および電子機器への過度の依存などライフスタイルの変化も災害に対する危険要因となっている。・・・
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第2回論説 (2007年7月版)

論説委員
大石 久和
■「私」を考えて「公」を主張すべきは誰なのか
土木の研究成果は、その圧倒的部分が公共事業によって活かされることになる。土木の実現過程は公共事業である。整備費や管理費にあてる予算は、この15 年ほどで国費で半減、地方費ではそれ以上に削減されたから、土木の研究成果の国民への反映も半減以上の削減にあったといっていい。
一人一人がそれぞれにやったのでは実現できないか、あるいはサービスが一部にしか提供されないものについては、みんなが少しずつ負担した費用で、みんなのためになることをやる。これが公共というもので、近代社会になればなるほど、私人としての努力の外に公共としての努力を加える必要が出てくる。
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■生態学と経済学

論説委員
塩谷 喜雄
今、欧州は政治も経済も「環境」を軸に展開している。何でも「エコ」の環境原理主義にはいささか抵抗のある人々も、文明の持続可能性=サステイナビリティへの理解度は高い。エコロジー(生態学)とエコノミー(経済学)が敵対せずに、共存へと向かっている。
物理学者であるドイツのメルケル首相が議長を務め、この6 月にバルト海に臨む保養地ハイリゲンダムで開いたG8 サミットを取材に、久しぶりにドイツを訪れた。サミットは欧州が想定内、折込済みの妥協をして、これまで温暖化防止に背を向けてきた2 大排出国、米中をポスト京都議定書の新しい枠組みづくりに引き込んだ。
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