(補足資料1)

「第2回ジョイント・シンポジウム:沿岸環境の総合的評価と管理―沿岸環境研究の多角化と総合化に向けて―」の開催


主催:土木学会海岸工学委員会/日本海洋学会海洋環境問題委員会/
        日本水産学会環境保全委員会/日本水産工学会物質循環研究会
共催:土木学会地球環境委員会
日時:平成13年3月14日(水)9:30-18:00
場所:東京工業大学大岡山西2号館W241講義室

開催趣旨:

 沿岸域に対するさまざまな時代要請や国民意識の変化を背景に,国連海洋法のわが国における発効や海岸法の改正など,沿岸域に関わる法体系が大きく変わりつつあり,それらと併行して,今後の沿岸域の環境保全・修復,水産資源管理,沿岸防災等々のあり方・将来像をより多面的・包括的な観点から追求していくことの必要性が強く認識されつつある.本ジョイントシンポジウムでは,これらの基礎となる沿岸環境認識と評価・管理の問題に関して,「多面性」や「総合性」をキーワードとしてさまざまな議論を展開し,今後に向けての課題を明らかにしていくとともに,今春発足を予定している「沿岸環境関連学会連絡協議会」(土木学会/海洋学会/水産学会/水産工学会)を中心として開催予定の,宍道湖・中海プロジェクトを対象とした現地ジョイント・シンポジウムに関する前段的な議論を行う.さらに,現在,緊急の対応が求められている有明海・諫早湾干拓問題についても,今後の対応戦略のあり方ついて議論する.

プログラム:

<午前>

 9:30−9:50
・「沿岸環境関連学会連絡協議会」発足にむけての経緯説明ならびにジョイントシンポの趣旨説明(東京工業大学・灘岡和夫)

A.「沿岸域の総合的環境評価」 9:50−11:50 (座長:ハザマ・ 鈴木達雄)

・「わが国における沿岸環境評価研究の動向」 (茨城大学・三村信男) (30分+討議10分)
・「水産工学的立場から見た沿岸漁場環境の評価と管理 ― 目標とする生態系とその評価手法,価値基準は?」 (水産工学研究所・明田定満) (30分+討議10分)
・「広域沿岸環境システムにおける陸域影響評価 ― 中国長江流域・東シナ海を対象として」 (国立環境研究所・渡辺正孝)  (30分+討議10分)

<午後>

B.「沿岸域の総合的環境管理」13:00−15:20 (座長:東京水産大学・石丸 隆)

・「欧米での沿岸環境管理機構と活動の現状― 沿岸域の環境管理の概念,政策,そして環境評価と環境保護,修復活動を総括するシステム(ガバナンス機構)が欧米に実在する.環境管理と保護活動の実態を事例で紹介する.」 (中国工業技術研究所・上嶋英機) (30分+討議10分)
・「行政における総合的沿岸管理の動向(その1)― 大阪湾港湾環境計画を例として」 (国土交通省港湾局環境整備計画室長・安井誠人) (20分+討議10分)
・「行政における総合的沿岸管理の動向(その2)― ウミガメ・サメや藻場・干潟の保護,外来種・移入種や赤潮・油濁事故による漁業被害等,漁業をめぐる環境問題は近年増加しており,内容も複雑さを増している.これらの環境問題に対して従来概して受身であった水産分野においても,今国会に提出されている水産基本法を巡る検討過程やさまざまな場面において,より積極的に対応することの必要性が論議されている.水産分野における環境対策の現状と今後の動向について述べる.」 (水産庁生態系保全室長・重 義行) (20分+討議10分)
・「サロマ湖における環境調和型のホタテ養殖の取組み ― 天恵の宝庫/英知の結集と連帯/腹七分の漁業経営」 (サロマ湖養殖漁業組合常務理事・加藤重信) (30分+討議10分)

― 休憩20分 ―

 C.「沿岸域プロジェクトの総合的評価」15:40−16:30 (座長:資源環境技術総合研究所・石川公敏)

・「宍道湖・中海のプロジェクト評価に関する現地ジョイントシンポジウムに向けて」
(島根県内水面水産試験場場長・中村幹雄) (25分)
・「有明海/諫早湾干拓問題への対応戦略について」 (中央水産研究所・佐々木克之) (25分)

D.「総合討論」 16:30−18:00 (座長:資源環境技術総合研究所・石川公敏)