2.3 仕組みの構築に関する概略検討
社会との情報受発信のための仕組みを構築する上で、他学会、他機関などの事例も参考にしつつ、また、JSCE2005での議論、平成14年度会長提言特別委員会準備会での議論、土木学会特別上級技術者、土木学会各種委員会参加者へのアンケート実施等、幅広く意見を収集検討した。
これらを通じて得られた意見の主要なものを下記に示す。
@社会とタイムリーに情報受発信をしてくための仕組み作り
- 土木技術者は、その専門性をもって,公共事業の仕組みや社会資本整備のあり方に対して、社会に判り易く説明していく責任を負っている。このためには、対社会だけでなく対会員と学会とのコミュニケーション機能が不可欠。
- 社会と関わるにあたっては、「社会から発せられる様々な疑問に判り易く回答できる組織作りや外部へ積極的に話しかける組織作りを通じて、社会への信頼を醸成する組織作り」が必要。また、コミュニケーション機能充実の課題としてa.どのような課題に発信(回答)するか、b.誰に発信(回答)してもらうか(これらを差配する「目利き」をどう確保するか)が重要。
- 情報の中立性や技術的信頼がおける情報の発信が求められる。例えば、中立的な立場に立った専門家集団、個人の顔が見える情報発信、賛否両論併記、数値的裏付けのある客観的な情報発信、一般の人々でも判断できる材料の提供など。
- 社会の動きに敏感で、質問などにレスポンス良く答えるなどタイムリーな情報受発信が必要。そのためには、縦割り組織・体制を改める、強力な常任(専任)の広報担当が必要、提示すべき情報を準備することを適当な委員会に依頼する任務を果たす組織が必要。
AWebを活用したツールの整備
- 土木技術者の役割と意識改革を進めるために、会員相互の意見交換の場(プラットホーム)の提供が必要であり、そのためにa.情報の受信・回答機能(コミュニケーション機能),b.政府(総合科学技術会議などを含む)や社会への情報発信機能(リリース機能)、c.情報の蓄積(ナレッジマネジメント機能)が期待され、それらを組織として準備する必要がある。
- 行政など学会外からの要請の内容について常時把握できる機能が必要。
- 各種委員会活動報告(成果)、土木用語辞典、図書DBなど学会が保有するコンテンツの公開、個人向けキャリアサービスなど会員サービスの向上が必要。
- 更新頻度が少ない、一般向けと会員向けのコンテンツの再整理、検索エンジンの採用など現状HP(ホームページ)の改善が必要。
これらの意見・議論を踏まえ、社会との情報受発信の仕組みの骨格として、資料−1に示す流れを作成し、さらに仕組みの具体的検討に入ることとした。