関東の土木遺産 関東の土木遺産
土木遺産の概要 施設位置図 施設一覧
   
神奈川県/藤沢市
しょうなんこう
湘南港
H28年度認定(2016)
1.名 称:
しょうなんこう
湘南港
2.完成年次:
1964(昭和39)年
3.形式等:
港湾区域面積:102ha、臨港地区面積:約11ha
(主要施設)
  • *南防波護岸(セルラーブロック式直立護岸等):638m
  • *本船耐震岸壁:109m(-6.0m)、北防波堤:95m、北2号護岸:207m
  • *湘南港灯台:H=18m 、東京オリンピック聖火台:H=2.7m
4.設計者等:
設計者:神奈川県土木部
施工者:清水建設、西松建設、東亜港湾工業、オリエンタルコンクリート等
5.推薦理由:

湘南港は1964(昭和39)年の東京オリンピックの日本で初めての競技用ハーバーとして富士を望む相模湾の神奈川県指定史跡・名勝、日本百景の地である江ノ島に整備された。

江ノ島付近の海岸は昭和30年頃から浸食が著しく、その対応を昭和31年に土木学会海岸工学委員会に委嘱した結果、江ノ島東南に防波堤築造が最善との結論が出され、その高度利用を模索している中にオリンピック会場の話が持ち上がり、湘南港の計画が一気に具体化した。

建設は昭和36年5月から開始され、現場は太平洋の外海に面し極めて難工事で、第2室戸台風の被害などもあったが、関係者の努力により昭和39年7月に完成した。

東京オリンピックを皮切りに国際大会もしばしば開催され、1998(平成10)年には第53回国民体育大会(かながわ・ゆめ国体)のヨット競技会場となるなど、日本トップクラスのハーバーとなっている。

湘南港ではこれまで数多くのセーリング競技が実施されるなか、その主要施設である南防波堤護岸、北防波堤、湘南港灯台等は建設当時のままで東京オリンピックの面影を多く残し、平成13年3月にはノルウェー国王夫妻(皇太子の頃、東京オリンピックに選手として参加)の強い希望で天皇・皇后両陛下の同行のもと湘南港を訪れている。

湘南港は開設を契機に、湘南地域が日本のマリンスポーツのメッカとして「海洋文化」を根づかせ、また海岸侵食対策と言った面からも功績は大きく、2020年東京オリンピックパラリンピックのセーリング会場としての準備が進むなか、1964年東京オリンピックを直接支える為に整備された「唯一の土木施設」である湘南港を土木遺産として認定し、後世までその功績を伝えたい。

6.所在地:
神奈川県藤沢市
7.管理者:
神奈川
8.特記事項:
2020年東京オリンピックパラリンピックのセーリング会場。

湘南港の変遷

現在の湘南港(黄色の枠は当時からの施設)
画像:現在の湘南港(黄色の枠は当時からの施設)
オリンピック会場プラン1
画像:オリンピック会場プラン1
建設当時の湘南港(S39)
画像:建設当時の湘南港(S39)

湘南港は1964オリンピック後、国体などに合わせたヨットハーバーとしての施設改良は行われたが、周囲の岸壁等は当時のままである。

今回のオリンピック会場案においても、岸壁内部のレイアウトだけが行われる予定。

オリンピック会場プラン2
画像:オリンピック会場プラン2
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